皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「光と影」

はーい(^o^)/ またまた「BlueRedIce」の香西香住さんから
あまりSSの寄せられないCPに、お話を頂きましたーw

こちらは、酔狂元乙女さんのシリアスな切々としたものとはまた違い、
香住さんのテイストである可愛らしさが全編に溢れています。
つくづく見る人によって、一枚の絵からこうも印象が変わるんですね。
山崎さんが声を上げて笑うって―――w 香住さんならではのキャラ作り^^

今回も楽しく読ませて頂きました♪
ありがとうございます!


では、そんな笑うザキさんと、可愛らしいちーちゃんのお話は続きからどうぞ


挿絵2枚は、いつも通り作者様に進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。




君が光ならば、影の役目もけして悪くはないー……。


光と影


「撤退だ!撤退する!」

副長の声が耳に届く。

撤退、か。

まあ、当然の処置だな。この人数と武器の違いでは勝ち目は無いだろう。

副長の判断は正しい。

俺は、と言うと、深傷を負ってしまい、副長の命で、情けなくも戦場を離れ、雪村君の手当を受けている。

深傷を負ったと言っても、腕。足も逆腕も動く。まだ戦えたというのに。

それでも俺は副長の命には逆らえない。

あの人は、厳しいくせに過保護なんだ。山南さんの怪我があってからはさらに。

こんな時、羅刹が羨ましくなる。

「…馬鹿な。羅刹を羨むなど……」

視線を感じて、そちらに目を向けると雪村君が心配そうにこちらを見ていた。

しまった。
声に出てしまっていたか。

「済まない。弱音を吐い……」


カット280


言い訳じみた事を言いかけた時、雪村君の顔が近付き、唇に吐息と温かく柔らかい感触を感じた。
それが何かわからない程少年ではない。…が、意外だった。
唇を包み込む様な優しい口付け。
ゆっくりと離れて行った彼女の頬は紅色に染まっていた。

……愛らしいな…。

「…雪村、君?」
「た、確かに、山崎さんは羅刹では無いので、負った傷はすぐには治りません。このように戦いの途中で、戦場を離れなくてはならない事態もあるかも知れません。それでも、山崎さんは昼も夜もお元気に動けます。血に狂い、神経を病む事もありません」
「ああ、そうだな…」

全く。
下手すれば父と娘ほど歳が離れている娘に元気付けられてどうする。

「や、山崎さんは、羅刹ではないので、私も血を与える事は出来ません。で、ですが、今、私の命(みこと)をお分け致しました!怪我が早く治る効果があるとは思えませんが、どうか、お元気を出して下さい!」
「…………くっ…」
「山崎さん!?」
「くっ…」
「大丈夫ですか!?傷が痛みますか!?」
「くっくっ……あっははは!」
「や、山崎さん!?」

本気で心配してくれている雪村君には悪いが、思わず笑ってしまった。
なんて愛らしい事を考えるんだ。この子は。俺なら例え君が落ち込んでいたとしても、その方法は思い付かないだろう。

「はっ…ははは。き、傷が、痛む……!」
「当たり前です!一体どうされたのですか!?」
「君が、あまりに、可愛らしい事を言うから、思わず」
「なっ!私は真剣なんですよ!?」
「ああ。君は何時も真剣で一生懸命で…そんな君だから俺は信頼するに値すると思った」

怪我をしていない方の腕で、彼女の頭を撫でる。

「そして、君のそんなところが可愛らしいと思う」

微笑みながら話すと、彼女は顔を染めて俯いてしまう。
そんな反応も愛らしいのだが、こんなに恥ずかしがり屋が、よくもあんな方法を思い付き、実行したものだ。
もしや、誰かの入れ知恵か?
沖田さん辺りならありうる。

