皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「毒を分かち合いましょう」

テール×テール」のドラキョンさんからの
沖田さんと薫のキスSSです♪

今回【おまけ】は必要か必要でないか、UPの際の判断を任されましたが
沖田さんには申し訳なくとも、この【おまけ】あっての、このお話でしょうw
前半シリアスな分、後半のオチには笑わせてもらいましたww
総ちゃん、ごめんね~

で、総ちゃんの言う『君』っていうのは、『彼』でいいのかな~? ドラキョンさん♪

どうぞ続きからご覧になって、皆さんもご判断下さい^^



挿絵は感謝を込めて、ドラキョンさんへ進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。




毒を分かち合いましょう



巡察の帰り、もう少しで屯所だって所で、
僕は胸からせりあがってくる嫌な熱を隠すため、
隊士たちを先に行かせてそっと裏路地へ身を滑り込ませた。
誰にもこのことを悟らせちゃいけない・・・。
ごほっ、ごほっ
いつもの咳とともに、喉から口に慣れることの無い
嫌な感じがせりあがってきて、口元に押し当てた手拭いが
じわりとあたたかくなる。
この感触に慣れてしまった僕は確認する気も起きず、乱暴に口元を拭った。

「ご気分でもお悪いんですか。」
柔らかな声がかけられた。
僕はまだ声をあげられるほど回復していなかったから、黙っていた。
いつもの僕ならその時、気がついたはずだった。
新選組のだんだら羽織をまとった僕に、
そんな声を掛ける娘が居る訳がないって。
僕が無視しているのに、その娘は全く気にせず、僕に近づいてきた。
「あらあら、随分弱っていらっしゃるのですね。」
「・・・・・・。」
なんだ、この娘。随分と馴れ馴れしいじゃないか。
「いい男が台無しですよ、新選組の沖田さん。」
その娘が僕の前にしゃがみ込んだ。
僕の名前を知っていて、それでも僕に近づく奴なんて、ロクなもんじゃない。
僕は剣に手をかけ、そいつを睨み付けた。

こいつは・・・・。
目の前の人物を僕が認識したのと同時に、そいつは何を考えているのか、
僕に唇を合わせてきた。
顔には見覚えがあった。
あの時の、千鶴ちゃんによく似たあいつだ。名はたしか・・・。
娘姿なんてしているけど、僕にはわかる。こいつは男だ。
姿形は千鶴ちゃんに似ているけど、あの子にはない影をまとっている。
僕の嗜好に反することをされて腹が立ったから、
斬り殺してやろうと思ったのに、
気づけば僕の手にはあいつの手が添えられていて、
僕は手を動かすことすらできなかった。
力を入れているようには見えないその手の力強さに、目を瞠る。

動けない僕の背後からパタパタと軽い足音が近づいてきた。
いつもより乱れているけど、この足音は千鶴ちゃんだ。
千鶴ちゃんが僕を心配して駆けてきてくれたんだ。
いつもだったらとてもうれしいのに、今は・・・。
千鶴ちゃん、こっちへ来ちゃ駄目だっ。
そんな僕の願いは届かず、その足音は僕の後ろでぴたりと止まった。


カット302


「あら、お行儀の悪い小姓さんだこと。」
あいつはゆっくり唇を離すと、そう言って嗤った。
千鶴ちゃんが、慌てて目を逸らした気配が伝わってきた。
「あ、あ、あのう、すみませんでした。
一番組の方から沖田さんがこのあたりで休まれているとお聞きしたので・・・。
私、こういう意味だとは気がつかなくって・・・。」
「お優しい、よく気のきく小姓さんですのね、沖田さん。」
あいつは、心にもない言葉を吐きながら千鶴ちゃんの方を振り返った。
「あ、あっ。薫さんですよね。南雲薫さん。すみませんでした。
お二人がそのう、そ、そういった関係だとは気がつかず、お邪魔を・・・」
あいつはお上品に口に手をやると、ホホホと笑った。

「構いませ「千鶴ちゃん。勘違いもいい加減にして。
こいつと会ったのは、今日で三回目。」
これ以上あいつが勝手にふるまうのが我慢できなくて、あいつの言葉を遮った。
急に大きな声を出したから、また喉がヒューヒューと嫌な音をたてはじめる。
いつもだったらこんな僕の姿を見たら、
すぐに背中をさすってくれる千鶴ちゃんは、
僕の傍に陣取る薫の手前、動けないでいる。
「えっ、勘違いって?でも・・・」
さっき見たことと、僕の言葉の差に違和感を覚えたのだろう。
千鶴ちゃんが首を傾げた。
薫はそんな千鶴ちゃんの様子すら面白がっているようで、
コロコロと声をあげて嗤った。

