皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「穏やか騒動」

桜護雪」の香西香住さんからの今年初の頂き物です♪

先日の沖千崎イラストへのSSなのですが、シリアスな三つ巴話になるかと思いきや
やはりそこは香住さんw
私の『続・似非変若水』をベースに入れる芸の細かさを見せつつ、いつもの香住さんワールドへ。

何故あの絵からコメディへ行けるのか―――ホントに毎度感心させられます^^

ではでは、今回はビミョーにたくましいw千鶴ちゃんが登場。
どうぞ続きからお楽しみ下さい♪


挿絵は感謝を込めて香住さんへ進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。


穏やか騒動


「千っ鶴ちゃん♪」

洗濯物をたたんでいると、沖田さんがやってきた。

「沖田さん」

随分と機嫌が良い。
何かあったのかな?

「千鶴ちゃん、千鶴ちゃん、構って~!」

後ろから抱き付いてくる。

…………怖い。

「あ、あの、沖田さん?」
「千鶴ちゃん、忙しいの?じゃあ待ってるね」

今度は寝転がってたたんでない洗濯物をぽいぽいっと廊下に投げ出して、空いたペースに横になり、私のたたんでいる服をツンと引っ張る。

「ちゃんと待ってるから、終わったら遊んでね」

にっこり、という音が聞こえて来そうな笑顔で微笑まれる。

こ……こ……怖い。

そして、たたみにくい。

「あ、あの、お、沖田さん、お熱でも……?」

もし、お熱で魘されているのだとしたら、かなりの重症だ。

「千鶴ちゃん、千鶴ちゃん」
「な、何ですか?」
「大好きだよ」
「!」
カット386
ちゅう、という音が聞こえて来そうな口付けをされ、舌で唇を舐められる。

「~!」
「この不埒者が!彼女から離れなさい!」

そんな叫びと共に洗濯物が飛んできた。

「!」

沖田さんは驚いたように私に抱き付く。

「離れなさいと言っている!」

部屋まであがってきたその人は……。

「山崎さん」
「雪村君、大事はないか」

恐らく、先程沖田さんが廊下に放り投げてしまった洗濯物を拾って来て下さったのだろう。

「え、ええ……」
「さあ、沖田さん、暫(しば)し私の説教を受けてもらいましょうか」
「ち、ちょっと待って下さい!山崎さん!」

沖田さんの首根っこを掴んで私から離れさせようとする山崎さんを慌てて止める。

「雪村君、君が優しい女性だということは重々承知しているが、こういった不埒者にはしっかりとした説教を……」
「沖田さん、先程から何だかおかしいんです!」
「おかしい?」
「ほら、今も……山崎さんに怯えていらっしゃる様で……」

私の服を掴んでプルプルと震えて涙目になっている。
少し慣れてきたし、可哀想なので髪を撫でてあげる。

「え、お、沖田さん?」

山崎さんが驚いている。
そりゃそうだよね。
沖田さんがちょっと怒鳴られた位で怯えるなんて。

「山崎さん。私は大丈夫なので、今は許してあげてください。これでは山崎さんが沖田さんを苛めている様です」
「……そうだな。熱は、無いようだが……」

山崎さんが沖田さんの額に触れる。暫く怯えていた沖田さんだったが、嬉しそうに微笑んだ。

「!?」

山崎さんが飛び退く。

うん、分かる。

「山崎君♪遊んで♪」

山崎さんに飛び付く沖田さん。

よし。
今の内に洗濯物をたたんでしまおう。

「お、沖田さん!一体どうされたんですか!?」
「山崎君、遊んで、くれないの……?」
「うっ……」

山崎さんが困ってる。
あ、これ、釦が取れ掛かってる。
後で繕っておこう。

「お、沖田さん、私は忙しいので、斎藤さんを連れて来てあげますよ」
「一君?」
「ええ。仲がよろしいですよね?」
「うん!」
「……というわけだ。雪村君。俺は斎藤さんを連れてくる。その間、大変だとは思うが、沖田さんを頼む」

あ。
やっぱり見て見ぬ振りは駄目ですか。
でも、この沖田さんって、前に子供になってしまった総司君のようなものだから……。
六歳の総司君再びと思えば!

私は沖田さんに、にっこりと微笑む。

「あやとりでもしましょうか?沖田さん」
「うん!」

***

「猫のようなものだな」

沖田さんを膝枕で寝かし付けながら斎藤さんが言う。

何だか、凄い光景だな。

「私もそう思います」

さっきの接吻だって、接吻と言うよりも、唇を舐められたような…………思い出すのはやめよう。恥ずかし過ぎる。

「猫、ですか。そう言われて見れば……」
「……以前にもこのような事があったな」

斎藤さんの呟きに頷く。

「あの時は永倉さんが猫と入れ替わっていましたね」

山崎さんも頷く。

あの時は私も大変で永倉さんと入れ替わったくろは見てないんだけど、この沖田さんは六歳児へと戻った沖田さんを思い出させる。

「しかし、総司の意識はしっかりあった。今回はくろではない」
「どちらにしろ、山南さんが怪しいですね。熱があるわけでもないですし」
「ああ……何とか内密に山南さんを……」
「千鶴!総司、来てねぇか!?」

