皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「気に入らんな」

テール×テール」のドラキョンさんから
風千キス絵へのSSです♪

やっぱりこの時期のちー様は、約束してしまった手前、すっごく色々と我慢していたんでしょうねえw
それも鈍感女王のちーちゃん相手じゃあ、さぞかし辛かった事でしょうwww
そんなちー様の面倒をみていた天霧さんに同情したくなります←


それでは、続きから
千砂さんのちー様とはまた雰囲気の違う、我慢の限界に挑戦しているちー様をご覧下さい^^


挿絵2枚は感謝を込めて、ドラキョンさんに進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。




気に入らんな



「今帰った。」
「おかえりなさい、風間さん。寒い中お疲れ様でした。」


カット315気に入らんな


一人でも奴らの後を追うと言い張る千鶴を連れて旅を始めたのは、
八瀬の姫に頼まれたからだった。
あの場に天霧もいた。鬼とは嘘をつかぬもの。
だから、千鶴をここまで連れてきてやっただけだ。ただそれだけのはずだった。

それなのに、江戸で終わるはずだった旅を今も続け、
千鶴の為に奴らの動向を探ってやっているのは、
結局、無鉄砲な千鶴を放っておくことができなかったためだ。
悔しいから、絶対に認めたくはないが、
あの小生意気な八瀬の姫の思惑通りになっている気がするのは
思い過ごしに違いない。
ここまで人間に絆されてしまった鬼など、いくら貴重な女鬼とはいえ、
これからの鬼の世のことを考えれば、切り捨てた方が良いのは明白だ。

だが、千鶴と旅を続けるうちに、
こいつとの暮らしを酷く居心地のいいものに感じ始めている俺がいる。

先ほどのやり取りもそうだ。
俺をあのように迎えてくれるものが今までいただろうか。
帰るなり、里の暮らしの事、他の里との折衝、人間との関係など、
俺の指示を貰うために待つ者は大勢いたが、
千鶴の様に迎えてくれる者はいなかったように思う。
屋敷にいるころと同じように、帰ればすすぎが用意されているし、
着替えとて、洗濯が施され、火熨斗まであてられている。
流石に嫁でもなければ、使用人ですらない千鶴に
着替えを手伝わせるわけにはいかないので、着替えは自分でしているが、
その不自由ささえ心地よく思えてしまう。

千鶴も出会ったころの緊張が解けてきたようで、
表情をくるくると変える姿が愛らしい。
あの気の強さで奴らとも対峙していたとするならば、
奴らも存外手を焼いていたのかもしれないと思うと、笑いがこみあげてくる。
こんなままごとのような暮らしを愛おしいと感じ始めている俺がいる。

それなのにだ。
千鶴ときたら、口を開けば奴らの事ばかりだ。
雪が降ったといえば、奴らとしたという雪合戦が楽しかっただとか、
雪うさぎを一緒に作っただとか楽しそうに話しだす。
俺が食事中嫌いなものをよけて食べれば、
「好き嫌いをしては、身体を壊します。
沖田さんみたいな事をなさらないでください。」
ぴしゃりと俺を叱る。
俺が一人留守番をする千鶴に菓子を手渡せば、
それを手にして奴らとの思い出に浸ってみたり。
茶を淹れさせれば、俺の好みよりやや濃い目のやたらと熱い茶が出てくる。
奴らの中にこの茶が好みの奴がいたのが窺い知れて、何やらもやもやする。

奴らと対峙するのは楽しかったから、
千鶴を奴らに預けておいただけだったのに、
千鶴と奴らの間にこうも情が通ってしまうことになってしまったのは、
失敗だったかもしれんな。
確かに俺と千鶴の間にある話題など、池田屋で会ったこと、
蛤御門の変の時出会ったこと、
二条城で初めて言葉を交わしたこと、五山の火送りの際町を歩いたこと、
島原での逢引、西本願寺でのこと・・・。
いろいろあって、どれも俺には忘れられない出来事だが、
千鶴にとっては、恐ろしい、忘れてしまいたいような思い出かもしれぬ・・な。

つまりだ。
千鶴と俺との間に共通の話題といえば、それ以外、奴らの事しかないのだ。
奴らのことなど話したくないし、聞きたくもないがそれが事実だ。
おそらく千鶴も、俺との間に時折訪れる沈黙が堪えられぬせいで、
奴らの話を持ち出し、間を持たせようとしているのだろうが、
やはり面白くない。
そんな事よりも、お前は今一緒に旅を続ける目の前の男のことを
知ろうとは思わないのか。
お前に尋ねられたならば、何でも正直に答えてやる心づもりでいるというのに、
一向に俺のことは尋ねてこない。