「しかし、あんな方法で命を分けられるとは知らなかった。確かに、呼吸が停止した相手には同じような方法を使うが。確かに、命を分けていると言えなくは…….」
「い、いえ!即興で思い付いたお呪いの様なものですので、気休め程度かと…。ただ、山崎さんに元気を出して欲しくて…」
「くっく…そうだな、確かに、元気は出たな」
「本当ですか!?」
「ああ。ありがとう」
「良かった…」

安心した様に微笑む彼女。
戦場で不謹慎だとは思うが、密かに想っている女性に優しく心配されて接吻をされて元気付けられない男などいるものか。
例え元気が出なかったとしても歳下の異性に懸命に元気付けられたら微笑んでやるのが大人の余裕、というものだろう。

「……しかし、この呪(まじな)いはもう使わない方がいい」
「え?」
「言霊という言葉もある。ただの呪いでも、万が一にも本当に君の命を分けられたら困る。君の方が死んでしまいそうだ。ただでさえ、こんなに小さな身体なのだから」

何時の間にか新選組の小さいが明るい光となっている彼女。
怪我をする度に誰それ構わず接吻されてたまるものか。
新選組のいわば、影の様な存在である俺が、光の様な存在である彼女に想いを告げる事は許されない。
だが、彼女を想う事と影ながら護る事くらいは許されるだろう。
ただでさえ戦いの後は女を求める男が多いのだから。俺は性に関しては消極的な方だが。

「大丈夫ですよ。私は鬼ですから。少し位分けた所で問題ないです」
「確かに、鬼は羅刹と同じで怪我は早く治る様だが、鬼が不死だという話は聞いた事が無いのだが……」
「……そう言われてみれば確かに…。退治されてしまう話が多いのも事実ですし…」
「…やはり、駄目だ。君には戦場を生き抜いて、幸せになってもらわなければ困る」

その隣にいたいと願う事は俺には許されないが。それでも、君が幸せになってくれればそれでいいと思う。
君の幸せを祈る事くらいは許されるだろう。

「山崎さん……」
「俺の一番は副長であり、新選組だ。命に換えても君を護るとは約束出来ない。だけど、君の幸せは祈ってる」

彼女の頭を撫で続けたまま、出来るだけ優しい声で伝える。

カット301光と影


「少なくも、俺より先に逝かないでくれ」
「……山崎さんは、父様の様な事をおっしゃられるんですね」
「……父様か…。君ぐらいの娘がいても、不思議はないな」
「ええ!山崎さん、お幾つなんですか!?」
「ん?山南さんと同じ歳だ。おかげで副長には時々だが説教くさくなってしまって申し訳ない……」
「えええぇぇ!?」
「…一体、幾つだと思われていたんだ」
「お、沖田さん達と同じ位かと…」
「それは随分と若く見られていたな」

思わず苦笑してしまう。

「も、申し訳ありません!」
「いや、若く見られている分には嬉しい」

しかし、沖田さんと同じ歳か。一回りも下に見られていたとは逆にすごいな。本当にその位の歳ならば、俺も雪村君に想いを告げていただろうか?否、立場的にやはり無理か。

だが、この監察の仕事には誇りを持っているし、けして悪くはない。
すっかり新選組に馴染んでしまった雪村君だが、それでも色々秘密がある。新選組の名にかけて護るべき存在だ。そして、雪村君の護衛役は監察、特に俺に回って来る。
新選組を捨ててまで雪村君を選べない俺に取って最高の任務だ。遠慮なく雪村君を護る事が出来る。

それに、影は光と共にあるものだから。

少し、嬉しい。と、年甲斐も無く思う。

「山崎さん?」
「あ、いや、すまない。俺達も行こう。副長が心配される」
「はい。そうですね」

雪村君に覗き込まれて立ち上がる。

新選組の影である俺は、きっと新選組の為に果てるだろう。
それで本望だと思う。
新選組を捨てて君を選べない俺に、君を幸せにすることなど出来るわけがない。
それに、影に光が絶対必要でも、光は影がなくても然程(さほど)問題ないだろう。
俺は君がいつか幸せになってくれればそれで構わない。
君の幸せが俺の幸せだと思うことにしよう。

