皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

[踏み入れた先は袋小路」

今回のこのCPのSSは、Nさんから―――
来ないかな~と思っていたので、嬉しい驚きでした。
ありがとうございます!


しかし、絵がアレだったので、やっぱり内容もオトナ向けにならざるを得ないワケでして…^^;
まあ、この二人はしっかりオトナですしねw こうなりますよね。
と言う訳で、うちでは珍しいちょっとオトナ表現が出てきますので、義務教育中のお嬢さんは遠慮して下さいね^^(ここには来てないとは思いますがw)
あ、副長が千鶴以外の女性と…というのが許せない方も、引き返した方がいいかも。

では以上を踏まえた上で、
続きから、土方×君菊のSSをどうぞ♪


挿絵2枚はNさんに進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。




踏み入れた先は袋小路


「何を……考えていますの?」
 不意に耳に滑り込んだその声に、俺はふと意識を戻す。
 声の方に視線をチラリと遣れば、其処には目も眩む様な煌びやかな衣装を纏った女――天神が小首を傾げ、薄く笑みを浮かべて此方を見つめている。
「私と言う者が在りながら、心此処に在らず、と言った感じで。一体何が、あなたの心を捉えているのかしら?」
「……ふっ」
 少しばかり拗ねた物言いに、俺は微苦笑を浮かべて視線を戻し、
「妬けるか?」
「ええ、とても」
 その声と共に、此方に近付く衣擦れの音。
 そして女の重みと共に俺の首に細い腕が巻き付かれると、白粉と女その物の匂いが混じり合った匂いが鼻先を掠め――そして唇に感じる、温かな吐息と紅の味。
「……止せ。此処は遊郭じゃねえ」
「あら。でしたら私は何の為に喚ばれたのでしょうね?」
 少しだけ身体を離された隙にそう言えば、しかし女は俺の言葉を鼻で嗤って言ってのける。
「もう幾度も肌を合わせた仲ですのに……此処はあなたさまの別邸なのでしょう? 邸の主が何をした所で、責められる謂れは無いと思いませんこと?」
 視界の端に見えた嫣然とした笑みに、俺の中で不意に『それ』がゾクリ、と騒ぐも、俺は鉄壁の意思で表に出すのを止めた。
「……それとも、気になりまして? あなたさまの可愛い可愛い『小姓』の事が」
 その言葉に、知らず、俺の眉間に深い皺が寄っていた。


カット314踏み入れた先は袋小路


 浪士組として武州多摩から上京し、壬生浪士組を経て新選組へ――今や俺たちは『壬生浪』『人斬り集団』として、特に俺は『鬼の副長』なぞと言う些か不名誉な二つ名と共に京で名を馳せる様になっていた。
 朝廷からも存在を認められ、徳川幕府やお抱え元の会津藩からは報奨金も貰う様になり――上京当時から比べたら、随分贅沢な暮らしも出来る様になった。
 ――となれば、男としてやる事は一つだ。
 局長や副長助勤と言った幹部たちは、屯所の外に『休憩所』と称した屋敷を買い――其処に女を囲う様になったので有る。何時生命果てるかも知れない日々を癒すには、矢張り女の柔肌が一番だったからだ。
 他の連中は文字通りに女を囲ったりはたまた祝言を挙げたりしていたが――俺の場合は、少しばかり違っていた。『女を囲う為』と言うよりは、『静かな環境で雑務をこなす為』と言った方が近い。
 勿論俺も男だから、気に留めた芸妓を連れ込む事も有った。目の前で俺にしな垂れかかるこの女――君菊もその一人だ。
 だがそれ以外は普段この邸に人影は無く、基本的に此処では俺一人で過ごしていたのだ――時折掃除と家事に立ち寄る、『ただ一人』を除いては。

「……別にそんなんじゃねえよ」
 俺は瞼の中に餓鬼と言って良い『ただ一人』を思い浮かべながら「フン」と鼻を鳴らし、視線を女――君菊へと戻して、
「ただ考え事をしていただけさ。――色々と、な」
 俺の言葉に、君菊は矢張り視界の端で、薄く笑みを浮かべて俺を見つめるばかりだった。


 目の前のこの美貌の天神は、『人間では無かった』。
 古来より人間よりも数倍の身体能力と寿命を以って、朝廷と時の権力者に食い込み生きて来た異形の種族――【鬼】。見た目は俺と何ら変わらぬこの女は、しかし俺とは全く違う存在(もの)なのだと言う。
 こいつとの出会いは、懐が潤い、他の奴らと同様に遊郭通いを始めた頃、廓の主人に「お勧めの妓が居る」と宛がわれたのが始まりだった。
 天神と言う最上位の妓でこそ無かった物の、羽振りの良い新選組(おれたち)は上客と判断されたのだろう。見目も身体の相性も悪くなかった、逢状も数多届くと言うその妓を、俺は馴染みの女とする事にしたのだ。
 だが俺は、こいつと妙な形で再会する事になる。
 ひょんな事から拾ってしまった『拾い物』、それがきっかけで俺たちにちょっかいを出す様になった金髪野郎――もとい、風間と同じ鬼の一族の姫の護衛として――

