皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「神様の涙」

桜護雪」の香西香住さんからの頂き物です♪

香住さん曰く、『ツンデレ総ちゃん幕末編』だそうですが、
これは土方さんには『ツン』で、千鶴ちゃんには『デレ』という意味でしょうかwww
前回に引き続き、どうにもまっすぐに素直にはなれない沖田さんですが、それが沖田さんでもあるんでしょうねw

しかし来世が沖田さんの望み通りになったら、土方さんはまた苦労しそうwww
そんなお話は続きからどうぞ♪


挿絵は感謝を込めて香住さんに進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。


神様の涙





「沖田さん!早く!」

土方さんに逢いに行く途中、雨に遭遇して、僕は千鶴ちゃんに引っ張られていた。


神様の涙


千鶴ちゃんの手によって、僕達は大きな木の下で雨宿りをすることになった。

「通り雨だと良いんですけど……。完全に雨を凌げる訳じゃないし、沖田さんのお身体が冷えちゃう」

心配性の千鶴ちゃんが、手を木の外に出して雨の様子を伺いつつ、心配そうに呟く。

「大丈夫だよ。こうして君から温もりを分けてもらうから」

格好の機会と、彼女の肩を抱き寄せる。

カット471


うん。
柔らかいし、温かい。
やっぱり白粉を塗ってない女の子は良いよね。

「それにね、雨を嫌がったら駄目だよ?」

雨を嫌ってやるな

「え?」
「恵みの雨って言うでしょ?雨が降らないとお花も作物も死んじゃうから。僕達も干からびちゃうし」
「それは……そうですけど……」

雨はな、神さんの涙なんだよ

「雨はね。神様の涙なんだって」
「涙?」
「そ。生物が可哀想だって、神様が流す涙」

それをそんな顔して嫌がってみろよ。怒った神さんに雷落とされるぜ?

……。
小さい頃の僕、何であんな与太話を信じたんだろう。
そしてどれだけ僕を子供扱いしてたの、あの人。

それでも、頷くと、小さく笑ってくれるのが、少しだけ……ほんの少しだけ嬉しくて……。昔から顔だけは良かったからね、あの人。うん。

「そう……ですよね。生きるには雨も必要ですよね。神様に失礼でしたね……」

はっ。
千鶴ちゃんが本気で落ち込んじゃった。

そう怯えんな。剣に生きるなら、光り物を怖がるな。それにな、お前が良い子にしてりゃあ神さんも何もしやしねぇよ。その内、気が済みゃあ……

「でも、ほら、花達に十分な水分を与えたら、神様は微笑むから」

千鶴ちゃんの肩を抱き寄せたまま、明るんで来た遠くの空を指を指せば、虹が掛かっていた。

「虹!虹です、沖田さん!」
「うん。綺麗だね……」

な?微笑んでくれただろう?

「虹が見れるなんて運が良いね。きっとこっちもすぐに晴れるよ」

雨が止んですぐに晴れなきゃ起きねぇ現象だからな。虹は見た者に小さな幸せを与えてくれる

「そうですね」
「僕は神様の微笑みより、君の微笑みの方が良いな」

ま。俺は神さんなんざ信じてねぇけどな。でも……虹は好きだ

神様なんかいないよ、土方さん。
もしいるのなら、この子が僕が近藤さんが……貴方が、こんな想いをしているはずがない。
……。
いや、千鶴ちゃんはともかく、僕達は沢山人を斬って来ているから、その皺寄せが来たのかな?
元より、天国に行けるはずがないんだよね。

「沖田さんったら……」

……。
駄目だ。
今、昔のあの人を思い出したら。理解なんてしちゃいけない。
理解なんてしてしまったら、あの人に逢ったら、全てを吐き出してしまうだろう。

「ほら、やっぱり晴れてきたよ」

本当は分かる。
もし、投獄されたのが近藤さんじゃなくて土方さんでも僕はきっと動揺した。

「本当ですね」

何でも出来るように見える土方さんでも出来ないことはあるって。
それどころか、不器用な人だって。
今、きっと、一人で重たいものを背負っているって。
近藤さんがいて、山南さんがいたからこそ、鬼の副長は成り立っていたのだと。
いや、今、鬼の副長なんて人は何処にも居ないのかも知れないけれど。

