皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「一触即発」

テール×テール」のドラキョンさんから
崎千キスSSを頂きましたー♪


人目のある所で、やむにやまれず勢いのままにちーちゃんからKISS! というコンセプトで描いたこのイラスト。
その『人の目』がこの人たちだったら…www
悲壮なSSが多かった気がする崎千キスでしたが、こちらの料理の仕方はまたひと味違い、いかにもドラキョンさんらしいテイストだと思うのは私だけでしょうか^^


この後の山崎さんの待遇がどうなるか…ちょっと心配になるお話wは、続きからどうぞ♪


挿絵は感謝を込めてドラキョンさんに進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。




一触即発



「・・・・・・とのことです。」
俺は、長州の浪士たちが会合を開くという情報を得て、内偵を進めていた。
その内偵により、今夜会合が開かれるという情報を得たのだった。
その途中で、俺は不覚にも傷を負ってしまったが、何とか帰還し副長に報告することができた。
「ご苦労だった。あとは俺達の仕事だ。お前は、怪我の手当てをしてもらえ。」
副長は、満足げに頷くと、もったいなくも俺の傷を心配してくださった。
「お言葉ですが、俺も一緒に・・・。」
そんな副長の力になりたい俺は声を上げたが、
「山崎、ここまで調べてくれただけで御の字だ。お前はゆっくり休んでくれ。」
副長は聞き入れてはくださらなかった。
「ですが・・・。」

副長は聞き分けのない俺に舌打ちをすると、
「ったく、おい千鶴。」
「はい、お呼びでしょうか、土方さん。」
部屋へ現れた雪村君は、俺の怪我を見て目を見開いた。
「山崎が怪我をして帰って来たから、手当てをしてやってくれ。」
「こんな傷ぐらい、自分で手当てできます。雪村君の手を煩わすまでもありません。」
「何言ってやがる。いつもお前が言っているんだろうが。『己を過信しすぎるな』ってな。じゃあ、千鶴頼んだぜ。」
「はい、わかりました。山崎さん、それでは傷を洗いますので、井戸の方へいらしていただけますか。」
まだ土方さんの手伝いをしたいという気持ちを捨てきれなかったが、
これは俺の為を思ってくださる土方さんの心遣いだ。
俺は、ありがたいことだと思うことにして、頭を下げ、井戸へ回った。

俺が井戸のところへ回ると、そこには、雪村君がすでに来ていて、
用意のいいことに湯を張った盥が置かれていた。
「袖は上げられますか。」
傷は思っていたより浅かったようで、もうすでに血は止まりかけている。
これくらいならば、浪士たちの会合へ踏み込む土方さんの手伝いもできそうだ。
幸いなことに怪我をしたのは利き手ではない。

「雪村君、君を煩わせるまでもない。これくらいなら、自分で手当てできる。」
俺がそう言ったのに、雪村君は手を止めようとしなかった。
「駄目です。山崎さんは他の方の手当ての時は、きちんと手当されるけれど、
ご自分のことになると、いつも御座なりにされています。
先日だって・・・、傷が開いてしまわれたじゃないですか。」
先日のことを持ち出され反論されると、言い返せない。

あの時は、何事もなければ大丈夫だったはずなのだ。
沖田さんが木の上なんかにあれを隠したりしなければ・・・。
結局、治りかけていた傷は、木登りをしたことで開いてしまい、
血を流す俺を見て、雪村君が大慌てで手当てをし直してくれたのだった。
それを羨ましそうに見ていた沖田組長に少しだけ溜飲を下げたのだが、
その後散々嫌味を言われたのは記憶に新しい。

先日のことを思いだしていると、
「消毒しますので、少し沁みますよ。」
その雪村君の声が終わらぬうちに、傷に鋭い痛みが走った。
「ううっ。」
心づもりが遅れてしまったせいで、思わず声が漏れてしまう。
「す、すみません。沁みましたよね。」
気遣わしそうに俺を見上げた雪村君に、
「すまない。少し考え事をしていたせいだ。気にしないでくれ。」
「すみません。もう一度消毒します。また沁みるかもしれません。」
「ああ。」
また、傷に痛みが走る。
気を張っていても、痛みが無くなる訳もなく、
俺はわずかに顔を顰めてしまった。