「……まさかこの俺が、『化け物』を抱こうとはな」
 知らず、苦笑が零れる。
「あら、聞き捨てなりませんわよ? その言葉」
 聞かせる積もりも無かったが、聞こえぬ方が難しい距離の俺の言葉に、君菊は僅かに瞳を眇めて、
「私を『化け物』と仰るなら、『壬生浪』などと呼ばれ、散々人を斬りまくっているあなたも――十分に化け物じゃ有りません?」
 くすくすと揄う口調ながらも、しかし俺は返す言葉を持てない。
「何が狙いだ。俺の馴染みになったのも、俺が新選組の副長だからか?」
「さあ、如何でしょうね?」
 俺の言葉を、君菊は柳に風と受け流し、
「その様な事、今は如何でも良いじゃ有りませんか。一つ部屋に男と女――そうなれば、やる事は一つ……で御座いましょう?」
 そう言って、自分の身体を俺に擦り付ける様に身を寄せて来た。
「……っ」
 豪奢な着物の上からも分かる豊満な身体と体温、鼻を一層突く白粉と女その物の匂い――先程から続いていた『甘い拷問』に、俺はとうとう陥落した。
 俺は後ろ手に女の腰に手を回し、グイと引き寄せると、胡坐を組んでいた俺の脚の上に跨らせる。
 多分脚の付け根に感じただろう俺の『分身』に、女は一度ふるりと身を震わせるも、直ぐに陶然とした笑みを浮かべ、俺の首に手を回して来た。
 女の着物の袷を左右に押し広げれば、白磁の様な白い肌と、豊満な二つの果実が俺の目の前に突き出される。其処から漂う芳香に耐えきれず、むしゃぶりつく様に果実を口にすれば、忽ち部屋は女の嬌声に満ちた。

 ――カタン
 その時俺は、確かに僅かな物音を聞いていた。
 僅かに漂って来たお茶の香りに、それが誰で有るかを悟ったが、しかし俺は女を責める手を止めようとはしなかった。
 先程まで俺を揄いさえしていた女は、俺に良い様に翻弄され、喘ぎ声を上げ続けていた。そんな様を、俺の中の『もう一人の俺』がいい気味だとせせら笑う。
 部屋の外に感じた戸惑いの気配に心が一瞬ジクリと痛むも、俺は結局、目の前の『果実』を食い尽くそうと心に決めていた。

 ――知れば迷い しなければ迷わぬ恋の道――

 昔詠んだ駄句がふと、頭の中を過る――




カット283



  1. 2013/08/09(金) 23:04:19|
  2. Kissシリーズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

土方さーん

猛烈に感動いたしました!!大人の色香むんむんなお話でしたね(/▽\)!
SSなのに話の作りこみが実に細かくて・・・新選組が京で名を馳せてきて、そこで女を囲うものが増えた~みたいな表現があるだけで、なんだかググっと物語に深みが増します。こういう短いお話に、さりげなくそういうものを入れてくるあたり・・・Nさんがただ者でないのを感じます~!
(入れたくても、なかなかこういう風に上手に入れれません。)
でも、土方さんはこういう人だと私は思ってるんで・・・土方さんに関しては「千鶴一筋」とかありないよね~と思ってるんで(ぉぃ)
まあ、心は千鶴を愛してても、身体のことはまた別問題・・・って感じがします。だって、土方さんだもん・・・ヽ( ´ー`)ノフッ
「男っつーもんはそういうもんなんだよっ!それをいちいちなんでてめぇに謝らなくちゃいけねぇんだ、ああん?」みたいな、俺様でわがままなキングオブ亭主関白な感じこそ、土方さんです(笑)土方さんと君菊さんならではの、割り切った大人の関係話馳走様でした(*ノノ)。
(でも、現場を目撃してしまった千鶴ちゃんは本当にかわいそうです~。たとえ土千の千鶴ちゃんじゃなくても、ショッキングですよね・・・。)
  1. 2013/08/10(土) 14:13:33 |
  2. URL |
  3. ゆゆき #EYMZMP9E
  4. [ 編集 ]

>ゆゆきさま
コメントありがとうございます。
>心は千鶴を愛してても、身体のことはまた別問題・・・って感じがします
そんな感想をちょこさまの画で私も持った次第です。(笑)生存本能、みたいな感じでしたかね、確か。
確かに経験無さそうな娘には刺激が強過ぎでしょうかね。
ばたばたと駆け去って、真っ赤になった頬を押さえてる姿が浮かぶ様です。
土千でも、そうで無くても。
  1. 2013/08/11(日) 23:16:17 |
  2. URL |
  3. N #sugSc65U
  4. [ 編集 ]

N様 はじめまして、酔狂元乙女といいます。
時期外れのコメントすみません。返信はお気遣いなく。

艶のあるお話、ドキドキして拝見しました。
今回のシチュに限らず、大人の男女と若い娘の対峙は普遍的なテーマの一つですよね。
女は娘の若さや処女性に嫉妬し、郷愁も抱く。男は女の成熟と娘の未熟の両方を楽しむ。
あるいは処女に対する征服欲や好奇心を満たす。娘は大人の世界への憧れと同時に畏怖も抱く。
既に枯れ花の私ですが、天神の立場だったら、思いっきり千鶴ちゃんに見せつけてやります(笑)
君菊さんは山南さんや天霧さんと同様、苦労人キャラのイメージがあります。
せめて二次創作の世界では、土方さんでなくてもいいから、ひと時の甘い時間をもってほしいなあと願っています。
大人のお話、ありがとうございました。
(新八さんお好きなんですね♪永倉√、山崎√欲しかったですね!もはや諦め・・・)
  1. 2013/08/26(月) 22:51:37 |
  2. URL |
  3. 酔狂元乙女 #-
  4. [ 編集 ]

>酔狂元乙女さま

はじめまして。コメント有難うございます。
ありがちシチュと言うか、確かに普遍的なテーマの一つでは有りますね。
だからこそ二次者には美味いネタと言う事も出来ますがw
プレイヤーと言う事で千鶴ばかりに目は行きますが、千や君菊にも二次でくらいは
…と言う気持ち、同意です。

……永倉√、欲しかったです。(´Д⊂ヽ
  1. 2013/08/27(火) 16:23:16 |
  2. URL |
  3. N #Zm0lbx/s
  4. [ 編集 ]

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