先日、珍しく聞きたいことがあるというから、
ようやく俺のことを尋ねる気になったのかと、
内心喜んでいたら、奴は天霧のことを聞いてくる始末。
俺より天霧とはどういう了見なのだ。
流石に天霧は、俺の怒りと落胆を感じ取ったようで、
あれ以来今まで以上に気を使って、俺達を二人にするようになった。
天霧でさえ、気が付いたというのに、なんなのだ、千鶴のこの鈍さは。
今もそうだ。こんな夜更けに男と二人きり、しかもその相手が、
己をどうしようと思っている相手かを忘れてしまったかのような、
この寛いだ表情はなんなのだ。
まさかこれも奴らとの生活が長かったゆえの弊害か。

そんなもやもやした思いを俺が抱いているなどとは思っていないのだろう。
二人差し向かいで静かに茶を飲んでいると、雨戸が風で軋む音が響いた。
どうやらまた吹雪いてきたようだ。
千鶴が見えない外へ目を向ける。
「こちらが吹雪いているということは、蝦夷も吹雪いているのでしょうか。
皆さん大丈夫かな。」
遠い、遠い目をして憂いをたっぷりと含んだその声に、
その表情に俺は嫉妬した。

「俺を見ろ。お前の瞳に俺を映せ。俺を知れ。」
その声に弾かれるように俺の傍を逃げ出そうとした千鶴を捕え、
壁際へ追い込んだ。
なんだちゃんとそうやって警戒することもできるではないか。
「お前の口からほかの男の話を聞くなど気に入らんな。
その口はそんなことの為にあるのではあるまい?」

この体制になっても、顔をあげて睨み付けてくる千鶴の顔に、
えもいわれぬ色気を感じて俺は嗤った。
そんな赤い顔をして睨み付けたところで、男を煽るだけだと気が付かぬとはな。
まあいい。婚姻を結ぶまでは手を出さぬと言ったのは俺だ。
俺の理性の崩壊が先か、お前が堕ちるのが先か。
お前相手の勝負に負ける気はない。
いずれ終わりを迎える我らの旅の楽しい余興として楽しもうではないか。






カット275
  1. 2013/08/10(土) 18:24:00|
  2. Kissシリーズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
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コメント

こんばんは。ドラキョン様 小萩です。
ちー様素敵!!こんなちー様が私は大好きです。ちー様は本当に礼儀正しい、優しい鬼ですよね。どれだけ我慢していたことか。
いや私、絶対天霧さんポジションには立ちたくないです(笑)。だってものすごく苦労しそうだもの・・・。
「俺を見ろ。お前の瞳に俺を映せ。俺を知れ」この台詞にずっきゅーん!!ものすごくドキドキしました。キュン死にや〜!!
またしても素敵なお話をありがとうございました。読ませていただけてとても幸福です。
  1. 2013/08/10(土) 20:31:30 |
  2. URL |
  3. 小萩 #-
  4. [ 編集 ]

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. 2013/08/10(土) 23:49:05 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集 ]

小萩様

こんばんは。コメントをお寄せいただき、とても嬉しいです。少々ちー様が大人し目だったでしょうか。結婚生活疑似体験ということで、戸惑いと恥じらい?を彼も感じていた?かもしれませんし・・・(限りなくありえないと思いますが)あのセリフは、我慢していたちー様が、限界が来たら言いそうかな~なんて思ったんですが、萌えていただけたのなら、置いたかいがありました(笑)千鶴ちゃんの思い出に対抗すべく、こっそり二人の思い出を回想して、数の少なさと良い思い出がないことに落ち込むちー様は、千鶴ちゃんの鈍さも加わって、さぞかし我慢していたことでしょうね。小萩様が言われるとおり、天霧さんの立場は、激しく遠慮させていただきたいですね。吹雪の日に、家に居づらいとか嫌ですもの(笑)
  1. 2013/08/11(日) 00:15:41 |
  2. URL |
  3. ドラキョン #-
  4. [ 編集 ]

ドラキョン様♪

お受け取りありがとうございます^^

この頃の我慢が元で、じっとしていられなくなってお迎えに来ちゃったんでしょうねえ、ちー様w
そして、やっぱり私も、結婚後はリミッターが外れる方に一票www
しかし、『俺の方を見てくれ~』なんて、言われてみたい言葉ですねw
  1. 2013/08/11(日) 09:40:44 |
  2. URL |
  3. ちょこ #-
  4. [ 編集 ]

風間氏の我慢はいつまで持つ?

こんばんは、ドラキョン様
サイトの方へはまた遊びに行かせてくださいね。土方さんの次は沖田君のリバーシ突撃だ!

で、いきなり下世話な話ですみません。この時期の風間さんといい、屯所時代から会津までの斎藤さんといい、どれぐらい我慢できたのかな~って時々考えてしまいます(笑)
周りに女気が全くない環境ならいざ知らず、常にくるくると纏わりつく可愛い千鶴ちゃんが居れば、実際のところ・・・?ゲームの設定上隠されているだけで、実は千鶴は8人の子の母だった・・・。なんてお話、有るかな?無いかな?
スミマセン、酔ってつまらない話を・・・。このコメ、レス不要に<m(__)m>
  1. 2013/08/25(日) 23:00:24 |
  2. URL |
  3. 酔狂元乙女 #-
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