「唐突過ぎましたか。怒らないでくださいませ、沖田さん。
こんにちは、千鶴さん。私がたまたまここを通りかかったら、
沖田さんがうずくまっていらっしゃったので心配しただけですわ。」
「えっ、そ、そうだったのですか。でも・・・。」
口ごもる千鶴ちゃんが何を聞きたいのかはわかっている。
どう考えたって変だよね。心配だったから口づけるだなんて。
でもね、こいつは僕のこと、心配なんてこれっぽっちもしてないから。
千鶴ちゃんお願い、こいつの嘘に惑わされないで。
そう叫びたいのに、断続的に続く咳に阻まれ、僕は声を出せなくて、
心で願うことしかできない。

僕が言い返せないのを良いことに、薫の独演は続く。
フ、フッ。
「失礼。千鶴さんが随分と初心でいらっしゃるから。」
「えっ、それはどういう・・・。」
薫は、胸に手を当て俯いたまま話し出した。
「あれは、私の気持ちです。想っている方が苦しそうにされていれば、
気になるのは当然でしょう?
その方が私を、私だけを見つめて下さったら・・・。」
そこで言葉を切ったと思ったら、薫は今日一番の笑顔を浮かべ、
「思わず気持ちが溢れてしまって・・・。
女からだなんて、はしたなかったですよね。」
頬を染め、恥ずかしがる姿は娘そのものだった。

こいつは何を言っているんだ?
「いい加減な・・・」
薫の悪意にまみれた言葉に声をあげようとした僕に、
あいつはスッと顔を寄せてきた。
「なんて言うつもりだ、沖田。
まさかお前、千鶴に俺が男だってばらしたりしないだろうな?
ああでも、それも面白いかもな。
お前が衆道だって知ったら、あいつどんな顔をするんだろうな。
好意を持っている男を、女に取られるのと、男に取られるの、
あいつはどっちに衝撃を受けるんだろうな?試してみるか?」
笑顔のままそんな言葉を吐くこいつが、
千鶴ちゃんに似ているなんて一瞬でも思った僕が間違っていたよ。
心根も、笑顔も全然似てなんかいない。

でも、そんなあいつと僕の姿は、
恋人同士の親密な姿にも見えないこともなかったようで・・・。
そんな僕らを見つめる千鶴ちゃんの瞳に悲しみの影が差した。
それを目にしたあいつは、何事もなかったかのように、
僕らの傍から離れて行った。

この後、僕は体調を大きく崩して、幾日も寝込むことになった。
そんな僕を千鶴ちゃんは親身に世話してくれたけれど、
それ以前に時折感じていた親密さは消えてしまっていた。
あれが原因だったとは言わないけれど、
その後僕と千鶴ちゃんの仲はあの頃以上に進展することはなく、
僕らは時代の流れの中に巻き込まれていった。








(おまけ)
あれからいくつもの時代を経て、
僕はあの時の記憶を携えたまま生まれ変わった。
何の因果か、僕の周りにはあの時の仲間が
僕と同じように記憶を持って生まれ変わっていた。
だけど、あの時僕が手放さざるを得なかったあの子の姿は
どこにも見あたらなくて・・・。

そんな時、
「沖田さんっ。」
僕は昇降口の桜の下で、酷く懐かしい声を聞いた。
今までたくさんそうやって声を掛けられて、
もしかしたらって振り返って落胆して・・・。
臆病になっていた僕は少しだけ、振り返るのを躊躇してしまった。
「沖田さんじゃなくて、沖田先輩っ?」
その声はやっぱり忘れられない声にそっくりで、僕はゆっくり振り返った。
「千鶴ちゃん?千鶴ちゃんっ。」
あの子は、僕の記憶にあるのと同じ顔をして微笑んでいた。

僕はここがどこかってことをすっかり忘れて、千鶴ちゃんを抱き寄せた。
「逢いたかった、逢いたかったよ、千鶴ちゃん。君も記憶があるんだね?」
「はいっ、あります。沖田さん、お久しぶりです。私も逢いたかったです。」
答えてくれる千鶴ちゃんの声も涙で震えていた。
神様なんて信じていなかったけれど、
千鶴ちゃんにまた巡り合わせてくれてありがとう。
僕は生まれて初めて神様に感謝した。

「でも、どうして?よく僕がここにいるって分かったね、千鶴ちゃん。」
偶然かとも思ったけど、さっき千鶴ちゃんは
僕のことを知っている風だったよね。誰から僕の事を聞いたんだろう。
千鶴ちゃんに会ったのなら、すぐに僕に教えてくれてもいいのにね。
僕は僕より先に千鶴ちゃんに会ったであろう気の利かない昔の仲間を、
心の中で罵った。
僕の問いに、何故か千鶴ちゃんは頬を染めた。
「入学式の時、声を掛けられて・・・。すぐに分かりました。
変わっていらっしゃらなかったから・・・。」
バラ色に染まっていた僕の心にわずかに暗雲が立ち込めてきた。

