皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「働き者のうさぎさんの休ませ方」

桜護雪」の香西香住さんからの頂き物です♪

うちでは初めてのご紹介になりますが、
今回のお話は、香住さんが自サイトで連載しているオリキャラ主人公・美雪の長編の番外となります。
と言っても、基本的に薄桜鬼キャラはそのままで、千鶴も登場していますが、オリキャラが苦手な方はご注意を。

本編は楽しいオールキャラのお話なので、興味を持たれた方は本家へどうぞ^^


それにしても、沖田さんが土方さんに悪戯をする理由がちゃんとあったとは! www
どうぞ続きからお確かめ下さい♪



挿絵は感謝を込めて香住さんへ進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。



働き者のうさぎさんの休ませ方


カット444働き者のうさぎさんの休ませ方


「ん……」

優しい味が口の中に広がる。

「あ、本当だ!食べてくれた!」

嬉しそうに微笑むのは小姓の千鶴。

「……千鶴?」
「一度やってみたかったんです!土方さんの餌やり!」
「え……餌……」
「兄様から土方さんがご飯を食べなくなったら、雛だと思って面倒を見る様に言われています」

嬉しそうな笑顔のままとんでもない話を始める千鶴。

「……鬼と呼ばれる俺を雛扱いするのはあいつくれぇだな……」
「それはもう、兄様ですし!」

それで納得出来ちまうっつぅのもすげぇなぁ……。

「……美雪は……」
「異国の方と逢わなくてはならないとおっしゃる叔父様に拐われて行きました」

問い掛けるとむぅと不機嫌な顔をしつつも教えてくれた。

成程、通訳か。
そうでなくても、あいつに綺麗な着物を着せて連れて行けば、それだけでお相手様は気を良くなさるからな。
美雪宛の縁談が増えて困るが……。

膨れる千鶴の頬を撫でて微笑んでやる。

「そんな顔をするな。通訳は立派な役目だ」
「わかってます」

こいつは美雪の崇拝者だからな……。

「きっとすぐに戻る」
「兄様もそう仰有っていました。その間、土方さんの健康管理という大任を任されています!……本来、普通に小姓の仕事なんですけどね。私は沖田さんの様に土方さんをわざと怒らせたり、兄様の様に剣を振るわせて鬱憤を晴らせて差し上げる様な、度胸も力もございません」
「……あってたまるか」



『働き者のうさぎさんの休ませ方』



「土方さん」
「……」
「土方さん!」
「…………」
「土方さん!!」
「………………」

どうしよう。全く身動きしてくださらない。
土方さん、昨日から何も食べられていないのに……!
どうすれば良いんだろう?
局長である叔父様に言う?
でも、叔父様は心配性だって聞いたことあるし、心配を掛けてしまうのは、土方さんも嫌がるだろう。そもそも叔父様はご実家に里帰りをされているじゃない!

ああ!
こんな時に兄様がいてくだされば!
だけど、兄様は山南さんと出張中だ。

「土方さん、巡察の報告に……」
「原田さん!」

巡察の報告にいらした原田さんに思わず抱きついてしまう。

「お?また熱烈的なお出迎えだな、どうしたよ、千鶴」
「土方さんがご飯を食べてくださらないんです!」
「あー……また随分と久し振りだな。総司は……あぁ……近藤さんのお供だったか。そぉさなぁ……。あ、そうだ!門の所で美雪と鉢合わせしたんだ。美雪なら何とか出来るかも知れないぜ?」
「兄様が!?」

***

「兄様!」

兄様と同室の自分の部屋に戻ったけど、兄様はいらっしゃらなかった。けど、荷物は置かれていた。
入れ違いになってしまったのだろうか?
でも、途中逢わなかったし……。
後、兄様がいらっしゃるとすれば……兄様の主である、山南さんのお部屋!
私は山南さんのお部屋へと急いだ。

***

『"貴方のその光る眼鏡を初めて目にした時から、この胸の高鳴りが止まりません。どうか、私のこの想いを受け止めて下さい"……一応、ただの恋文の様ですよ、総長も隅に置けませんね。代筆しましょうか?』

兄様の声!

『そうですね、では……"眼鏡をお褒め頂き、ありがとうございます。私も気に入っているのですよ"とでも書いておいて下さい』
「兄様!」
「それはお相手様もお気の毒に……あれ、千鶴。ただいま。良い子にしてた?」
「兄様!」

優しく微笑んでくださる兄様に飛び付く。

「おっと。どうしたの?そんなに寂しかった?」
「はい!でも良い子にしてました!」
「そっか。なら、ご褒美をあげないとね。お土産と今夜の腕枕で良いかな?」

兄様の腕枕!

「はい!」

あれ?
何か忘れている様な……。
あぁ!

「兄様!」
「ん?何?」
「土方さんが!!」

***

「歳兄さん。只今、戻りました」
「…………」
「おやおや……」
「……ずっとこれなの?」
「昨日から……」
「もしかして、沖田君もいらっしゃらないんですか?」
「え、あ、はい。二日前に近藤さんのお供で……」
「あいやぁ、被っちゃったかぁ……」

そういえば、原田さんも沖田さんのこと言ってたっけ?

