皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「惑い」

泡のあるしあわせ」の碧さんから、原千キスのSSを頂きましたー♪
ありがとうございます!

今回の原田さんは、今まで他の方が書いた原田さんとはまた違う雰囲気で、男の色気がダダ漏れですねw
指先ひとつで、18禁へと突入しそうww


そんな原田さんを、続きからどうぞご堪能下さいませ^^


2枚の挿絵は碧さんへ進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。




惑い



暑い、日だった。

巡察を終えて、羽織を脱ぎいつものように千鶴の姿を探す。
まるで日課のように。

額から流れる汗をぬぐいながら、勝手場、干し場、井戸と順に探す。
が、いない。
取り立てて用事があるわけでもないが、姿が見えなければどうにも落ち着かない。


ーー「左之さんは、甘いから」
笑いを含んだ声が脳内に響く。甘い、か?
気にかけてやっている・・・を、超越している自覚はある。
甘やかしてやったって、いいだろう。
男の姿に扮していても、千鶴は女だ。

中庭を抜けて縁側に。
そして上がってすぐに、目に入った白い・・・肌。


「ちづ・・・る?」

そこは千鶴の部屋で、昼間はいつも襖は開かれている。
誰が来てもいいように。誰かがそこにいるから。

今は誰もいない。



京都の暑さは体にこたえる。
寝苦しい夜が続く。
ーー少しだけ。
おそらくそんな言葉を口にして、少しだけ体を休めていただけなのだろう。
千鶴は小さく丸まって隅で眠っていた。

その姿に原田は小さく微笑み・・・そして口元を歪めた。


カット297惑い


「千鶴」

起こすための声。
その声に千鶴はぴくりと反応して、小さく瞬きをするとまだ現の中で赤い何かを認識する。
そしてそれが何なのかが判ると、「ぴょん」と音がしそうなほど飛び上がり慌てて起きた。

「す・・すみません」
「いや、少しぐらいの昼寝は悪かねぇよ。・・・・」

原田の声はいつもより低く耳に届く。
部屋の柱に片手でよりかかり千鶴を見下ろす目は怒ってはない。が、いつもの優しい笑みでもない。

「千鶴」

もう一度原田は名を呼び柱に掛けていた手をゆっくりと下ろすと、千鶴の少し寝乱れた髪を撫で直してやると
そのまま指先で耳の後ろから首筋を撫で下ろすと着物の合わせ目からホンの少し指をくぐらせた。
思ってもみない原田の行為に千鶴は瞬きすら忘れてそのまま、なされるがまま原田の顔を見上げていた。


「せめて襖は閉めろ。いくら男のカッコしたってお前は女なんだ。誰が見るとも限らねぇだろ」

そう言うと原田はその指で襟元を締めてやる。
寝ていた千鶴の、少し開いた合わせからは女の華奢な鎖骨が見えていたのだ。
原田が自分を心配してくれていたのを知り、千鶴はようやく緊張を緩めて原田を見上げた。

「ありがとうございます。・・・でも、皆さん島原でも綺麗な方を沢山ご存知ですから今更わた・・し・・・」

千鶴の声は小さく消える。その強い瞳に射抜かれて。


無自覚につける薬はない。
いつだったか、誰だったか。そんな言葉が脳裏に浮かぶ。

あまりに無防備、そのうえ無自覚。
ここにいる経緯さえもう忘れたのか、心底自分達を信用して、信頼して・・・。

触れる。
けれどそれだけじゃ、千鶴は気がつかない。
自分を見る男の目に。それがいくつもあることを。


兄貴の手じゃなく、男の手で千鶴を引き寄せた。
肩じゃない。細い腰を。膝で足を割り。
とっさの事に千鶴の目が驚き、見開かれる。


「お前を男だと思ってるヤツなんて、ここにはいない」


言い聞かせるように、原田の言葉は千鶴に届いて--決して忘れることのないように、千鶴の唇に閉じ込めた。


カット269


逃げることも叫ぶことも出来なかった。
自分と原田の間に挟まれた腕でその胸を押すことも。

きつく、乱暴に引き寄せられたのに、腰を抱く腕は優しく千鶴を守っていたから。


千鶴の手が少し緩む。
それを感じて原田は壁に付いていた拳を強く結んだ。

-FIN-
  1. 2013/07/13(土) 22:16:23|
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