「千鶴。」
千鶴ちゃんを呼ぶ声に、普段はない甘さが含まれているのに気づいてしまって。
僕は彼を睨み付けた。
でも彼はそんな僕の視線など気にもかけず、千鶴ちゃんばかりを見ていた。
何も知らない人だってすぐに気付く、二人の間の絆。
なんてこった。やっぱり神様になんて感謝するんじゃなかった。
僕の荒れ狂う心の中になど気がつきもしない千鶴ちゃんは、
彼の隣でにこにこしていた。

その直後。僕らの間に割って入る鋭い威嚇。
「千鶴っ、おまえなにやって・・・。って、お、沖田っ。」
名を呼んで千鶴ちゃんの傍へ駆け寄ったのは、
忘れようにも忘れられないあいつだった。
あいつも、僕の顔を見て呆然としている。
やっぱりあの時思っていた通り、
あいつと千鶴ちゃんは繋がりがあったたんだね。

「薫っ。」
千鶴ちゃんはあいつに笑顔を向けると、あの頃同様、
僕らの間に漂う不穏な空気など気づきもしないで、僕らを引き合わせたんだ。
「沖田さん、薫も前世の記憶があるんですよ。
あの頃が懐かしいですね、二人とも。」
そうだよね。変わっていないよ。
昔も今も、僕らは互いのことが大っ嫌いだ。
千鶴ちゃんはそんな僕らの気も知らないでおかしそうに笑うと、
「沖田さんは、モテるのに女の子に興味がないって聞きました。
薫は、今もときどき私の服を着て出かけたりするんですよ。
これもあの頃と変わらないですよね。」

「ちょっと千鶴ちゃん、何言っているの?」
「千鶴、何を言い出すんだ。」
僕らの焦りなど気がつかないんだ。千鶴ちゃんて、相変わらず鈍いよね。
鈍いっていうか、幸せボケかな?
「私だけ、大切な人と巡り会えたこと、
薫に申し訳なく思っていたんですけど、よかった。
薫があの薫さんだって知ったときは、ちょっとだけ驚いたんですけど、
でも私応援しようって決めてたんです。
昔と違って、今はいろんな恋愛が認められる時代でよかったですね。
薫を沖田さんに逢わせてあげることができて、本当によかった。
二人とも、お幸せにね。」
笑顔でとんでもない爆弾を落としてくれた。


カット369毒を分かち合いましょう


多分、その時、僕と薫は同じ顔をしていたと思う。
「「それって誤解だからっ。」」
ありえないことに、あいつと声がそろってしまった。
何を言っちゃってくれているのかな~、この子(妹)はっ!
心の内の叫びだって同じだったはずだ。
でもやっぱり幸せの花を飛ばしている千鶴ちゃんは、
物凄くよい事をしたというように彼を見て微笑んでいて、
僕らの叫びになんて気がついてもいなかった。

僕は、心の中で、数を数えて叫びだしそうな心を何とか押さえつけた。
さっきのこともあって、僕らはかなり目立ってしまったからね。
いいさ、僕は二年生、千鶴ちゃんは入学したばかり。
誤解を解く時間はたっぷりとあるさ。
千鶴ちゃんにこ~んな誤解を与えたまま、転生してきた薫と巡り会えたのは、
幸運だと思うことにしよう。
これから時間をかけて話し合おうじゃないか、い・ろ・い・ろとね。

でもね、今一番僕がやっつけたいのは・・・、君だよ。
ずっと仲間だと思っていたのに、聞いていないんだけど。
千鶴ちゃんと君が恋仲だったなんて。
誰が女嫌いだって?勝手なことを千鶴ちゃんに吹き込まないでくれるかな。
あ~あっ、もうっ。こうなったら絶対に二人の仲を邪魔してやるっ。
認めてなんてやるもんか。
これくらいで、僕をけん制できたなんて思わないことだよ。
僕はこんなふうにされる方が燃えるタイプだからね。
徹底的に邪魔して、最後には僕が笑ってやるっ。
『やられっぱなし』って言葉は、僕の辞書にはないんだから。
どいつもこいつも覚悟しなよ。


  1. 2013/11/08(金) 21:41:07|
  2. Kissシリーズ
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  4. | コメント:2
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  1. 2013/11/09(土) 00:28:15 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集 ]

ドラキョン様♪

イラストお受け取りありがとうございます^^
今回は後半の【おまけ】がもう楽しくってw
総ちゃんには悪いですけどね、ちーちゃんには是非頭お花畑のまま、かの人と一緒に幸せボケしていてほしいですねwww
それにしても、後もうちょっとでこのキスSSのシリーズも終わりですか―――当たり前と言えば当たり前なんですが、こう続けていろんなお話が読めて幸せだったので、何か寂しいですねえ…
ああ、オリキャラだろうと、昔話だろうと、ドラキョンさんの創作ならドンと来い!ですのでw どうぞ遠慮なさらずに^^
最後まで楽しみにしてます!
  1. 2013/11/09(土) 09:49:29 |
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  3. ちょこ #-
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