皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「失恋の涙は雨で流して」

桜護雪」の香西香住さんからの頂き物です♪

ちょっと前の近千原のイラストからのSSです。
香住さんにしてはちょっと切ないシリアスなお話ですが、それでもほのぼの感があるのは彼女の持ち味でしょうか^^

まあ、初恋が実ることなんて、滅多にないんですから、ちーちゃんも一度くらい失恋した方がいい人生経験になるはずですよねー(*^-^*)
その後のお相手は周りにいっぱいいることだしwww

ではでは―――いい兄貴の立場をいつまで堅持していられるのか原田さんw
というお話は続きからどうぞ♪


挿絵は感謝を込めて、香西香住さんに進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。




失恋の涙は雨で流して


「そこ!もっと足を前に!」
「はい!」

巡察帰りに門で預かった近藤さん宛の文を渡す為に探していると、中庭から声が響いていた。

千鶴の稽古か………。
だけど、ありゃあ……。

そっと忍び寄り、千鶴の背筋に指をなぞり下ろす。

「ひゃあぁあ!」

お、良い反応。

「は、原田さん!」
「背中ががら空きだぞ、千鶴。指じゃなくて剣だったら一貫の終わりだ」
「お。痛いところをつくな、原田君」
「今は、そっと近付いたし、ここは屯所だからあれだが、お前も殺気くれぇ分かるだろ?殺気と人の気配を感じたら、肘を突き出す様な感じで思いっきり後ろに引け。お前の背丈なら相手が相当低くねぇ限りは、何処かに当たるはずだ。肘は結構効くからな。相手が怯んでる間に振り返って刀を降り下ろす!……まぁ、俺が側にいる限りはお前にそんなことはさせやしねぇが、覚えておいて損はねぇ」
「は、はい!ありがとうございます!」


カット373


「そろそろ雨が降ってきそうだな。今日の稽古はここまでにしよう」
「はい!ありがとうございます!」
「そうだ、近藤さん。文を預かった。どうやらつねさんかららしいぜ。たまには暇を見付けて顔を見せてやったらどうだ」
「おぉ!つねからか!それは濡らしてしまってはいけないな!早く中に入るとしよう!いや、そうしたいのはやまやまなんだが、なかなかな。とにかく、手間を掛けてしまってすまなかったな、原田君」
「いや、大した事はしてねぇよ」

江戸は遠いしな。
それを思うと、千鶴は良くもまあ、一人で江戸から出て来たもんだ。

そんなことを考えながら、近藤さんを見送っていると、本当に大粒の雨が降りだした。

雲行きが怪しかったからな。
俺も降るとは思っていた。

「千鶴。戻るぞ。どうした?」

千鶴を振り返ると、彼女は俯いていた。

「……原田さん……」
「ん?」

声が震えている気がする。

こういう時、薄着は不便だな。雨に濡れる女に差し出せるものがねぇ。

「……つねさんって、どなたですか……?」
「ああ、お前は知らねぇか。近藤さんの奥方だ。試衛館時代は俺達も随分と世話になった……って、どうした!?」

つねさんの話をしていると、千鶴の瞳から雨にも負けない大粒の涙が溢れ始めた。

「……奥方様がいらっしゃられたのですね……」
「お前……」

近藤さんに惚れていたのか……。

「どんなに頑張って大人になっても、私など、娘以上に見て貰える日は……来ないのですね……」
「千鶴……」

近藤さんには、妾も何人かいるから、可能性が無ぇとは言わねぇが、こいつにはそういう愛され方は似合わねぇと思う。
自分だけを見てくれる一途な相手じゃねぇと似合わねぇし、俺としてもこいつだけを大切にする男じゃねぇと、渡したくねぇ。

……何時の間にか、本当の妹みてぇな存在になっちまったな……。

泣いている女を泣き止ます方法なら知っている。

だが、それが失恋の涙なら……。

俺は千鶴を抱き寄せてた。

「原田……さん?」
「……泣け。思いっきり泣け。この雨だ。お前の涙も、近藤さんへの想いもきっと流してくれるさ。……それに、失恋……泣ける程の想いを知っている女の方が魅力的だ。こうして抱き締めて雨に冷える身体は守っていてやるから……」
「原田さ……!」


カット456


千鶴は俺の着物を掴んで、声を殺して泣き始めた。

千鶴。
お前はいい女だ。次はお前だけを護って幸せにしてくれる様な男を好きになれよ?
その日が来るまでは可能な限り、俺が護ってやるから……。


end
  1. 2014/06/03(火) 21:59:24|
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