皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「時を越えた宝物~土方編~」

桜護雪」の香西香住さんからの頂き物♪
初めて香住さんから頂いたSS「時を超えた宝物」の続編です。

指定のイラストが先日の、木の下の二人だったので、どうして斎千前提のお話なのにこれ!? まさかあのラブコメっぽい斎千から突然シリアス三つ巴話に!?
と思ったのですが―――まさかこんな使い方になってるとは∑(・ω・ノ)ノ!
見ようによっては、こんな風にも見えますよね、さすが香住さんw

ではでは、そんな二人を見て慌ててる斎藤さんが可愛いお話^^は、
続きからどうぞ♪


挿絵は感謝を込めて香住さんに進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。




『時を越えた宝物』~土方編~


「としぞう?どうしたの?降りられないの?」

洗濯物を干していると、上の方から助けを求めるような鳴き声が聞こえ、探してみると、鳴き声の主は木の枝にしがみついた猫のとしぞうだった。

この位の木だったら、私にも何とか!

「待ってて、としぞう!今助けてあげる!」

木の上で震える彼に呼び掛けると、樹に手を掛ける。

後、もう少し……!

……届いた!

体重を支えてくれるか少し不安だったけど、としぞうがしがみつく枝に座り、としぞうを抱っこした。

「よしよし、もう大丈夫だからね」

枝がもってくれている内に早く降りないと。
としぞうを撫でながら降りようとしたけれど……。

ちょっと待って。
これ、どうやって降りるの?
としぞうを片手で抱っこして、片手で降りる?

無理!
怖い!
そうだ!
としぞうを着物の中に入れて……。

「としぞう!」

色々考えていると、としぞうが腕の中から飛び出した!
そのまままっ逆さまに落ちて着地した。

「そ、そうだよね、猫さんだもんね」

考えてみたら、これくらいの高さから落ちた所で怪我なんてするわけがない。

「良かったね、としぞう」

駆けて行くとしぞうに微笑み掛けて、幹に移ろうと、手を伸ばす。

「きゃ!」

揺れる枝に、慌てて枝を掴む。

「ど、どうしよう……」

怖くて降りられない。
沖田さんは頼ってもいいって言ってくれたけど、これはちょっと……。
絶対、呆れられる!

「いきなり人の名前を叫んだかと思えば、そんなところで何をしてやがるんだ、お前は」
「土方さん!」

聞き慣れた声に下を見下ろせば、土方さんが呆れた様に見つめていた。

「すみません!土方さんの名前を叫んだわけではなく、猫のとしぞうが落ちてしまったので!」

慌てて叫ぶと土方さんは更に呆れ顔になった。

「猫が木から落ちた所で無事に着地するだろう?」
「はい……。木から降りれなくなっていたのでうっかり失念していました」
「それで?今度は千鶴ちゃんが降りれなくなっちまったと?」
「……は、はい……」
「……はぁ」

ついに土方さん、溜め息吐かれちゃった!
絶対、呆れられてる!当たり前だけど……!

「ほら」
「え?」

土方さんが両腕を広げている。

「ずっとそうしている気か?跳べ。受け止めてやる」
「ええ!?」
「早くしろ」
「む、無理です!土方さんの腕が折れてしまいます!」

そう叫ぶと、彼は笑った。

「お前の一人や二人受け止めて折れる程度の腕なら、副長の任を退かねぇとなんねぇよ。大丈夫だから、早く来い。じゃねぇと、この幹を揺らすぜ?」
「やめてください!」

絶対に怖い!
落とされるよりは、自分で落ちた方がまだましだ。
ままよ!

「行きます!」

一声叫ぶと、目を閉じて飛び降りた。

「……!」
「ほら、大丈夫だっただろう?」

感じたのは、温もりと椿の匂い。

カット443

「あ、ありがとう……ございます」
「重いどころか、軽いじゃねぇか。ちゃんと食べてるのか?」
「た、食べてます」
「……出逢った頃より、身体付きが女らしくなっちまったな……」
「本当ですか!?」

それは、嬉しい話だ。

「目を輝かせるな。男と通すには困った話だ。お前も成長期だしなぁ……。締め付けてる胸、苦しくねぇか?」
「大丈夫です」

心配してくださってるんだ。斎藤さんが良く言われるけど、土方さんって、本当は優しい人だよね。

「髪も随分艶やかになったな」
「あ。それは斎藤さんから頂いた柘植櫛のおかげです!」

それでも、土方さんの髪には遠く及ばないと思うけど。

「斎藤から?」
「はい」
「……」
「土方さん?」
「土方さん!千鶴に何を!」
「あ、斎藤さん!おかえりなさい!」

遠くから、巡察帰りの斎藤さんが血相を変えて駆け寄って来た。

「猫を助けようとして自分が降りれなくなった子猫を助けていただけだ」
「私は子猫じゃありません!」
「まあ、確かに千鶴ちゃんは子猫というより子犬だな」
「子犬でもないです!ちゃん付けしないでください!土方さんに呼ばれると子供になった気分です!」
「実際ガキだろうが」
「今、女らしくなったと褒めて下さったばかりじゃないですか!」
「多少の話だ。まだまだ大人の女には程遠い」
「何時か、極上の女になったって言わせてみせますから!」
「そいつぁ楽しみだ」
「千鶴!」

暫く土方さんと言い合っていると、斎藤さんに呼ばれた。

「はい!何ですか?」
「……実は、今朝寝違えてしまってな。……石田散薬の効き目が薄いのだ。少し診て貰えないだろうか」
「大変!土方さんのお薬が効くわけないですよ!」
「随分じゃねぇか、千鶴ちゃん。……ま、確かに石田散薬より千鶴の手の方が即効性があるだろうな。しっかり診て貰えよ、斎藤」
「……はい」
「さあ、斎藤さん、とにかく着替えて……お手伝いしますから」
「いや、そこまで重症では……」

斎藤さんの背を押しながらその場を離れた私には、いつの間にか戻って来たとしぞうと話す土方さんの呟きは聞こえなかった。


カット454時を越えた宝物・土方編


「柘植櫛ねぇ……。櫛を贈るのは、苦しんで死ね、という呪いが込められてるんだが……まぁ、お互い知らなきゃ問題ねぇか。しかし、本当に娘らしくなっちまったな。あいつに男装をやめさせろと訴えて来るの誰だろうな?ん?俺が耐えられなくなるんじゃねぇかって?……そうかもしんねぇなぁ……。あいつにひでぇことをしてる自覚はあるからな。あいつが本当に極上の女に成長したら、妻にするという手もある……が、一悶着起きるだろうな」


END
  1. 2014/05/23(金) 11:23:40|
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