皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「過去の擦れ違いとこれからの未来」

桜護雪」の香西香住さんから、
先日私が差し上げたバレンタインデーのイラストへ、ホワイトデーのSSのお返しを頂きましたー♪
ありがとうございます(^▽^)

それにしても、最近は私も不知火さんを描いていますが、
ここまで砂糖のようなセリフ吐かせてあげる事ができませんw
さすがですね、香住さん!www私も今後は見習わなければwww

そんな不知火さんのセリフが気になる方は、続きからどうぞ^^



今回も、香住さんが自サイトで連載している作品のオリジナルキャラが登場しています。
苦手な方はご注意を。

挿絵は感謝を込めて香住さんへ進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。




過去の擦れ違いとこれからの未来




「なあ」

バレンタインデーのお返しの俺の特製フォンダンショコラをフォークで刺し、口に入れながら、美雪は首を傾げた。
付き合っていた当時より大人びたが、その愛らしい仕草は変わらない。
……ずっとこのままでいて欲しいが、無理だろうか?

「昨日、初めての使いの総集編見て思い出したんだが、俺、ちぃせぇ頃のお前と会ってるわ」

元から何も手を加えられていないのに、ぱっちりとした目が見開かれて、一瞬行動が止まる。

「…………」

暫くして、もぐもぐと口の中のフォンダンショコラを咀嚼して、ごくんっと飲み込んだ。
付き合っていた頃から、美雪は食べながら喋ることはしない。土方の教育が徹底されていたのだろう。そんな所も惚れた箇所の一つだ。

「……美雪は、匡さんと会った事を覚えてない事を残念がれば良いのかな?それとも、匡さんが初めてのお使いを観ていた事に驚けば良いのかな?取り敢えず、このフォンダンショコラ、滅茶苦茶美味しいね」
「あれはあれで、色々参考になるからな。そいつぁ良かった。今、抹茶を入れてやる」

女の扱いも、ガキの扱いも、年配者の扱いも覚えておいて損は無い。備えあって憂いなしってやつだ。
特に、ガキの扱いは将来の為にも必要だ。

「ありがと。それで、何時何処で会ったの?」
「一生の中で何人の奴と擦れ違うと思う?その中に、偶然と必然があるんだろうな。必然なら、何時か巡り会いに変化する」
「……匡さんって、見掛けに寄らずロマンチストだよね」
「お前との出会いは必然だな。……変化するのに大分時間を食っちまったが」

香りを放ち、泡立つ抹茶を微笑みと共に手渡した。

※※※

あれは、確か、高校1年の頃だ。俺は裏庭の木の下、頬を赤く腫らし、落ち込んでいる原田に肩を貸していた。
話を聞くと、女に振られたらしい。

「お前、何したんだよ?」

顔だけは完璧に良い男だ。(俺は中身も気に入っているが)
そもそも何もしなければ、流石に引っぱたかれはしないだろう。

「……花を、贈っただけだ……」
「何を?」
「……カーネーション」
「母の日かよ!?……色は?」
「……黄色」
「……You have disappointed me、rejection、disdain……」

カーネーションの中で唯一悪い意味を持つ色を選びやがって。馬鹿だねぇ。つぅか、花屋も止めろよ。

「あ?何だって?」
「いーや、女に花を贈るなんざ、お前には10年早ぇよ」

……10年経ってもこいつが花言葉に明るくなるたぁ思えねぇが。

「ひゃのにぃ、どーしたの?けんか?」

聞き取りが出来ずに、首を傾げる原田に笑った瞬間、そいつは現れた。
物凄く愛らしいが、高校には相応しくない子供だった。

「……美雪」

一瞬迷子かと思ったが、原田の驚く顔を見ると知り合いの様だ。

「……どうした?……迷子か?」
「んーん、としにぃにおべんと届けに来たの!」

確かに手には手提げ袋が重たそうにぶる下がっているが……。

「1人でか!?」
「ううん。校門まではかせいふさんが送ってくれたよ~」
「その家政婦は!?」
「かれしさんとでーとだって!げんちかいさーん!」

そりゃ、家政婦失格だろ。

「それにしても、ひゃのにぃ、ほっぺ痛そうね。みゆきがおまじないしてあげる。痛いの、痛いの、飛んでけー!」

可愛い声と共に小さな唇が原田の頬にくっ付けられる。

「…………不知火」
「…………あ?」
「やっぱり女の子は年下に限るな!」

少女を抱き上げて頬に口付けながら眩しい笑顔を向けられた。

「極端過ぎるわ!」

犯罪くせぇ!

