皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「勝利の女神」

BlueRedIce」の香西香住さんから、今回は新千キスにSSです^^
 
香住さんってば、他の人が手を出さないキャラにお話をつけてくれますよねw
すっごく嬉しいです^^
新八さんなんて、キス絵のリクエストすらなかったのに~www

今回はコメディにならないように、頑張ったお話だそうですが、
微妙にそっち方面へ流れているようなのは、やっぱり新八っつぁんのキャラのせい? www


そんな楽しい新千キスSS、続きからどうぞ

挿絵は2枚とも作者の香住さんに進呈します♪
他の方のお持ち帰りはなしでお願いしますね。




勝利の女神


「永倉さん!」

銃で撃たれた永倉さんに慌てて駆け寄る。

「永倉さん!永倉さん!大丈夫ですか!?」

傷を看ながら彼に声をかける。

「…千鶴ちゃん?ああ、大丈夫…掠っただけだ」

彼は上半身を起こし、何時もの様に微笑んでくれる。

「良かった…」

その笑顔に肩の力が抜ける。勿論、血が流れている訳だし、安心はしてられないのだけど。

カット293勝利の女神


「そんな顔すんなって。俺は大丈夫だから」

何時もの優しい笑顔で何時の間にか流れていた涙を指で拭ってくれる。
掠っただけとは言え、悲鳴をあげる程痛いはずなのに。

「千鶴ちゃんは笑顔が一番可愛いんだからさ。笑ってろって」
「こんな時に笑っていられる程私の神経は図太くありません!」
「いや、千鶴ちゃんは自分が思っているよりずっと神経太いと思うぜ?命が掛かっているとは言え、俺達とこんな長い間一緒に居られるんだからよ。普通の女の子ならとっくに挫けてると思うぜ」
「それは……」

否定は出来ない。

「でも!皆さん良くして下さりますから!…それなのに、私はこんな時何も出来なくて…申し訳ないです」
「いや、何もってこたぁねぇだろ」

永倉さんは私の頭を撫でながら微笑んでくれた。

「…え?」
「俺は、千鶴ちゃんが可愛いんだ。妹みてぇに思ってる」
「…私も永倉さんを兄様の様にお慕いしています」

それこそ、実の兄の薫よりも新選組の人達を兄の様に慕っている。共に過ごして来た年月と言うものもあるけれど。

「そんでもってさ、千鶴ちゃんは結構泣き虫だろう?」
「…そうでしょうか?」
「おう。俺達幹部の誰かが死んだら絶対泣く」
「当たり前です!縁起でも無い事言わないで下さい!」
「で、さ。俺としては可愛い妹分の泣き顔なんざ見たくねぇわけ」
「はぁ…」

永倉さんのお話は時々妙に難しい。

「と、なれば、絶対生きて帰ってやる!って気になるわけだ。千鶴ちゃんは存在するだけで俺に力を与えてくれる。すげーと思うぜ」
「永倉さん…」

私の方こそ彼の明るさに何度救われて来た事だろう。

「ありがとうございます、永倉さん」
「あれだな、千鶴ちゃんは正に俺の『勝利の女神』ってやつだな」
「そんな…」

勝利の女神どころか不幸を齎(もたら)す女鬼だと言うのに。

「なら、そうか…なぁ、千鶴ちゃん、頼みがあるんだけどさ」

頼み!?

「はい!私に出来る事ならなんなりと!」
「接吻していいか?」
「はい!勿論です!…って、えっ?」
「ありがとう。んじゃ、遠慮無く」

言われた内容を反芻する前に唇を奪われた。
カット277


「よし。これで俺は負けねぇ!」
「あ、あ、あの、あの、なが、永倉さ…」

一応了解してしまった形になったけど、これは、私の初めての接吻なわけで…嫌な訳ではないけど、堪らなく恥ずかしい。

「勝利の女神の口付けは勝利を齎すって言うだろ?だから俺は絶対に負けねぇ」

いつもと同じ様に微笑まれる。

言いますっけ?

