皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「現世のプロポーズ」

桜護雪」の香西香住さんから、眼鏡ちーちゃんへの頂きものでーす^^


もはや「蕎麦の花をくれた人」シリーズと言ってもいいかもしれないw不知火さんと千鶴ちゃん√のお話♪
今回は転生現パロ―――現代なら蕎麦の花の代わりにこれでプロポーズ、という事ですが
こんなものにまで意味がついてるとは知りませんでした( ̄∇ ̄;)

ではどんなプロポーズでも、意外とサマになる不知火さんのお話は
続きからどうぞ♪


挿絵は感謝を込めて香住さんへ進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。



現世のプロポーズ



あなたを救う。

それは、お蕎麦の花の花言葉。

前世、そんな花を私に送り続けてくれた貴方。

あれは、前世の貴方なりの求婚だったのかも知れない。

※※※

「雪村?」
「え?」
カット548

頭上から懐かしい声が聞こえ、顔をあげると、前世と変わらない彼がいた。

「ああ、やっぱり、雪村だ。思った通り、ここに入学したのか」
「……不知火先輩」

何も言えないまま、彼の卒業を見送った訳だけど。
まさか、こんな所で再会出来るとは思わなかった。
ここは、大学の図書館で、しかも、ここは……。

「ここに進学されていたんですか?」
「ああ。今、何年だ?」
「三年になりました」
「なら、俺の方が一年先輩だな」

大学は広いから、学年や学部が違えば逢わなくても不思議はない。

だけど……。

「……このコーナーにいらっしゃると言うことは、学部も?」

ここは、医学書の棚だ。
彼のイメージ的に、意外だった。

「ああ、違う。医学部は風間に付き合う前に卒業してる。今回はこっちだ」

彼が見せてくれたのは獣医書だった。

「獣医学部ですか!?」

それは、医学部より難しいとされている学科だ。

「そ。いやぁ、医学より難しいのなんのって」

そう言って彼は笑う。
医学部よりも更に意外だ。動物、お好きだっけ。
……ってそれよりも。

「医学部卒業されてたんですか!?」
「ああ、医師免許は持ってる」

私の夢を叶えている人が、今、ここに!

「なのに、何故お医者様にならずに、風間さんに!?」
「まあ……積もる話もあるが、取り敢えず、ここを出るか。……ここ、仮にも図書館だからな」

彼はそう笑うと、私の唇に人差し指を付けた。頬に熱が集中するのが分かる。

当然ではある。

不知火匡。

私の高校時代の先輩であり、前世の夫。そして、一番青春を謳歌するとされる高校時代、ずっと恋焦がれていて、彼が卒業してからも、心の中から出て行ってくれなかった人なのだから。

※※※

「カクテル飲めるか?」
「はい」

私が頷くと、彼は小さなbarに連れて来てくれた。
木造作りでクラッシックが流れる落ち着いた感じのbarだった。

「……こういう所、初めて来ました」

そう言うと、彼はそうか、と笑った。

「最初の一杯は、俺が奢ってやるよ。……カミカゼを」
「はいよ」

マスターが、私の前にライムが刺さった黄色いカクテルを出してくれた。

ああ、貴方も……。

「…………私は、今、囚われていませんよ?………匡さん」

そう言うと、彼は笑った。

「やっぱり、覚えていたか。お前からの視線が痛かったしな」
「気付いてらしたんですか」

少し、恥ずかしい。

「お前を養える程度に自立したら改めて口説く気でいたよ。………今日、逢わなきゃな」
「……口説いて下さらないんですか?」

それは寂しい。

「……カクテル言葉を知ってるたぁ粋じゃねぇか」
「お友達に詳しい子が居て」

カクテルを見詰めながら答える。
カクテルにも、お花と同じで言葉があって、このカクテルの表す言葉はお蕎麦の花と同じで、「あなたを救う」だ。

「昔、同じ意味を持つ花をお前に贈っただろう?」
「……はい」
「あれ、求婚のつもりだったんだよ」

彼はそう言って笑った。

「……はい」
「だから、このカクテル言葉を知った時、今度お前を口説くならこれを使おうと思ったんだ。「お酒は苦手なんです」とか言われなくて良かったよ」

……口説いてくれるんだ。

ドキドキと彼を見詰める。

「前世、俺は、気に入った人間……高杉も、…………原田も助けられなかった。看取ってやることしか出来なかった」
「それは……」

仕方ない事だと思う。

「だから、今度は大切な奴には出来る限りの事はしてやりたくてな。医師になる事は決めてたんだよ」
「そうなんですか……」

彼は優しい人だから。

「風間に付き合ったのは、まあ、俺と天霧の親が風間の親に借りがあってな。それを返す為だよ」
「そうだったんですか」

因みに、風間さんは高校卒業したお千ちゃんをお嫁さんにした。

「で、何で医師になってないかっつぅと、まあ、風間の件もあったんだが、俺は総合病院医じゃなく、個人院を開きたかったから。金を貯めてから開く気でいたんだ。だけど、その間に従姉妹がさ、亀を診て欲しいと連れて来たんだ」
「亀さん、ですか?」
「そう。これが、ちっとも解らねぇの。人間と仕組みが違うからな。結局、そいつ死んじまって、従姉妹が泣くわけよ。これじゃあ意味ねぇと思ってさ。人間も動物も診れる医者になろうと思ったわけよ」
「す、凄いですね」

とても素敵な夢だ。そして、彼はそれを現実にしようとしている。
とてもプライドが高くて、しかも現実的な人だから、きっと実行に移すだろう。
彼が嘘を付いた事は一度もなかった。

