皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「甲斐性なしには渡せません!」

テール×テール」のドラキョンさんから頂きました(^o^)/

まさか、このイラストにまでお話をつけてくれるとは♪
嬉しい驚きで小躍りしちゃいましたw ありがとうございます!

女の子同士の他愛ないおしゃべりや(女同士に限らず)友情話って好きです^^
特にお千ちゃんのキャラはいいなあ。
どの√でも、口だけじゃなく、ちゃんと行動を伴って友人を大切にしているのが伝わってきますよね。
こんな友人が生涯を通して一人いるだけでも、人生が豊かになる気がします。


では続きから―――
ドラキョンさんの書く、ちょっと周りの男達が可哀相にもなるwガールズトーク
お楽しみ下さい^^


挿絵は感謝を込めてドラキョンさんに進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。



甲斐性なしには渡せません!




今日こそはっきり聞かなくちゃ。

「お千ちゃ~ん、ごめんね。お待たせしちゃったよね。」
ちょっと息を弾ませ私の方に駆けてきた千鶴ちゃんは、
相も変わらず可愛らしい。
「気にしないで。私も今来たところだし。」
本当はもう二杯目のお茶だけど、そこは黙っておくのが女の友情というもの。
それでなくてもこの友人は、自由を奪われ、彼女の優しさに甘えきった男たちに
良いように使われているのだから。
どうせ今日だって彼女のせいではなく、
彼らのせいで遅れたに違いないんだから。
そんな気持ちも、私の言葉にふわりとほほ笑む千鶴ちゃんの笑顔が見られればすべては
帳消しになる。
「そう?よかった。」

「じゃあな、千鶴。嬢ちゃんと楽しめよ。時間になったら
またここへ迎えに来てやるからな。嬢ちゃん、千鶴のこと頼んだぜ。」
千鶴ちゃんを送って来た人は、あっさりとその場を離れていった。
そんなことあなたたちに念押しされなくったって、きちんとするわよ。
私から見れば、あなたたちのほうが、心もとないのよ。
そこら辺の自覚のない男って面倒なのよね~。

「さあ、邪魔者のもいなくなったことだし、千鶴ちゃんお茶しましょう。」
そんなことを思っているなんておくびにも出さず、笑顔で誘えば、
千鶴ちゃんは嬉しそうに私の隣に腰を下ろしてくれた。
「えーっと、邪魔者って・・・、お千ちゃん。
原田さんは忙しいのに私を送ってくれて。」
「あら、千鶴ちゃんを送るなんて当然よ。
町の中は物騒になってきているんですもの。
たまの息抜きなんだから、それくらい気を使ってくれたって
罰は当たらないわよ。」
「うん。今日のことね、『息抜きくらいお前にも必要だろうな。』
って土方さんも気持ちよく許可してくれて、嬉しかったな。」
もうっ、その恩着せがましい言い方、おかしいわよ。
千鶴ちゃんは、あそこで預かっているだけなのだから、休息を取ったって、
全然おかしくないじゃないの。
それを、自分が休みを与えてやるような言い方、気に入らないわ。

私だったら文句の一つや二つ言ってやるところだというのに、
千鶴ちゃんは、そんなことにすら感謝しているのだから、
お人よしというか、徳が高いというか。
でも、千鶴ちゃんのたまの休みをこんなことで
つまらないものにしては馬鹿らしいわよね。
千鶴ちゃんに目一杯楽しんでもらうべく、おしゃべりを始めましょ。
お洒落の話や、今話題の見世物や、巷の噂など、女の子同士の話なんて、
話題が何であれ盛り上がることなど簡単だ。
声を潜めたり、声をあげたり、ただ笑い合っているだけで、こんなにも楽しい。

もし何もなければ、もっと早く千鶴ちゃんと仲良くなれていただろうか。
お互いの里は遠いから、こんなに頻繁に会うことは
叶わなかったかもしれないけど、手紙のやり取りをしたり、たまに会ったら、
部屋に布団を並べて、夜は語らったり、昼は買い物に出かけたり、
きっと楽しかっただろうな。

それとも・・・。もし千鶴ちゃんもあのまま里で暮らしていたら、
今の私のように、鬼の行く末を案じて、悩んでいたのかしら。
千鶴ちゃんは真面目だから、たくさん頑張ってしまっていたんだろうな。
はっ、ちょっと待って。そうなっていたら、確か千鶴ちゃんって、
風間の許嫁に決まっていたんだったわよね。
ってことは、今頃あのいけ好かない風間のお嫁さんにされていたかもしれない、
って事よね。それはそれで、千鶴ちゃんが可哀想な気がするわ。
里で暮らしていたって、千鶴ちゃんは今みたいに
素直に育っていたはずですもの。
あのひねくれ者に振り回されて、きっと苦労していたに違いないわ。
それでもって、あいつにそっくりの子供なんか生まされて・・・。
そんなの許せないわよっ。

