皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「幸せになってくれりゃあそれでいい」

桜護雪」の香西香住さんから、前回の「蕎麦の花をくれた人」の転生版続編を頂きました♪


ぬいさんが、おっとこ前ですねえ(*^o^*)
ああ、このぬいさんなら、私がお嫁に欲しいよ~
しかし、読み終わってふと気付いたんですが―――なんで朝から原田家にいたんでしょうか?
まさかぬいさん、一緒に暮らしてる? それとも毎朝お弁当を作りに来ている?

という謎を残したままw
原田さんがぬいさんに、キャラ的に食われているSSは、続きからどうぞww



挿絵は感謝を込めて、香住さんに進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。




幸せになってくれりゃあそれでいい



「よし!流石俺様♪完璧たるキャラ弁♪」
「匡君!」
「うお!」

弁当の出来映えに満足して弁当箱の蓋を閉じようとした時、腰に衝撃を覚えた。

「京子ちゃん、頼むから、料理中に抱きついてくんな。あぶねぇから」

抱き付いて来た小さな少女を抱き上げる。

包丁とか使ってたら勢いで手を切りかねねぇ。

「あ!Pさんだ!」

弁当を発見して目を輝かせる。

「京子は、鼠より熊の方が好きだもんなー」
「ねー。あ、そうだ!パパとママがトロトロしてるの!」
「は?」

***

「えーと……こぉして、こぉして……あれ?」
「大丈夫だ、千鶴、ゆっくりでいい」


カット234


玄関で行われている新婚ラブラブ行為。
いや、もう新婚でもねぇんだけどな、ガキが四つにもなってんだから。

「ね?」
「ああ……」

まさに、トロトロだな。
頭がいてぇ。

「ゆっくりでいいわけねぇだろうが!!新幹線までもう僅かしかねぇじゃねぇか!千鶴、どけ!」

京子をゆっくりと下に降ろし、千鶴を退かす。

「ひゃ!」
「特別に俺様がやってやる!横から見てて、いい加減、覚えろ。つーか、原田も一度ほどいて自分で直せ!その方が早ぇだろ!」

文句を言いながら、原田のネクタイを一度外して、千鶴に分かりやすいように、ゆっくりめに締め直す。

「いやぁ、千鶴が可愛くてよぉ」
「……絞め殺してやろうか?」

ムカつく。

「ほら、出来たぜ。気を付けて全力疾走で行ってこい。後、15分だ」
「サンキュー。お前、良い嫁さんになるな」
「~!」

額に口付けされ、鳥肌と共に投げ飛ばす。

「それは、千鶴にして行きやがれ!大体何で俺様が男なんかに添ってやんなきゃなんねぇんだよ!」
「千鶴には口だもんな」
「さ、左之助さん」
「……たくっ」

取り敢えず、京子の目は塞いでおく。今更だろうけどな。

***

「……匡さん……」

原田が出て行った直後、千鶴に後ろから抱き付かれた。

「おい、千鶴?」

流石に旦那の留守中に子供の目の前でこの状態はやべぇと思うんだが。

「……本当、匡さんは良いお嫁さんになりますよね」
「は!?」
「料理はお上手ですし、ネクタイも綺麗に直せますし、器用ですから、お裁縫だってなんだって。……前世、あれだけお上手だったんですから、絶対、今でも床上」
「待て!千鶴!ちょっと待て!落ち着け!!」

何を言い出すんだ、こいつは!

「どうした?千鶴。原田の奴になんか言われたのか?場合によっちゃあ、殴ってやるから」

ぽんぽん、と抱き付いてきた手を優しく叩いて落ち着かせる。

「……お味噌汁……」
「ん?」
「……お味噌汁が美味しいって言ってくれました……」
「……良かったじゃねぇか」
「……不知火の味噌汁に似てきた、と」
「あ~……」

原田ぁ!!一言多いだろうがよぉ!!