「それで、だ」
「はい」
「何時になるかは断言出来ねぇが、俺は必ず人間も動物も診る個人院を開設する」
「はい」
「……その隣に、お前に居て欲しい」
「…………」
「これからの未来、俺と共に歩いてくれねぇか?」
「……マスター、この人にシェリー酒を」

そう言うと、彼は瞳を見開いた。その後、目を細めて笑う。

「今夜だけ、か?」

シェリー酒のカクテル言葉は、「今夜は貴方に全てを捧げます」だ。
私は、そっと彼の色黒の手を握る。

「昔、この手を取った瞬間から、私の全ては貴方のものですよ」
「こりゃあ、情熱的なお返事で」

頬を染めて彼は嬉しそうに笑った。

「カクテルでプロポーズされるとは思いませんでした」

手を離して、彼がくれたカクテルを口にする。

「花より俺らしいだろう?」

彼も届いたシェリー酒を呑みながら笑う。

「確かに」

前世は余りにも彼の印象と掛け離れていて笑ってしまった位だったもの。

「何なら、ベタなやり方にしてみるか」
「え?」

彼がバッグを探り、何かを指先で弾くと。

ポッチャン

シュワ

綺麗な音をたてて手に持ったカクテルが泡をたてた。

吃驚して見つめると、カクテルの底にシルバーの指輪が沈んでいた。

カット650現世のプロポーズ

「……これ」
「今の時代、求婚には付きもんだろ?何時か渡そうと思ってお前を見付けた時に作っておいたんだよ。目測だけど、当時とサイズ変わってねぇだろう?」
「は、はあ……」

そういえば、原田先生から、シルバーアクセサリーを作ってるって聞いたことがある。

確かに、ベタだ。
ベタではあるけど……。

思わず吹き出してしまう。

「何だよ?」
「確かに、ベタですけど、現実に実行する人はレアだと思います」

しかも、こんなにスマートに。

そもそも、カクテルにシルバー落として大丈夫なのかな?

これ、まだ呑めるの?

シルバー、溶けたり、錆びたりしないの?

思う事は、沢山あるけれど。

「……嬉しいです」

そう笑うと再び手を握られた。

「雪村千鶴さん」
「……はい」
「今一度「不知火千鶴」になって、俺と生きてくれますか?」
「……喜んで!」

昔の変わらぬ優しい口付けをくれた。

「いやぁ、こんな間近で親友の求婚シーンを観賞出来るのもレアだろうねぇ」

傍で聞こえた声にはっとする。
そういえば、ここはbarだった。
恥ずかしい。

「うるせぇよ、高杉」
「え、高杉…って」
「今世も俺の親友を宜しく頼むね、「蕎麦の花の君」」

マスターの顔を良く見ると、それは、昔、彼が亡くしてしまった親友にそっくりで。

「まだ引くのかよ、それ」
「それじゃあ、「カミカゼの君」にするか?」
「千鶴にしてください」

恥ずかし過ぎる。

「今度こそ、二人の子を抱かせてくれよ?」
「ああ。約束するよ。……何時になるかわからねぇけどな」

その約束がどうか、果たされますように。
笑い合う二人を見ながらそう思った。


END
  1. 2015/05/09(土) 15:16:50|
  2. 頂きもの
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

素敵なプロポーズですね。

こんばんは、香住様、小萩です。
「蕎麦の花をくれた人」シリーズの転生後、
不知火さんの素敵なプロポーズ。読ませて
いただいてうっとりしてしまいました。

カクテル「カミカゼ」の意味は知らなかった
のですが、シェリー酒の意味は知ってました。
千鶴ちゃん、学生さんなのに大人ですね(褒)。

人間だけじゃなく、動物も診られるお医者さん
なんて素敵。不知火さんは本当に優しい人ですよね。
私、結婚前は動物病院で看護婦していましたので、
(猫アレルギーになってしまい、退職)大変さは
身に染みてわかってます。でも、不知火さんと
千鶴ちゃんなら、きっと夢を叶えてくれると
信じています。

カクテルでのお互いへのプロポーズ。
前世でも今生でも親友の晋作の見守る前で、
誓い合い、口付け合って。手作りのシルバーの
指輪までずっと持ってて。不知火さん、カッコ
良すぎですよ。本当に惚れちゃいます。
千鶴ちゃんも今回カッコ良いです。憧れのCPです。

素敵で素晴らしいお話をありがとうございました。
不知火さんと千鶴ちゃんが末永く幸福でありますように。
  1. 2015/05/09(土) 20:18:14 |
  2. URL |
  3. 小萩 #-
  4. [ 編集 ]

香住→小萩様

コメントありがとうございます♪シェリー酒は比較的有名ですよね。え。前世でも高杉さんの前で誓い合って口付けたんですかw高杉さん、二人専門の神父さんw一緒に幸せを祈って下さってありがとうございますm(_ _)m
  1. 2015/05/09(土) 20:36:49 |
  2. URL |
  3. 香西香住 #PBl13R7o
  4. [ 編集 ]

こんばんは

素晴らしいプロポーズですね♪

顔が熱いです…

不知火さんの作品かかさず見てますよ。

これからも頑張ってください。

応援してます
  1. 2015/05/10(日) 20:04:25 |
  2. URL |
  3. 香澄 #n3C3tgxw
  4. [ 編集 ]

香住→香澄様

こんばんは(*^▽^*)↑口頭で言うと自分への手紙の様でちょっとどきどきです。香住の妄想ではありますが、これ、ぬいさんに実際にやられたら卒倒ものですよね?応援ありがとうございますm(_ _)m
  1. 2015/05/10(日) 21:25:19 |
  2. URL |
  3. 香西香住 #Na//oj5c
  4. [ 編集 ]

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