皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「向日葵の恋」

桜護雪」の香西香住さんから、お月見の平ちゃんイラストへSSを頂きました。
ありがとうございます^^


影で表した千鶴のお相手―――平ちゃん視点なら定番のこの方しかいないでしょうね。
ですが、登場してきたのは(@_@)……そこはやはり香住さんならではですねw
この二人の組み合わせのお話なんて、他では見たためしがありませんwww

ではでは、どうぞ続きから、
香住さんにしては珍しい平ちゃん主人公のお話お楽しみ下さい^^



挿絵は感謝を込めて香住さんへ進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。




向日葵の恋




「……良くやる」

補習が終わり、ふと目を向けた中庭の木の下で、左之さんと千鶴が抱き合ってキスをしていた。
夏休みとは言え、オレみたいな補習を受けている奴や、部活動に励む奴はいて、人目はあるのに。
生徒と教師で、ある意味、前世よりバレたらやばい関係のはずなのに。

「……適わねぇなぁ」

俺の初恋は、今世も蕾のまま終わるらしい。

「おー、良くやるねぇ」

口笛と共に、俺の横に腕が伸びる。

「今世は月下美人の恋から卒業出来たみてぇだなぁ」
「…………」
「で?お前は向日葵の恋を続けんのか?」

揶揄う様な瞳で笑われる。

「…………」

どうやら、オレの恋は、花自体は咲かせていたらしい。

「……何で、あんた、オレの失恋の場に遭遇すんの?」
「……さぁな」

楽しげな笑顔が前世のそれと重なる。

※※※

静かな満月の夜。
月見酒でも呑もうと縁側に出ようとして月明かりの下、抱き合う左之さんと千鶴を見付けて、慌てて障子の影に隠れる。
同時に、オレの淡い初恋の花が蕾のまま落ちた事を知る。

「……ちぇ。これじゃあ、月見じゃなくて、逢引見じゃねぇか……」

千鶴への想いを飲み込む様に、酒を煽る。

カット718

「……良いのか?お前も好きだったんだろ?あの嬢ちゃんのこと」
「仕方ねぇだろう?千鶴は好きだけど、左之さんのことだって好きなんだよ。……左之さんならオレよりも千鶴を幸せに出来る」

問われた声に応える。

「難儀だねぇ。……まあ、お前みてぇな奴にゃぁ、月下美人の恋は似合わねぇけどな」
「……月下美人?」
「夜しか咲かねぇ花。ここなら衆道も珍しくねぇだろうが、嬢ちゃんを男として置いておく限り、日中堂々といちゃつけぇだろう?……お前はそういう恋は似合わなそうだ」
「へぇ……でさぁ……」
「んー?」
「何で、お前がオレの部屋に自然にいて、酒呑んでるんだよ!?」

オレの前で自然に酒を呑んでいるのは、新選組には存在しねぇ肌色を持つ男。
あまり接触したことねぇけど、鬼であり、敵である筈の不知火匡。

「あー……島原で原田が衆道になったっぅ話を聞いて、ちぃと確めに来たんだが……原因はあれらしいな。……あの嬢ちゃん、どっからどう見たって女なのになぁ……」
「…………」

悪かったな。最初は分からなかったよ!

「で、帰ろうとしたら、寂しそうな子犬を見付けて、珍しく慰めてやろうと、ここにいる訳だ」
「こ……子犬」
「今日は特別にこのオレ様が、お前が寝付くまで傍にいてやるよ」
「お前、そもそも、敵だろう!?」
「ま、味方じゃねぇが、今日は遊びに来た訳じゃねぇからな。特別だ」

結局その日、不知火はオレが酔い潰れるまで俺の部屋に居た。
……確かに、独りで呑むよりはましだったと思う。

※※※

「向日葵の恋から卒業してぇんなら、協力してやっても構わないぜ?」
「……あんた、見掛けに寄らず、お節介だよな」
「……お前ねぇ、このオレ様の週1の親切を……」
「それ、結構、ただの良い奴だよな!?……いいよ。どうせ、左之さんには適わねぇんだ。……やっぱ、左之さんの事も好きだから……」
「……ま、昔はそこまであいつを知っていた訳じゃねぇから解らなかったが、今なら解らなくもねぇな。オレがお前でも、あいつなら諦めても良い。……永倉なら、絶対ぇ諦めねぇがな」
「……ああ」

新八っつぁんも良い男だけど、どうにも金使いが粗いからな……千鶴が苦労するのが目に見える。

「でも、向日葵の恋のままで終わらすなら、絶対感づかせんなよ?嬢ちゃんは気にするだろうし、原田には殴られるぜ?嬢ちゃんはともかく、原田は鋭いからな。ま、頑張れや」

笑顔と共に、ぽんっと叩かれる。

カット724向日葵の恋

「え、殴られんの!?」
「現にオレは五回中四回殴られた」
「え、五回も三角関係!?」

それ、地味にすげぇ!

「あ……もしかして、千鶴のことも……」
「……ちぃと幼過ぎるが、まあ、妹だったら嫁に出したくねぇタイプだよなぁ……」

……どっちだ!

「……結局、誰かに譲れちまう相手はその程度の想いなんだよな。愛情より友情に重りが傾いちまう訳だ。……それだけ、原田が良い男なんだよな……」

……確かに。

「……何時までも見てても仕方ねぇだろう?部活に行け、部活に。」

ぽんぽんと背中を押される。

「……なぁ」

歩きながら昔と同じ肌色を持つ男に話し掛ける。

「んー?」
「……あんた、一人暮らしだよな?」
「まあな?」
「親切ついでに、今晩オレを泊めてくんねぇ?ヤケ酒呑みてぇ」
「あー、やめとけ、やめとけ。未成年でのヤケ酒は良くねぇ。アル中になりやすいし、身長止まるぜ」
「え。マジで!?」
「成長に影響するのは確かだ」
「……身長が止まるのは嫌だな……」
「だろ?ま、もう止まってるかも知れねぇけどなぁ」
「やめろよ!」

これが向日葵の恋だと言うのなら、向日葵は何時か、太陽を諦めて、種を残し、再び花を咲かせる。
オレも何時か、新しい恋をするだろう。
何時か、向日葵の恋を卒業出来たら、その時は、この想いを懐かしさと共に告げるのも良いかも知れない。

end
  1. 2015/10/16(金) 22:57:19|
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