「まだ、匡さんのお味噌汁に敵わないんです、私」
「……悪かったな。あいつの料理の腕があまりにも酷いもんだから、ルームシェアしていた頃に甘やかし過ぎた。あいつの中で俺の飯はお袋の味みてぇなもんなんだよ。許してやってくれ」
「……何で、旦那様の親友で、……前世の旦那様に対して妬かなきゃいけないんですか」
「俺も、何で親友の妻で大昔の奥さんに妬かれなきゃなんねぇんだ」

お互いに怨み言を放ち、笑い合うと、撫でていた手を離した。

「ほら、気が済んだら離れろ。京子の前だぞ?」
「匡君サーンド!」
「ああん?」

前から京子にも抱き付かれた。

「ママとパパが、ビデオでやってた」
「……ああ、あれな」

京子の頭を撫でながら、過去を思い出す。



『幸せになってくれりゃあそれでいい』



部屋のドアを開けると、ウェディングドレスの千鶴が振り返った。

「匡さん!」

こちらに駆けて来る。

「走るな!転んだらどうすんだよ!」

身重な花嫁を抱き締める。

こいつの腹には新しい命が宿っている。

俺の子じゃねぇ。親友の……原田の子だ。

「来て……くださらないかと思いました」

俺の胸の中で涙ぐみながら微笑む千鶴のベールを撫でる。

「泣くなよ。まだ早ぇ。折角の化粧が落ちちまうだろうが。前世の奥方と親友の結婚式だ。何を置いても来るっつーの」
「匡、さんっ!」

俺と千鶴は前世では夫婦だった。

一目惚れをして、花を贈り続けるなんて似合わねぇ事をしてまで手に入れた女。

死が二人を別つまで、喜びも哀しみも分かち合って来た女。

今生もその予定だったが、千鶴には前世の記憶がなく、原田と惹かれ合った。

予感はあった。

前世、原田は俺と共に綱道と羅刹集団と戦い、俺の肩に寄り掛かって、生涯を終えた。

俺は、原田の亡骸を千鶴の待つ里へと持ち帰った。

俺は、原田を気に入っていた。

あのままにしておけば、羅刹の遺体と共に適当に葬られていただろう。

それは嫌だと思ったからだ。

原田の亡骸にしがみついた千鶴。
綱道に対して千鶴の想いを代弁した原田。

もし、俺が千鶴があの時に俺の手を取らなかったら、この二人が結ばれていたかも知れない。

原田の亡骸を抱いたまま泣き止まねぇ千鶴を後ろから抱き締めながらそう思っていた。

だから、原田と千鶴が結ばれた時、何の疑問も持たなかった。

千鶴が幸せならそれでいい。身を引く事も愛だ。

そう思ったんだが……。

この馬鹿は、原田の子を身に宿してから前世を思い出しやがった。

どんなタイミングだ。

どの神のイタズラだ!
そんなタイミングで俺との関係を思い出しても、千鶴が辛ぇだけじゃねぇか!

「千鶴……不知火!!」

後ろからドアが開いてタキシードの原田が入って来た。

「よぉ、原田。良い男じゃねぇか。てめぇの場合、元々だが」

顔だけ向けてからかってやると、襟首を掴まれた。

「何で俺に言わなかった!?前世、千鶴と所帯を持ってたことを!!」
「ああん!?言ったら譲ってくれたとでも言うのかよ!?」
「っそれは!!」
「二人とも、止めてください!!」

離れた千鶴に、原田の手を離して前髪を掻きあげる。

「言えるわけねぇよな?もし、俺が真実を話したからって、あっさり千鶴を譲ってくれちまうような男を親友にした覚えはねぇからな」
「……不知火……」
「お前なら千鶴を幸せに出来る、千鶴ならお前を幸せに出来る。そう思ったから俺は身を引いたんだよ」
「……匡さんっ……」
「てめぇら二人とも、俺様にとって、大切な人間だ。二人とも、その辺の馬の骨には渡せねぇ。そんなお前らがくっつくんなら、まあ、納得してやってもいいと思ったから、余計な事は言わなかったんだよ。前世は前世、今は今だ!千鶴も今になって蒸し返すな!俺は、てめぇら二人が幸せなら、それでいいんだ!今度は原田と幸せになれ。いいな?どっちがどっちを泣かせても俺様は許さねぇからな?……って、似合わねぇ事を言わすんじゃねぇ!!」
「不知火!」
「匡さん!!」