その時だった。
俺の傷をおさえる雪村君の反対の手が俺の頬に添えられたかと思うと、
そっと雪村君の唇が俺の唇に重ねられた。


カット280


俺は思わぬ不意打ちに、大きく目を瞠った。
始まりと同様不意に離れてゆくぬくもりを引き留めたいと思ってしまうなんて、
どうかしている。
「雪村君、何を・・・。」
目の前の雪村君は、照れたような悪戯が成功した子供の様な表情を浮かべ、
チロリと舌を出した。

「びっくり療法です。痛み忘れられましたか。」
た、確かに驚きの方が勝って、痛みは忘れられたが・・・。
これは、はたして正しい治療なのだろうか。
ものすごく有効な治療だとは思うが。
「父様が、傷の手当の時に、よく患者さんを驚かして
その間に治療をしていたのを思い出してやってみたんです。
でも、山崎さんはいつも落ち着いていらっしゃるので、
何をしたら驚いてくださるかわからなくて・・・。駄目でしたか。」

綱道さんの・・・。駄目かと言われたら、駄目ではないが・・・。
はっ、何を考えているんだ、俺は。
駄目に決まっている。
こんな治療を誰に対しても行っていいはずがない。
だいたい、ここは男所帯なんだぞ。
そんなことをしたりしたら、雪村君に対して、
とんでもない思い違いをする輩が現れないとは言えない場所なのだ。
絶対に駄目だ、駄目だ。

俺は咳払いを一つすると、雪村君に言って聞かせた。
「雪村君。今の治療は、確かに有効だった・・・。
い、いや、確かに有効かもしれないが、誰にでも有効とは言えないように思う。
そ、それに、不特定多数に治療をすることになるここでは、
取り入れるべき治療ではないと断言できる。
今後、その治療法は、使わないようにしてもらわないと、
君を治療に参加させるわけにはいかなくなる。」
何だかかなり理論的でない意見だと自覚はあるが、雪村君に
わかってもらえただろうか。
理論的に説明しようにも、俺自身の感情の乱れが激しすぎて、
上手く考えをまとめることができないのだから仕方がない。

俺の心を乱したくせに、雪村君は、やっぱり悪戯っぽく笑って
「その治療法は、烝さん専用です。他の方には使いません。」
そう言った雪村君に・・・、俺の反応は遅れてしまった。
「はい、山崎さん。手当終わりましたよ。
今度は無理なさらないでくださいね。」
気が付けば、俺の腕は綺麗に手当てされていたのだった。

先ほどの口づけはいったい・・・。
俺専用とはどういう・・・。
その呼び方は・・・。
聞きたいことが頭の中をぐるぐると回るだけで、
俺は動くことができなかった。
俺が雪村君に振り回され、呆然としているというのに、
雪村君は何事もなかったかのように片づけをして戻っていってしまった。



「あれっ?一君、どうしたの?ねぇ?そんなところで止まっていられると邪魔なんだけど。って、あ~あっ。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「ねぇ、土方さん。あれっくらいの手柄で、あんなご褒美がもらえるんだ。
だったら今日、僕が手柄を立てたら、あれ僕も貰っていいですよね。」
「ありゃ、褒美じゃねぇだろう。」
「えっ、じゃあ傷薬ってことですか。だったら、僕も今日は怪我をして帰ろうかな。」
「多分お前が怪我をしてきたって、
山崎が千鶴を、お前にだけは絶対に近づけねぇんじゃねぇか。」
「うわっ。主従そろって性格悪いですね。」

カット335一触即発


「ねぇ、一君だって、羨ましいよね?
千鶴ちゃんを取られちゃった気分だよね?
今日さ、一君も怪我をして帰らない?」
「・・・・・・・・・羨ましくなど・・・・・・ない。
怪我など俺には・・・・・・特効薬がある。」
立ち去る背中から目が離せないくせに、その背が見えなくなるや、
くだらないとばかりに、柄の上に乗せていた手を下し、
斎藤は足を速めて行ってしまった。

