皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「俳句と恋心と蝋梅と貴方」

桜護雪」の香西香住さんから、頂きました♪


最近、裏読みすると、ディープな世界へと行きそうだった香住さんのお話w
久しぶりに直球の甘いお話をもらいました^^
このほんわりとした可愛いちーちゃんが、私の香住さんのイメージなんですよねー

しかしオバサンとしては、このいたいけなちーちゃんには、
さりげなく貰ったラブレターの数を自慢している土方さんからは、逃げてほしかったりして…www

 
今現在外は寒くても、春の訪れを感じさせてもらえる暖かいSSは
続きからどうぞ♪



挿絵は感謝を込めて、香住さんに進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。




俳句と恋心と蝋梅と貴方



冬の朝
蝋梅を見る
慕う人


『俳句と恋心と蝋梅と貴方』


「冬の梅……蝋梅開き……春を呼ぶ……いや……凍る朝……蝋梅強き……冬に勝つ……違う……か?」

寒いけれど、暖かい日差しが当たる朝、いつものように庭を掃いていると、お慕いしている方の声が聞こえた。

普通なら聞こえない位の声だろう。

だけど、初めて心を奪われた人だから、ほんの小さな声でも反応してしまう。

これを恋だと教えてくれたのは山崎さんだった。

土方さんを見掛ける度にどきどきと胸を打つ鼓動。

あの菫色の瞳で見つめられる度に止まってしまいそうになる鼓動。

胸の病でないかと相談すると、笑われてしまった。

『それは恋だ。恋の病に効く薬は残念ながら処方出来ない』

と。

……恋。

どきどきして、切なくて、苦しくて、でも、些細な事で嬉しくて……。

貴方はご存知ないでしょうが、私は貴方に恋をしているのですよ、土方さん。

私は、心の中で語りかけながら、蝋梅を眺める彼に近付いた。

何かを書いてる、何だろう?

カット218


「土方さん?何をされているんですか?」
「ぉわぁ!……ああ、お前か……。脅かすな」

突然声を掛けたせいか、土方さんを驚かせてしまったみたいだ。

「す、すみません!土方さんが朝からこんなところにいらっしゃるの珍しいなと思いまして」
「ああ……久し振りに目覚めが良くてなぁ……外を見たら久し振りに天気で蝋梅が綺麗に咲いてるじゃねぇか。仕事も昨夜取り敢えず一段落着いたし、一句詠んでやろうかと思ってな」

土方さんの目線の先には、確かに蝋梅が花を開かせていた。

「わっ……満開ですね。良い匂い……」
「ああ、蝋梅は睦月から如月にかけて花を咲かす寒さに負けねぇ強ぇ花でな。こいつに勇気を貰って梅も花を咲かすんだろうな。こいつを見ると、もう春が近いんだなと思う。実際には梅じゃあねぇんだが、俺は春を呼ぶ梅だと思ってる。寒さに負けない強さは見習いてぇもんだな」
「そうですね」

優しい瞳。

土方さんはお花がお好きなんだ。

桜や梅が蕾を付けたら、少し貰ってお部屋にお飾りしよう。

穏やかな時間。

こんな時間をこの人と過ごすのは初めてだ。

菫色の瞳がこちらを向く。

「どうだ?お前も詠んでみるか?教えてやる」
「良いんですか!?是非!!」

断る理由などない。

勢い良く頷くと土方さんは笑ってくれた。

「なら、その箒を置いて来い。俺も短冊を持ってくる。そうさな。あの木の下で詠むか」
「はい!」

***

どき

「良いか?俳句っつーのは、五七五って言って、五文字七文字五文字で繋げる」

どきどき

「季語も入れろよ?」

どきどきどき

「例えば……花とか、季節だな。今なら、「冬の朝」とか「積もる雪」とかだな」

心臓が爆発してしまいそう。

私は、今、木に寄り掛かる土方さんのお膝の間に座らされて、土方さんの片手は私のか、肩に!

み、密着度が半端無い!

土方さんの良い香りと、温もりが!!

意識が飛んでしまいそう……!

カット227

「千鶴」
「は、はい!」

声も耳元で聞こえる。

「聞いてるか?」
「は、はい、勿論です!」
「なら、一句詠んでみろ。初めは何でもいい。直感で詠んでみろ」
「え、えーと……」

思い付いた言葉を短冊に走らせていく。

「どうですか?」
「ん?どれ……冬の朝 蝋梅を見る 慕う人……。……こいつぁまた、古風な恋文だな、おい」

「ええ!?」

こ、恋文!?

「恋文は数え切れねぇ程貰ったが、詠で貰うのは初めてだな」
「ひ、土方さん!私は別に……!」
「でも、まあ、真っ直ぐなお前らしくて悪くねぇ句じゃねぇか」
「あ、ありがとうございます……」

優しい笑顔で頭を撫でられながら囁かれたら何も言えない。

「折角だ。俺もお前に一句詠んでやる」
「え……」
「そうさなぁ……」

後ろから抱き締められて耳元で囁かれる。

「蝋梅に 負けじと今朝も 笑顔咲く……」
「土方さん……」
「お前の笑顔は嫌いじゃねぇ。寒さにも苦難にも負けずに、笑顔を咲かすお前は、蝋梅の花に良く似てるな。新選組を支える花としては相応しい」
「新選組を……支える?」

問い掛けると、土方さんは毛先を撫でて微笑んでくれた。

「お前の笑顔は、俺達の心を支えてくれてる。だから、ずっとそうやって笑ってろ。お前の笑顔は、俺達が……俺が護ってやる」
「土方さん……!」

ああ、それだけで十分だ。

甘い囁きなんていらない。

その言葉だけで、私は十分幸せだと思う。

だけど、土方さん。

私は、貴方の方が蝋梅に似てると思います。

だって、寒さの中、懸命に咲く姿や優しい香りは勿論、蝋梅の花言葉は、「先導」「先見」「慈愛」 「優しい心」だもの。


END
  1. 2014/03/12(水) 09:56:22|
  2. 頂きもの
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