「・・・お千・・・ちゃ・ん?大丈夫?」
突然黙り込んでしまった私を心配そうに覗きこむ千鶴ちゃん。
多分、眉間に皺も寄っていて、見苦しい顔になっていたと思う。
「ごめんなさい。ちょっと考えに耽っちゃって。」
「具合が悪いのだったら、無理しないでね。君菊さんに来てもらおうか?」
「大丈夫よ。ちょっと嫌なことを考えてしまっただけだから。」
「そ、そう?」
「ええ、そうよ。私はこの通り元気いっぱいよ。すみませ~ん。
お団子追加お願いしま~す。」
「ならいいけれど。ごめんね、お千ちゃん。
いつも私の愚痴を聞いてもらうばかりで、
私、少しもお千ちゃんの力になれなくて。」
「そんなことないわよ。こうやって千鶴ちゃんに会って、
おしゃべりするだけで、楽しいし、日頃の鬱憤だって晴れちゃうわ。
千鶴ちゃんの笑顔こそ私の元気の元よ。」

「そう思ってもらえるなら嬉しいけれど、
お千ちゃんも本当は忙しかったりするんじゃない?」
「全然。ちゃんと仕事は済ませてきているし、
良い仕事をするために息抜きも大切だと思うわ。」
「そうだよね。皆さんもね、仕事に出られるときは、顔も引き締まっていて、
ちょっと近寄りがたい雰囲気なの。
でも、仕事が終わると、表情も柔らかくなって、寛いでいらっしゃるもんね。」
彼らと比べられるのは癪だけど、これは本当に大切だと思うわ。


そう、大切といえば。今日の本題を聞かなくちゃ。
「ねぇ、千鶴ちゃん。千鶴ちゃん、そろそろ、私たちの所に身を寄せない?
綱道さんの事もあるから心配なのはわかるけれど、
千鶴ちゃんがあそこにいる必要はもうないように思うの。
彼らとの連絡はきちんと取れるようにするし、どうかしら。」
そう。本題はこれ。これ以上、千鶴ちゃんを彼らの所に置いておきたくない。
千鶴ちゃんは、本来であれば、傾がれることはあっても、
こんなふうに使われる立場ではない。
それに、私の所に身を寄せれば、風間だって、
今ほど強引な行動はとれないはずだもの。
何と言っても私が楽しいし。私の元に来てくれるのが、
千鶴ちゃんにとって一番いいと思うのだけど。

「えっ!で、でも・・・。」
案の定、千鶴ちゃんの反応は芳しくない。
「ねぇ、千鶴ちゃん?もしかしてあそこに誰か気になる人でもいるのかな。」
もう一歩踏み込んで訊ねてみる。
すると、真っ赤な顔をして、千鶴ちゃんは、手も首も大きく振って、否定した。
「い、いないよ。そんな人。皆さん優しくしてくださるし、強いし、
恰好良いなと思うこともあるけど、それだけだよ。
お兄さんがいたらこんな感じかな、って思うよ。
それに皆さんだって、そんな気持ちもっていないと思うよ。
私のこといつも、子ども扱いだもの。それに・・、
町医者の娘の私とは、立場が違うし。」

千鶴ちゃんの様子から見て、そんなところじゃないかとは思っていたけれどね。
そうよ。千鶴ちゃんとあいつらなんて、立場が全然違うのよ。
って、多分私の思っている意味で言っているんじゃないわよね。
と言って、鬼の里で千鶴ちゃんに釣り合う男を思い浮かべても、
どれも『帯に・・・、たすきに・・・』な奴ばかりなのが、残念なところよね。
でも、今の言葉を信用するならば、
まだ千鶴ちゃんにそっち方面の心構えを説くのに、
遅いというわけではなさそうね。

私は千鶴ちゃんの方へ、ずいっと膝を進めた。
「いい、千鶴ちゃん。いくら優しくしてくれたって、
それが見返りを求めてだったら、本当に優しいとは言えないんだから。
強いように見えたって、ただの乱暴者ってこともあるし、
向う見ずなだけってこともあるのよ。
顔がいいだけで、性格の悪い人だっているんだから。
大体顔なんて、年を取ってしまえば、大きな問題じゃなくなるんだし。」
「う、う・・ん。そう、だね?」
「そうよ。いい千鶴ちゃん、周りにいるからって、
その中から選ぶ必要なんて、これっぽっちもないんだからね。
そんな風に情に流されて一緒になったって、
千鶴ちゃんが苦労することになるんだから。」

「あ、あのう・・・お千ちゃん?」
「強引なのも駄目、優柔不断なのなんて論外よ。
融通が利かないのも、窮屈だし、ひねくれ者も駄目よ。
酒や女にだらしないのも絶対にダメ。結婚相手に妥協は必要ないわ。」
拳を握って力説する私に、千鶴ちゃんはやや引き気味だ。