前と後ろから花嫁と花婿に抱き付かれた。

「千鶴ち……あら。何?ブライダルサンド?不知火サンド?どちらにしても撮るわね」

偶然入って来た千姫によってその場面は撮影されたのだった。

***

「……改めて、赤面もんだ……」
「でも、不知火さんのお嫁さんになる方は大変ですね。ここまで家事を完璧にこなされる方が旦那様だと妻としての自信を失いそうです」
「大丈夫だよ、ママ!京子、今から匡君にたっくさん習って、匡君の奥さんになる頃には匡君より家事上手になってるから!」


カット411幸せになってくれりゃあそれでいい


「……おい、京子ちゃん……」
「あら、やっぱり?貴方ったら、産まれたばかりの頃は、ママやパパじゃなくて、匡さんの抱っこで泣き止むんだもの。将来、匡さんのお嫁さんになりたいって言われても良いように、左之助さんと二人で不知火の姓に合う名前を考えて正解だったわ」
「おい、それで、「京子」って安直過ぎねぇ!?」

しかし、京子を嫁に、ねぇ。
千鶴と原田の子だ。
美人な良い女に育つだろうし、今からなら幾らでも俺様好みに仕込める。
悪かぁねぇかもな。

「さ、もう離れやがれ。ネズミーBに行くんだろ?」

まずは京子から離そうと手を掛けようとした時、玄関の扉が勢い良く開いた。

「わりぃ!重要書類忘れた!テーブル……って何羨ましい事してやがる、不知火!俺も混ぜろ!」

忘れ物を取りに戻って来た原田はそのまま京子を挟み、俺ごと千鶴を抱き締め……。

「てめぇは、さっさと出張に出掛けやがれ!!マジで土方にどやされんぞ!原田ぁぁぁ!!」


END
  1. 2014/02/06(木) 22:32:26|
  2. 頂きもの
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  4. | コメント:2
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コメント

蛇足

ちょこ姉さん、ありがとうございます(^^)
二枚とも頂いていきますね♪
良かったら口説き落としてやってくださいm(_ _)m

そして、香住の文才不足が!!
今回は左之さんが急な出張で行けなくなったネズミーB(笑)に不知火さんが連れていくと言う設定。折角なので、俺様が完璧なる弁当を作ってやる!的な?

そんな、毎日お弁当作りに来るって、ちーちゃんどんだけぐぅたら主婦なんだ(笑)共働きで匡さんが京子ちゃんの世話をしてても面白いですが。
因みに、香住の中での匡さんの職業はネット販売です。シルバーアクセサリーなんか造って売ってます。最近、京子ちゃんを見ながら、「子供服も良いよな。京子はピンク……か?いや、赤だな。そこに白のレースを入れてアリス風に……」とか考えてるかも知れません(笑)ところで、京子ちゃん、原田さん似ですね。可愛い。
それでは、今回もありがとうございましたm(_ _)m
  1. 2014/02/06(木) 23:04:11 |
  2. URL |
  3. 香西香住 #PBl13R7o
  4. [ 編集 ]

香西香住様♪

お受け取りありがとうございますー^^

あ、やっぱり、ぬいさんがお弁当作っていたのって、そういう事でしたか。
そんなとこかな~とは思っていたんですが、京子ちゃんのお弁当だけはぬいさんが…というのもいいかな~とw

で、気付いてくれましたか、京子ちゃんは原田さん似だと(*^o^*)
今まで、他ではちーちゃん似の子供ばかりだったので、今回はちょっとそれらとは違う傾向でいってみようかと思いましてw
けど原田さん似だと、凄い美人さんになりそうですが、背はぬいさんを抜いてしまいそうwww
  1. 2014/02/07(金) 00:23:57 |
  2. URL |
  3. ちょこ #-
  4. [ 編集 ]

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