「沖田さんならこの土方さんを何とか出来るんですか?」
「うん。まぁ……総司君のやり方は血管が切れちゃいそうでどうかと思うけどね。それにこの歳兄さんを何とかしたいだけなら千鶴でも出来るよ」
「ええ!?」

私でも出来るの!?

「でも、その方法じゃ、根本的な解決にはならないから……」

兄様はそう呟いて、懐から真っ白な刀を出し、そのまま土方さんに向かって行く。

「兄様!?」
「土方歳三!覚悟!」

シャキン!

土方さんは振り返り、両手で刃を止めていた。

反応された!

「只今戻りました、土方副長」
「……随分と乱暴な報告だな」

喋られた!

「だって歳兄さん、お返事をして下さらないものですから。でも、流石ですね、殺気には反応なさる」
「たりめぇだろう」
「ですが、私が本気でしたらこの位の手は押せますよ」
「……お前なら出来るだろうな……」
「また目が赤いです。私がいないからってまた不摂生していましたね?うさぎさん」
「うさぎさ……」
「今度目を赤くしたらそう呼ぶと言ったでしょう?」
「そういえば言っていましたね。土方君と手合わせした日に」
「そうなんですか!?」

土方さんをうさぎさん呼びするなんて流石兄様!
それにしても兄様と土方さんの手合わせ!み、見たかった!

「また腕も鈍ってるんじゃないですか?」
「……んなこたぁねぇよ」
「本当ですかぁ?」
「……睡眠不足くれぇで腕が鈍ってたまるか」
「確実に鈍りますよ。本当に鈍ってないと仰るのなら、美雪と一戦して下さい」
「……そんな暇がある様に見えるか?」
「お仕事は美雪と遊んで下さったらお手伝いします」
「……遊びてぇのか……」

あ、土方さんが少し笑った。

「はい!遊んで下さい!……美雪に勝つ自信が無いのなら仕方がありませんが……」
「……良いぜ。遊んでやる。その言葉、後悔するなよ?」

***

「五勝一敗かぁ……。普段は五本勝負すれば二本は負けますから、やっぱり寝不足は腕を鈍らせますよ、歳兄さん」
「すごい……剣先が全く見えなかった……」
「私にも半分位しか見えませんでしたよ。特に美雪は早いですからね」
「兄様、すごい!」
「土方君、大丈夫ですか?」
「大丈夫だ……」

汗を拭われている土方さんの瞳に生気が戻られた気がする。

「歳兄さん」
「何だ?」
「すっきりしたでしょう?」
「……まあな」

あ……。
そうか。
土方さん、ずっと座って仕事をされていたから、お身体が固くなってたんだ。
兄様はそれを解す為に。
もしかして、沖田さんの悪戯もその為?何時も追いかけっこみたいになって身体を動かしていることには違いないもの。

「さあ、戻りましょう。ご飯を食べて少しだけお仕事をしてお昼寝しましょう?」
「ああ、そうするか。……風が気持ち良いな……」


カット422


すごい。
土方さんが深呼吸をして笑顔になってる。

「お仕事が大変なのは良くわかりますが、ちゃんと睡眠も休憩も入れて食事も食べて下さい。身体に悪いですし、絶対効率も悪いです」
「……わかった」
「兄様、私でも何とか出来るって……」
「ああ、それ?簡単だよ。ご飯食べずに反応してくれない歳兄さんは鳥の雛だとでも思って口許までご飯を近付けてあげれば、きっと口を開けるから。少し甘やかし過ぎだけどね」

成程。それなら確かに私でも出来る。

「んなっ!」
「確かに甘やかし過ぎですねぇ」
「鬱憤を発散させてあげられるわけじゃないから、根本的な解決にはなってないけど、食事を取るだけでも違うからね」

***

「私にもご飯を食べさせて差し上げる事位なら出来ますから……」
「もう良いぜ、自分で食える」
「そうですか……」

少し残念。

「おい」
「はい?」
「目、赤いか?」
「目ですか?……そうですね。少し赤い……でしょうか?」

昨夜からろくに眠っていらっしゃらないはずだから……。

「……しまった」
「え?」
「……千鶴」
「なんですか?」
「これを食い終わったら膝を貸してくれ」
「膝、ですか?」
「少し寝る。次に目を赤くしたらうさぎの耳と尻尾を付けるって美雪に言われてるんだ。あいつはやると言ったら本気でやる。そんなもん付けられてたまるか」
「はぁ……」

ちょっと見てみたいけど。案外似合う気がするし。

「俺の経験上膝枕が一番短時間で深く休める」

膝枕……。

「ええ!?」
「頼む。副長の威厳が掛かってる。小姓のお前にしか頼めない任務だ」
「は、はぁ……。わ、私などの膝で宜しければ……」
「助かる」

柔らかく微笑む土方さんにどきどきしてしまうけど、こんな綺麗な方の膝枕なんて心臓が止まってしまいそうなんですが!
兄様!
私、兄様の様な強い女性になって、土方さんがこの状態になる前に休ませて見せます!

でないと、私の心臓が持ちません!


END
  1. 2014/04/27(日) 21:02:33|
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