カット171b


あら、いけない。昨夜長老たちから持ち込まれた縁談に、
うんざりしていた気持ちをのせて、つい力説してしまったわ。
「あ、ありがとうね。私のことをこんなに心配してくれて。
多分大丈夫だよ。
私なんかのことをそんな風に見てくれる人なんて、いないと思うし。
でも、お千ちゃんが心配してくれているのはよくわかったから、
私も気を付けるね。
お千ちゃんって、本当のお姉さんみたいだね。」
嬉しそうに微笑む千鶴ちゃん。この笑顔がいいのよね。
本当に、千鶴ちゃんが妹だったらよかったのにね。

でもね・・・、千鶴ちゃんは、本当にわかっていないわ。
悪い男たちが、千鶴ちゃんをどんな目で見ているか。
あんなに分かり易く、千鶴ちゃんに近づいているのに、気がつかないなんて。
千鶴ちゃんがこっち方面に鈍くて助かったわ。
まぁ、ちょっとだけ、ほんのちょっぴり彼らが気の毒な気もするけれど。

大体、やり方が姑息なのよ。わかっているんですからね。
衝立の後ろの席に、こそこそ隠れてこちらを窺っている藤堂さん。
もっと落ち着かないと、気配バレバレなんですけど。
裏口の柱にへばりつくように身を隠している斎藤さん。
白い襟巻が見えているし、お店の人の迷惑になっているわよ。
暖簾の陰の席に、座ってお茶をしている沖田さん。
そこまで堂々とこちらの様子を窺われると、
むしろ天晴って気分になるのはどうしてかしら。
迎えに来るって言っていた原田さんも、
向かいのお店で物色しているようなふりして、千鶴ちゃんを見ているし。

隣の席のお爺さん。句をひねっているふりをしているけど、
句を作っている人は、そんなに早く筆を動かしたりしないし、
お爺さんにしては、手が瑞々しすぎるわよ、山崎さん。
大変ね、報告しなければならないからって。
それに、それ、もはや変装にすらなっていないわよ、天霧。
そんながたいの良いおばさん、ありえないから。見てごらんなさい。
皆怪しんで、遠巻きにしているじゃないの。
天霧がしたくてしているんじゃないのがわかるから、
気の毒としか言いようがないわね。

ふうっ。ここまでされているっていうのに、全然危機感のない可愛い妹の為に、
ここはひとつ、お姉さんが、皆に引導を渡してあげますか。
「千鶴ちゃん。約束よ。千鶴ちゃんが好きになった人が現れたら、
絶対に私に紹介してね。
私が千鶴ちゃんのお姉さんとして、しっかり吟味してあげるから。
私のおめがねに適うような男じゃなかったら、
千鶴ちゃんを渡さないんだからね。」
「あは、ははは・・・。それって、物凄く難しそうだね。」
千鶴ちゃんの笑い声が引きつっているのは、きっと気のせいよ。
「そんなことないわよ。千鶴ちゃんのことを一番大切にしてくれる人だったら、
私喜んで祝福するわよ。」
「いつか、私にもそんな人が現れたらいいな。」
「絶対にいるわよ。だから、妥協しちゃ駄目よ。」
「う、うん。」
「じゃあ、千鶴ちゃんに素敵な縁があるように、おまじない。」
私は、私たちの会話に耳をそばだてているであろう男たちにざっと目をやり、
恥ずかしそうにしている千鶴ちゃんの手を掴んで、頬に唇を寄せたのだった。

カット281


どう?あなたたちに、千鶴ちゃんにこんな顔をさせることができるかしら。
今のままのあなたたちになんて、この場所は渡さないわよ。
悔しかったら、早く私のおめがねに適うような男になってごらんなさいよ。
それでもって、千鶴ちゃんに早く意識してもらえるようになるといいわね。
それまでは、千鶴ちゃんは、私のものなんだから。


  1. 2013/09/21(土) 09:56:29|
  2. Kissシリーズ
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  4. | コメント:2
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コメント

はじめまして、読んでいて爆笑してしまいました。お千姐さん(姉さんではなくて、あえて姐さん)、尊敬します。
  1. 2013/09/21(土) 10:25:09 |
  2. URL |
  3. たってぃ #-
  4. [ 編集 ]

たってぃ様

こちらこそ、はじめまして。楽しんでいただけたようで、嬉しいです。お千ちゃん、姐さん説、私も納得です。気風がよくて、有言実行できるところも、恰好良い女性ですよね。彼女のような友人がいると心強い!!はたして彼女のおめがねにかなう殿方は現れるのかな?お声をかけていただきありがとうございました。
  1. 2013/09/22(日) 19:44:14 |
  2. URL |
  3. ドラキョン #-
  4. [ 編集 ]

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