だけど……。

永倉さんの笑顔には敵わないなぁ……。

釣られて私まで笑ってしまう。

いいや。
永倉さんがそれで勝てるのなら口付けなんか幾らでもあげよう。

「あ。でも、今の口付けは本当に効果があるかも知れませんね」
「あるに決まってるだろ?勝利の女神の口付けなんだからさ!」
「いえ、私が勝利の女神かどうかはともかく、一生に一度の初めての口付けなら、それなりの効果はありそうじゃないですか」

ふふっと笑いながら説明すると永倉さんは一気に顔色を悪くされた。

「な、永倉さん、大丈夫ですか!?お顔色が…あ、血を流し過ぎました!?」
「悪い!千鶴ちゃん!」

一応止血したはずだけど、まだ駄目だったかともう一度傷口を確認しようとした瞬間、土下座をされた。

ええぇぇぇぇぇ!?

「な、な、永倉さん!?」

この人、一応怪我人なんですけど!?

「すまねぇ!千鶴ちゃん!俺は、俺は、口付けもまだな初心な嫁入り前の女の子に何て事を!初めての接吻をこんな形で奪っちまうなんて!」
「い、良いんですから!頭と言うか、身体を上げて下さい!お身体に障ります!」
「いや!良くねぇ!俺は、一体どうすりゃ良いんだ!ここは責任を取って切腹を!」
「しないで下さい!泣きますよ!」
「そいつぁ困る」
「でしょう?責任を取ってくださると言うならば私を娶(めと)って下さい」

切腹されるよりずっと良い。
「千鶴ちゃんを娶る位なら死ぬ」とか言われたら立ち直れないかも知れないけれど。

「…成程。確かにそういう責任の取り方もあるな」

呆気に取られた様な表情で見つめて来る彼が歳上の方なのに可愛らしくて自然に微笑みが溢れる。

「勿論、永倉さんが私の様な女鬼でも宜しければ、のお話ですけど。ある意味切腹などより過酷な罰かも知れませんよ?」
「いや!千鶴ちゃんみてぇな可愛くて料理が上手い子が嫁さんになってくれんなら俺は果報者だが、その、千鶴ちゃんは俺みたいな男が旦那で良いのか?」
「勿論、永倉さんの様に優しくて頼り甲斐があって、逞しい方が旦那様なら私も幸せ者です!」
「そっか!」

本心から伝えると、永倉さんは太陽の様な笑顔を見せてくれ、私を抱き締めてくれた。

「そうなりゃ、尚更死ねねぇな。この時代を生き抜いて、千鶴ちゃんの笑顔を護る!」
「はい、信じてます」

私は温かい彼の腕の中で瞳を閉じた。幸せな未来を祈りながらー……。



END
  1. 2013/07/04(木) 13:27:54|
  2. Kissシリーズ
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コメント

この新八さん、すてき!

この新八さんなら、攻略したいっ!!って思っちゃいましたw
いや、最初(プレイ前)はなんで新八さんは攻略キャラじゃないのかな~と不思議に思ってたんですが、後から「こういうキャラだからかw!」と納得したものです。
が、やっぱり「ちょっと抜けてる所もあるけど、やるときはやるんだぜ!」っていうお兄さんキャラはいてもいいですよね♪
香西さんとちょこさんの作り上げた新八さんが明るく優しげでとても素敵でした~。ちょっと積極的な千鶴ちゃんも新鮮でいいですね♪
素敵なお話、ごちそうになりました~(*^-^)
  1. 2013/07/07(日) 01:28:55 |
  2. URL |
  3. ゆゆき #-
  4. [ 編集 ]

ゆゆき様♪

本来は新八さんって結構なインテリなんですよね。
それにあの寄せ集めの新選組の中でも、ちゃんとした武家の出の人で。
なのにゲームではあの扱いw 確かに不思議ですよねー
でも史実では、最後まで本人が生きた記録が残っているから、こうしたのかなあ、と。
ま、こういう場をなごませるキャラはいなくてはいけませんしねw
こんな素敵な新八さんを創造したのは、今回は香住さんの力。
それを皆に紹介できたのがとても嬉しいです。楽しんで頂けたなら、なおのこと♪
嬉しいコメント、ありがとうございました^^
  1. 2013/07/07(日) 08:26:58 |
  2. URL |
  3. ちょこ #-
  4. [ 編集 ]

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