「よぉし!左之兄ちゃんが兄貴んとこまで送ってやるよ」

原田はそのまま肩車をした。

カット801過去の擦れ違いとこれからの未来

「わぁー高い!ひゃのにぃ、ちっから持ちぃ~!」
「まあな」

むしろ、幼女を持ち上げられねぇ程ひ弱だったら、俺ががっかりだ。
……取り敢えず、付いて行くか。
……傍から見たら幼女趣味に見えなくもねぇし。

※※※

「たこ焼6個入り千円、10個入り1500円……って、何処のぼったくり屋だ!何考えてやがる!風間!!」
「俺の生写真を付ければ、十分に安い」
「誰も要らねぇよ!君菊嬢!あんたも何か言ってくれ!!」
「……私の愛らしい千姫様の写真を添えれば、後500円は嵩増し出来ると思いますわ」
「更に悪化させねぇでくれ!!」

カット634

……大変そうだな、土方の奴。

「……としにぃのお身体の中で、血がふっとうしちゃいそうだね」
「そーだな。んじゃあ、沸騰しちまう前に冷ましに行くか。土方さーん!お届けものだぜ~!」

遠慮なくドアを開けて生徒会室に入る原田に付いて行く。

「ああ!?届けもんだぁ!?」
「としにぃ~!おべんと!焼きおにぎりと、ごぼうさんとにんじんさんとれんこんさんの中華炒めと、焼きさばと、たこさんうぃんなーとだし巻き卵とうさちゃんりんご~!みゆき、がんばった!!あ、ちゃんとかせいふさんに監視していてもらったから怪我してないよ~!あ、としにぃの好きなたくあんも入れたよ!」

地味にすげぇなその弁当。旨そう。

「美雪!?その家政婦はどうした!」
「たまにはとしにぃと帰りたくて帰ってもらっちゃった。大人しく待ってるから、一緒に帰ろ?」
「……美雪……」

土方が少女を抱き締めている。
成程。奴の妹か。

「お前の妹か?土方」
「ああ」
「愛らしい娘ですわね」
「はじめまして!みゆきです!あにが何時もおせわになってます!」

すげぇな……あの年でしっかり挨拶が出来ている。

「……風間千景だ」
「ちかげおにいちゃん?」
「うむ。遠い未来にお前の旦那となる男の名だ。しかと覚えておけ」
「だんな?」
「誰がお前に嫁がせるか! 」
「貴様を義兄と呼ぶのは気に食わないが、我慢してやろう」
「呼ばせるつもりは無い!!」

まーた風間の悪い癖が始まった。

「原田よぉ、余計に土方の血液を沸騰させてねぇか?」
「おやぁ?……ま、あれもあれで仲良しなんじゃねぇ?」
「何処がだよ?」
「あれだ、俺とお前と同じだろ?喧嘩する程仲が良い、ってやつ」
「……あれと同じと思うと嫌になるな」
「んじゃ、喧嘩やめていちゃついてみっか」
「殴るぞ」

※※※

「……若けぇなぁ……」
「何の話?」
「頭の中だけお前と同じ位の頃に時間旅行してたわ」
「え、15歳の匡さん!?会いたい!」
「そう言われてもな。お前がもう一度時を跳ばねぇ限り無理だ」
「……好きな時代に好きに行けるようになれば……それはそれで問題か……」
「だな」

それが分かる所も好きだな。

「それにしても、こんな美味しいお返しもらうと来年困るよね。匡さん、何食べたい?あまり甘いもの好きじゃないもんね」
「……美雪」
「ん?」
「美雪を食べてぇ」
「~!」

面白い位頬が染まる。

「ま、それは三年後で良いけどな。……そうだな……。お前の未来が欲しい」
「美雪の……未来?」
「これから先、お前と擦れ違ったりしない様に、二人の記憶が違えたりしない様に、俺と一緒に未来への道を歩いて欲しい。……過去はもう良いだろ?」
「……匡さん」
「返事は、来年のバレンタインでいいぜ?」

その頃には、お前も完全な白薔薇になっているはずだから……。



〇黄色いカーネーションの花言葉
「You have disappointed me(あなたには失望しました)」「rejection(拒絶、拒否)」「disdain(軽蔑)」
〇白薔薇の蕾の花言葉
「too young for love(恋をするには若すぎる)」「girlhood(少女時代)」
〇白薔薇の花言葉
「innocence and purity(純潔と純粋)」「I am worthy of you(私はあなたにふさわしい)」「reverence(深い尊敬)」

END
  1. 2016/03/10(木) 22:43:08|
  2. 頂きもの
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