「ほら、雨も止んだ」

今、あの人を支えられるとしたら、それは僕だと。

「本当です!良かった!」

だけど、僕は選んでしまった。貴方より、新選組よりも、この子を。

「あ、沖田さん!見てください!こちらにも虹が!七色しっかり見えます!」
「本当だ。綺麗だね」

貴方を理解したことを認めてしまえば、貴方と逢った時、きっとまた迷ってしまう。まだ心の底にはいるから。近藤さんと……貴方と共に、戦いたいと強く望む僕が。

「さ。雨も止んだし、行こうか」
「はい!」

秤が大きく君に傾いている内に。

***

「俺は新選組と北を目指すが、お前ら二人はどうする?着いて来るんなら歓迎するが」
「僕は土方さんと一緒には行けません」
「……そうか」

そんな顔しないで下さいよ。寂しげなのに、安堵したような。
……貴方、元々僕に人を斬らすのも反対でしたもんね。身体を心配してくれているのもあるだろうけど。

「……総司を、頼む」
「……はい!」

立ち去る直前、土方さんは千鶴ちゃんに微笑んだ。

「土方さん」
「何だ?」
「……何でもありません」
「……変な奴だな」

土方さんは僕にも微笑んで、背を向けた。
多分、これがずっと見てきた貴方の背を見る最後なんだと思う。


カット475神様の涙


土方さん。
もし、生まれ変われることがあるとしたら、貴方が欲しがってた、弟として生まれ変わってあげますよ。

そしたらまた、可愛がって厳しくしてください。

また、喧嘩もしてくださいね。

可愛くない弟分だったかも知れないけれど、貴方の事も嫌いじゃなかったですよ。

貴方なら、わかってくれますよね?僕、本当に嫌いな人には近付いたり悪戯したりしませんから。

もし、生まれ変わることが出来たなら来世は貴方に対しても少しは素直になりたい。

end

  1. 2014/07/03(木) 22:33:51|
  2. 頂きもの
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

ボロボロ泣きました。

こんにちは。香西香住様。ご無沙汰しています。小萩です。

「雨は神様の涙」、すごく素敵ですね。土方さんがそう
言っていたなんて、やっぱり凄いなあ、副長は。
千鶴ちゃんと一緒に虹が見られて良かったね、総司。

雨が降って嫌だと ぼやいていた時に
あなたが言ったこと 今でも覚えてる
雨の後の夜空は 綺麗に星が出る
それを考えると 雨も好きになれるよねと

私の好きな歌の歌詞の一部分抜粋です。
私、雨は苦手だったんですけど、これからは
ちゃんと好きになれそうです。でも私、七色の
虹って、今まで一度も見たことがないんですよね。
多くて5色。3色だったりもするし。

総司、来世で土方さんの弟に生まれ変われたら、
本当に良いですね。読ませていただきながら、
ボロボロ泣いて、涙が止まりませんでした。
悲しいお話じゃないのに何で?と思いましたが、
嬉し涙なのかもしれません。素敵な、素晴らしい
お話をありがとうございました。
  1. 2014/07/04(金) 12:20:02 |
  2. URL |
  3. 小萩 #-
  4. [ 編集 ]

香住→小萩様


お久し振りです(^^)
コメントありがとうございます
ヾ(〃^∇^)ノ
副長になる前の土方さんですけどね。雨でむくれる総ちゃんにうそぶきます←
私も七色はないですね。
本当は、

『七色か。願い事が叶いそうだな。……俺は、近藤さんを上に行かせる。……協力しろよ、総司』

と言う土方さんの台詞もありましたが、削りました。
土方さんは神様なんかに頼らないかなぁと。

一応、お別れの場面ですからね。笑顔で別れる場面にしてありますが、『貴方と共に戦いたい』という気持ちも持つ総ちゃんを想うと悲しくなるかも知れません。
『生まれ変わりたい』ではなく、『生まれ変わってあげますよ』なのが、密かなこだわりでした(笑)
読んでくださり、本当にありがとうございました(*´∇`*)
  1. 2014/07/04(金) 14:12:54 |
  2. URL |
  3. 香西香住 #Na//oj5c
  4. [ 編集 ]

素晴らしいです。

こんばんは。香西香住様。小萩です。
すごく嬉しいお返事をありがとうございました。

確かに、土方さんは神頼みはしないタイプだと思います。
でも虹は綺麗だし、お好きなんですよね。ロマンチストですね。

あそこで土方さん達と共に行って、最後まで戦うって選択も確かに
ありましたが、千鶴ちゃんを得た事によって、総司は変わったんですよね。
「生まれ変わってあげますよ」総司らしいですね。香西香住様の密かな
こだわりが素晴らしいです。いつも素敵なお話を書いて下さる香西香住様に
心からの感謝と敬愛を。これからもどうか頑張って下さいね。
  1. 2014/07/04(金) 18:50:37 |
  2. URL |
  3. 小萩 #-
  4. [ 編集 ]

香住→小萩様

こんばんは(^^)
嬉しいお返事ありがとうございます(*´∇`*)
まあ……俳句とか書いちゃう人ですし、多少はロマンチストかと思います。
原田さんの総ちゃんバージョンかな?最終的に千鶴ちゃんを選んでしまうのはわかっているけど、悩んでしまう、的な。
ありがとうございます
ヽ(´▽`)これからも頑張りますね(⌒∇⌒)ノ"
  1. 2014/07/04(金) 20:01:22 |
  2. URL |
  3. 香西香住 #PBl13R7o
  4. [ 編集 ]

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