「あ~あ、山崎君、動揺しすぎ。僕らにも気が付かないなんてさ。
まっ、僕としては、千鶴ちゃんのあれが一番の特効薬だと思うけどね。」
沖田は肩をすくめると、斎藤の後を追って行ってしまった。
残された土方は、面倒くさそうに小さくため息をつくと、
「今日の捕り物は、皆の気を引き締めてかかったほうがよさそうだな。
馬鹿たれどもが。」
そうつぶやいて、皆が集まっている場所へ向かったのだった。


  1. 2013/09/11(水) 10:35:02|
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コメント

UP待ってました(^^ゞ

ドラキョンさん、おはようございます。

このお話は既に「テール×テール」さんで楽しく嬉しく拝読していました。
で、追加イラを楽しみに又コメしようと、ずっと待ってたんですう(^^♪
ムフフ、ふいに(劇薬にもなりかねない)特効薬をもらっちゃったこちらのザキさん。
その心境を思うとニヤケ笑いが止まりません。
そうそう、アセレ・ウロタエロ・グルグル迷っていいよう、可愛いよう(笑)
このカワイイ烝君、めっちゃお気に入りです。
そして一君の心情もね、察するにタマリマセン。副長の悩みは尽きないようで、ご愁傷様です。
ちょこさんの楽しいイラストで、ユーモアあふれるドラキョンさんの世界が更にイメージ広がりましたね。
私、是非、続編が読みたいです。是非! ダメなら私が賛辞(三次)創作しちゃうぞー(^_-)(←オイ)
  1. 2013/09/11(水) 11:35:29 |
  2. URL |
  3. 酔狂 #-
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管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. 2013/09/11(水) 23:20:13 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集 ]

酔狂様

こんばんは。小悪魔仕様の千鶴ちゃんに翻弄される年上堅物山崎君、ちょこ様の絵で、生命の危機って感じですね。堅物を弄るのは、た・の・し・い!!それを再確認させていただきました(笑)
酔狂様が、これの続編を書いてくださるのですか!こちらは構いませんよ。むしろ、書いて、書いて。(おねだりしよっと)酔狂様が書かれるということは、当然主役は山崎君ですよね。楽しみ~。
私が書くと、多分山崎君は悲惨な目にあって終わりそう。だって今、私の脳内ではちょこ様の描かれた笑顔の総ちゃんが、楽しい悪戯の世界に手招きしている状態なんです。まさに、危険な劇薬を盛られたところ(笑)一君も今回ばかりは助けてくれないでしょうし・・・ね。
  1. 2013/09/11(水) 23:48:31 |
  2. URL |
  3. ドラキョン #-
  4. [ 編集 ]

おお、それ読みたいです(笑)

ドラキョン様、いけません!できません!!(笑)
既に脳内で妄想が始まっているなら、是非それを読ませてください(^^ゞ
「賛辞創作」云々は、あくまでドラキョン版続編希望への脅迫文ですので(笑)
私の創作だと、山崎さんはどのヒロインとも結ばれない(作者の陰謀)設定ですので、ドラキョンさんのその流れと一緒になると思います(笑) 
では、また。次回作(もう拝読しましたが)upも楽しみにしています。
もうこれには返信お気遣いなく!!(予防線、予防線(^_^;))
  1. 2013/09/12(木) 00:24:42 |
  2. URL |
  3. 酔狂 #-
  4. [ 編集 ]

すごいです!

こんばんは、香西香住です。ラストに思いっきりコメディ入れましたね。私は新八さんの時にこんな感じのコメディ入れるつもりだったんですが、それまでの雰囲気を壊してしまいそうでカットしたんですよね。上手に入れてらして、流石ドラキョン様です。このお話とても好きです。
  1. 2013/09/12(木) 23:50:16 |
  2. URL |
  3. 香西香住 #PBl13R7o
  4. [ 編集 ]

香西香住様

楽しんでいただけたのでしたら、なによりです。ちょこ様の楽しいイラストに救われているんだと思いますよ~。山崎さんの肩越しに見えた、右差しのシルエットを見てしまったら、書くしかないかな~って(笑)私も、山崎さんが霞みそうで、コメディ部分は削ったんですよね・・・。
  1. 2013/09/13(金) 09:59:42 |
  2. URL |
  3. ドラキョン #-
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