皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「天邪鬼も鬼のうち」

泡のあるしあわせ」の碧さんから
風間×千姫キスへSSを頂きました♪

これは平助√の二人ですか。
千鶴をずっと追っかけていた風間の嫁になること、千姫もそんなに簡単に割り切れる訳ないですよね。
私はこの二人、結構いい夫婦になると思っているんですが、そこまでいくのに、心情的には色々と葛藤があったんじゃないでしょうか。
その辺りの奥行きのある『物語』を、碧さんは相変わらずの簡潔な文章で描かれています。流石ですね^^


では、可愛くて気の強いお千ちゃんの恋を、続きからどうぞご堪能下さい^^


挿絵は感謝を込めて碧さんへ進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。




天邪鬼も鬼のうち



「もうっっ!!よくもそこまで言いたい放題言ってくれたわね!」
「本当の事だ。お前もよく知っているだろう、鬼はウソはつかぬ」
「~~!それが余計なのよっ!なによ、アンタなんて・・・」



その日の鬼姫はいつも以上に機嫌が悪かった。
対する風間はそんな彼女の機嫌の悪さも、悪態もまるで気には留めずに酒を口に運ぶ。

ゆったりと斜めに構え、まるで水のように杯を重ねてゆく。


酌を促すこともせず、会話を振ることもせず。
けれど出てゆくことは許さず。
なのに、時々口にするのは…誠の旗を降ろすことをしなかった彼らと、その彼らと運命を共にした自分と同じ鬼娘。
同じ純血の鬼でありながら、鬼であることを知らずに育ちヒトであることを望んだ彼女。
その彼女を欲していた、風間。

純血の女鬼なのに、彼の視界には自分は映らない。
いつもそうだ。視界に入らない姿勢で徳利から酒を注ぎ口を付ける姿に・・・気がつけば風間の襟首を掴んでいた。


カット300


風間の驚いた目が脳裏に焼きつく。
無我夢中だった。


けれどそれはただ唇を押し付けただけ。
風間が飲んでいた酒の香りが甘く触れた。

それを感じて千姫は飛びのくように体を引いた。
はずだった。


「・・・あっ・・・」


──何をしたのか。
──なぜしたのか。
──何にイラついていたのか。
──何を求めていたのか。

我を忘れるなんて。


「随分可愛マネを」


手に持った杯を空けながら、風間は一つ笑った。

逃げるより捕らえる方が早く、気がつけば彼の膝の上。
顎を持たれ顔を背ける事も許されない。

目を閉じなかったのは、今度は千姫だった。


自分が押し付けただけの口づけとはまるで違う。
合わさる唇から鼻に届く、強い酒の香り。
食い縛るように閉じた自分の唇を風間の唇がゆるゆると角度を変え解そうとしていた。
わずかな隙間で顔を振って逃れようとするが、たった片手なのに鬼の力に───男の力に抑え込まれる。


ゴトリと何か重たい音がした。


それが耳に届いた時には今まで杯を持っていた手がもっと近くにと引き寄せ、重なっていただけの唇は強引に割られ風間の舌の侵入を許していた。
同時に。
熱い何かに口中が浸された。
風間の酒。

一拍置いて理解しても、それをすぐに飲み下すことも吐き出すこともできず、口中を探る舌に、溺れる。
胸を叩いて抵抗していた手は、すがるように着物を掴んで。
慣れない酒は柔らかい粘膜からも吸収され、ゆっくりと喉を焼きながら落ちていった。
むせる間もなく口づけは続いて、酔わされてゆく。


自分を甘く包む風間に千姫がかなうべくもない。


風間は一度唇を離し、形の良い額から髪を緩く撫でながら自分の手を追いかけるように口づけを下ろした。
再び唇まで下りた時、千姫は風間の赤い瞳をしっかりと見つめ───そして目を閉じた。

カット333天邪鬼も鬼のうち


「オレのものだ」
「私は私のものよ。・・・でもあなたに預ける・・・」
──私のすべてを。その言葉は風間が飲み込んだ。

― FIN ―
  1. 2013/09/08(日) 10:20:52|
  2. Kissシリーズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

碧さま♪

おはようございます、碧さま。
日曜の朝から、甘いキスと美酒に酔わせていただきました。
今日は一日楽しくやれそうです(笑)
この、二人、お似合いだ、うん(^^♪
彼らの祝宴にはどのシャンパーニュを合わせましょうか(時代考証無視するとして)??
  1. 2013/09/08(日) 10:40:01 |
  2. URL |
  3. 酔狂 #-
  4. [ 編集 ]

>酔狂元乙女さま

早速のコメントありがとうございました♪

この時代なのでまだまだ日本酒は今のような吟醸酒はないと思うのですが
どぶろく的なお酒でも酔えました?
この二人はきっと絶えずケンカをしつつ仲の良い夫婦でありそうだと私も思います♪

二人の祝宴はきっとキンキラわかりやすく派手に、でもゴージャスに「ドンペリ・エノテーク」ぐらいを気前よく振舞ってくれると思います。
決して造り手が・・・とか五月蝿く言わずに。用意するのはもちろん天霧氏でしょう!
  1. 2013/09/09(月) 08:27:48 |
  2. URL |
  3. 碧 #cvznxSWw
  4. [ 編集 ]

>ちょこさま

早速頂いて帰ります~!ありがとうございます。

千鶴だとどんなに不意打ちのキスでも睨みつけること、確かになさそうです。
一応オチてるはずなのに、この気の強さが千姫の魅力で、ちゃんと風間はそこんところ
判って可愛いと思ったりしてる、この笑みがヤラシクていいな~(笑)

甘いのに、甘くない二人の雰囲気が、私がすっとばしたいろいろを補ってくださっていて
いつも、どのシーンがどんな風にイラストになるのだろうと楽しみにしています。
厚かましいことだとも判っているのですが、コメントを頂くのとはまた違い自分の文章がどう
イメージされているのか、ワンシーンが具体化するのは、書き手としてすごくすごく嬉しいです。

いつも本当にありがとうございます。
  1. 2013/09/09(月) 08:50:25 |
  2. URL |
  3. 碧 #cvznxSWw
  4. [ 編集 ]

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