噂をすれば、なんとやらで、土方さん登場。

「……こいつぁ……一体、どういう状態だ?」

斎藤さんの膝枕で眠る沖田さんに目を丸くする。

驚くよね。
私の膝枕で寝るのは良くあることだけど。

「実は……」

仕方がないので説明をする。

「……また、山南さんか……」

頭が痛いのか、土方さんはご自分の顔を叩く。

「ん……」
「あ。沖田さん、目を覚ましました?」
「んー……あ、土方さんだ!」

土方さんを見て嬉しそうに微笑む。

「!?」

土方さんも動揺している。

沖田さんが土方さんに向けて嬉しそうに微笑むことなんてないもんね。

「土方さん、構って~!」

そのまま飛び付いて行く。

わぁ……。明日、雪降ったりしないかな?心配。

「そ、総…………よし、遊んでやる」

土方さんも笑顔で沖田さんの頭を撫でる。

「土方さん!?」
「何を!?」

山崎さんと斎藤さんが叫ぶ。

「本当!?」
「ああ、嘘は付かねぇよ。そうさなぁ……お前に有利な遊びにしてやる。宝探しだ」
「宝探し!?」
「ああ。宝は俺の詩集。お前には簡単だろう?半刻以内に探し出せたら、金平糖を買ってやる。どうだ?」
「やる!」

……成程。
土方さん、また詩集を盗まれたんだ。
もう、いっそうのこと、近藤さんに預けちゃえば良いのに。
一番安全だと思うんだけどなぁ……。

***

「ここは……」
「総司の奴、こんな所に……」

走って行く沖田さんを追い掛けて行くと、そこは山南さんのお部屋だった。
確かに、あえて探そうと思わないよね。

「はい!」

沖田さんは山南さんの部屋の障子を開けると、寝ている山南さんの枕を取り、その下の冊子を取って、土方さんに渡した。

な、なんていう場所に!

勿論、熟睡中にそんなことをされた山南さんは……。

「……何事ですか、一体……」

やっぱり怒ってる!
当たり前だよね。
あ、でも、山南さんが眼鏡外したところ、初めて見た。
土方さんと同じくらい、綺麗かも……。

「山南さん!遊んで!」

あ……。
沖田さんってば山南さんにまで……。

「……沖田君。貴方、私より大きく育ったんですから、飛び付いて来ないで下さい。潰れます」

さ、山南さん、冷静……。

「それで?どうしたんです、この子。随分と懐かしいのですが」

慣れたように沖田さんの頭を撫でながら問いかけて来た。

「またあんただろ?また妙な薬を……」
「は?何を言い出すんですか?昔の甘え盛りの宗次郎君ならまだしも、今の沖田君に薬を盛るなんて至難の技ですよ」
「……そう言われてみりゃあ、確かにそうだな」

山南さんの意見に土方さんが頷く。

確かに、沖田さんって人一倍疑い深いもんね。

「だとしたら、一体誰が……」
「沖田君に薬を盛れるとしたら、唯一人、彼が絶対の信頼を持つ、局長のみだと思いますよ」
「近藤さんが?確かに、近藤さんになら総司も逆らえねぇだろうが、一体何のために……」

「山南君。少し相談が……おお、随分と賑わっているな。何かあったのかね?」

また噂をしてたら、近藤さん。

「近藤さん!」

勿論、近藤さんにも飛び付いて行く沖田さん。

「おお、総司。あのきゃんでぃの効果は誠であったか」

近藤さんは嬉しそうに笑いながら沖田さんを抱き上げる。

ち、力持ち……。

「きゃんでぃって……近藤さん、やっぱりあんたが総司に何かして……」
「知り合いから欧米の『素直に甘えられるきゃんでぃ』という品を頂いたんだ。試しに最近遠慮して昔のように甘えてくれない総司に舐めさせてみたんだが……。効果覿面(てきめん)のようだな」
「傍迷惑なものを作られる方がいらっしゃるものですね」
「同感だが、あんたが言っちゃ駄目だろ、山南さん。それで、近藤さん。そのきゃんでぃとやらの効果は何時まで続くんだ?」
「一日程らしいぞ」
「まあ……一日くれぇなら……。構っててさえやれば、大人しい様だし……」
「勿論、責任を持って俺が面倒を見るぞ!」
「ああ。頼む、近藤さん。あんたが一番適任だ」
「うむ。任せてくれ」
「任せた。邪魔したな、山南さん。疑って悪かった。戻るぞ、千鶴」
「あ!はい!」

***

「散々な一日だった」

土方さんがまた頭が痛むのか、顔を押さえられる。

「お疲れさまです、副長」

斎藤さんが隣を歩きながら苦笑する。
そういえば、斎藤さんも冷静だったな。

「でも、あの沖田さんなら、慣れてしまえば可愛らしいので、たまには良いですね」
「君はすごいな。俺は、何時もの沖田さんの方がまだ良い」
「でも、素直になってあれなら、沖田さんは実は土方さんや山崎さんにも甘えたいと思っていらっしゃるのでしょうか?」

お二人とも、年の離れた兄様って感じだもんね。

「……やめてくれ、千鶴。総司の顔がまともに見れなくなる」
「俺も、沖田さんに甘えられるのは、ちょっと……」
「そうですか?」
「……。それはそうと、千鶴。総司の騒ぎで仕事が溜まってしまっているだろう?今日は休暇だし、手伝ってやろう」

……斎藤さん、今、ちょっと笑われた?