それでも、もし我儘が許されるなら、この世で最期に見るものは、君の笑顔であって欲しい。
もし、この願いが叶うなら、魂になっても影として、君を最期まで見護ると約束しよう。

守護霊など信じているわけではないが、本当に在るのならば、俺は魂となったら、君だけを護りたい。

影は、光と共にあるものだからー……,。




END
  1. 2013/07/22(月) 20:56:07|
  2. Kissシリーズ
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  4. | コメント:2
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コメント

香西香住様&ちょこ様へ

香西香住様、初めまして、酔狂元乙女と申します。
ちょこ様、お疲れ様です!また出没してすみません<m(__)m>

香住様、私はザキ様最愛の酔っ払い隊士です。
このお話に余りに感激したので、直接お礼申し上げたく、こちらに書き込ませていただきます。
はい、コメントではなく、御礼です。

本当に素敵な大人山崎さんをありがとうございました!
黒装束の中に隠された、彼の豊かな内面や感受性を上手く表現されていて、甘く切なく、萌えどころ満載です。私はこの「光と影」の烝様に恋をしてしまいました。
彼の悲壮な最期を思うにつけ、このお話の中で、彼にひと時の笑顔と安らぎを与えて下さって・・・彼も喜んでいると思います。(←勝手に想像)

そして、ちょこ様の追加イラスト、なんと素晴らしいことでしょう!
この笑顔、伏見奉行所でのスチルに匹敵するのではないでしょうか??
このイラストでまた妄想が湧きそうです(笑)

香住さまの次回作、楽しみにしています。
そして、できれば、またいつの日かザキ様のお話を創作していただければと思います。
はい、ちょこ様も是非是非ザキ様を描いてください、お願い致します。
山崎ファンは、山崎さんの創作に飢えていますから!

繰り返しますが、お二人とも、本当に素晴らしい作品をありがとうございました。
暑さ厳しい中、ご自愛下さり創作に励まれてくださいね。
  1. 2013/07/22(月) 22:44:39 |
  2. URL |
  3. 酔狂元乙女 #-
  4. [ 編集 ]

ちょこ様AND酔狂元乙女様

○ちょこ様
こんばんわ(^∇^)
追加イラスト素敵です!\(//∇//)\
お忙しいのにありがとうございます!m(__)m
すごく優しげな崎さん!HPにあげてしまっても宜しいですか?後、こちらのスペースをお借りして返信してしまって申し訳ありませんm(__)m

○酔狂元乙女様

初めまして。香西香住と申します。ちょこ様より先に、しかも、こちらにコメントしていいものか悩みましたが、酔狂元乙女様はHPをお持ちで無い様ですし、折角のコメント…御礼を頂いてしまったので、こちらをお借りして御礼返しを。
私のような者の作品に御礼なんて\(//∇//)\私の書いた烝君に恋をして下さってありがとうございます。狂元乙女様の方が先にこちらのイラストで素敵な崎千を書かれて居たので、ちょっと焦ってしまったのですが、何とか被っていなくて良かったです。狂元乙女様の崎千も短くも大人っぽくて素敵でした!私が書くとどうしてもコメディが混じってしまうので、羨ましいです。今回のラストは土方さんルートの山崎さんに繋がったらいいなと思って書いたので、汲んで頂けて嬉しいです。ちなみに私も山崎さん大好きです!素敵ですよね。山千は無いですが、山崎さんは自分のHPの方では書いてますよ。もし宜しければいらして下さいね^ ^今回は本当にコメントありがとうございましたm(__)m
またお目にかかれたら嬉しいです。
  1. 2013/07/23(火) 00:08:07 |
  2. URL |
  3. 香西香住 #Na//oj5c
  4. [ 編集 ]

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