「良いんですか?助かります!では、洗濯物をたたんで、各お部屋に届けるのを手伝って下さい。後、出来ましたら夕餉の支度を……」
「容易い用だ」

あ。微笑んでくれた。

斎藤さんが時々見せてくれるこの微笑み、好きなんだよね……。

「雪村君。俺も何か手伝おう。何をすれば良い?」
「……では、水遁(すいとん)の術で夕餉のお魚を何匹か取って来て下さい」

なんて、ね。

「仰せのままに。お嬢様」

私に一礼して山崎さんは消えた。
冗談だったのに、出来るんだ!?

「で?俺は何をすりゃいいんだ、お姫さん?」

土方さんがからかうように聞いてくる。

「……では。土方さんは、今日は私の作った夕食を完食して、お外が暗くなる頃にはお休みください。あ、その前にお月見に付き合って下さい。きっと今日は満月ですよ」

最近の土方さんは働き過ぎだ。

「……」
「……一本取られましたね、副長。姫の仰有ることは絶対かと」
「……仕方ねぇな。お姫さんの我が儘に付き合ってやるか。斎藤、お前も付き合え」
「喜んで」

カット399穏やか騒動


今日は、賑やかだけど、穏やかな一日でした。


END
  1. 2014/01/12(日) 12:05:35|
  2. 頂きもの
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コメント

酔叔母→香住さんへ

(仕事中に何サボっているのだ!という、庵主ちょこさんの視線を気にしつつ(^_^;))

これ、これ、これ!こーゆーのが、読みたかったです。かすみんワールド全開のほっこり作。
メチャクチャ癒されました。ありがとうございます!
最近、ちょっとアブナイお嬢に変貌しつつある!?(笑:ゴメン、私の所為ですね、あのCP話w)姪っ子の行く末を案じておりましたが(←嘘。あれにもメチャ萌えましたw)……。
こちら皓月庵様では正調というか、本領発揮で、最近の絶好調ぶりを感じました。
これからも色んな傾向でバンバン書いちゃってくださいね (*´∀`*)ノ

ところで『素直に甘えられるきゃんでぃ』を分けてもらえませんか?
ウチの頑固な山崎さんに与えたいです(涙)名前存続の危機です。よろしくです!
  1. 2014/01/12(日) 13:43:08 |
  2. URL |
  3. 酔@仕事中 #-
  4. [ 編集 ]

姪香住→酔おば様へ

コメントありがとうございます!
でも、仕事中は休憩以外はまずいですよ(^_^;)
しかも、ほっこりティストで良かったんですか。(笑)萌えありました?今回のお話。忍者山崎は出しましたが(笑)
『素直に甘えられるきゃんでぃ』は近藤さんが持ってますので、貰えると思いますが、あれ、1日しか効きませんよ?山崎さんは一度しか騙せない気がする……。そして、酔おばさまの世界で誰に甘えるんですが、山崎さん!沖田さん!?やっぱり、沖田さん!?……あ。新作ならば私と言う可能性も……是非是非近藤さんからきゃんでぃを貰って山崎さんにお使いください!更新お待ちしています♪
  1. 2014/01/12(日) 15:17:27 |
  2. URL |
  3. 香西香住 #PBl13R7o
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ある意味最強!

香西さん、おはようございます。ロカです。

笑わせていただきました。このあと、沖田さんに記憶が残るのか、それとも残らないのか、是非とも知りたいです!!

記憶に残っていたら、あれそう……。

意外なところで新選組で最強だったのは千鶴ちゃんだったんですねぇ、しみじみ~。
でもこんな一日があってもいいですよね。
では、私はこれから出かけるついでにアニメイトへ『薄桜鬼の小冊子』を貰いに行ってきまーす。(どっちが本当の用事なのやら)

なんでも変若水ワインなるものが(ちと嫌かも)発売されるという広告もついているそうですよ(笑)

楽しいひとときありがとうございました。では、いってきまーす!
  1. 2014/01/15(水) 09:16:16 |
  2. URL |
  3. ロカ #-
  4. [ 編集 ]

香住→ロカ様

こんばんは(^^)
笑って頂けて良かったです。……残るんじゃないかな?だけど、今回は近藤さんの元で覚めるはずですから、大丈夫だと思いますよ?多分。
小冊子気になります(笑)
ワインは飲めないからなぁ……きっと、偽物ですよ(当然)形的にワインじゃなくて、香水とか出てほしいですね。まあ、飲めませんけど(笑)
それでは、コメントありがとうございました♪
  1. 2014/01/15(水) 20:28:22 |
  2. URL |
  3. 香西香住 #PBl13R7o
  4. [ 編集 ]

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