皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「原田家の日常 ✿End of 斎藤Ver 3✿ うさぎりんご」

本日は朝っぱらから、県内一斉避難訓練で町内会に参加―――咳と頭痛がぶり返し、その上寒気がしてきたので、その後の子供会もちつき大会はパス;
しかし、今夜はこれから町内会合があるんだけど…どーしよー(-_-;)
来週は神社の掃除もあるし、年末から新年に向けての他の行事の説明もあるだろうから、出た方がいいのはわかってるけど……やれやれ…

風邪がぶりかえさない事を祈るのみですな(´-д-)-3


で、その最中、前回の風邪っぴきのお見舞いにもらったSSを、やっとUP!

ガーターリングトス話から、一君とその後のお話を「桜夢記」のロカさんが続けて書いてくれました♪
歳の差婚が流行りの現在、もう結婚しちゃえ!とは思っても、良識派の一君には無理かな~
今はちっちゃい女の子に振り回される周囲の皆さんの話に、ほのぼのさせてもらってます。
ロカさん、風邪でヘロヘロしている私に、癒しの一時を下さってありがとうございます^^
挿絵はいつも通り、ロカさんに進呈いたします。

では、本家でもう既に読まれた方も、私のヘタな挿絵と共に、再度続きからどうぞ♪


原田家の日常

✿End of 斎藤Ver 3✿

うさぎりんご






 コンコン、千雪が真っ赤な顔で苦しそうに咳き込んでいた。

 通っている保育園で流行っている風邪に御多分にもれず、千雪も風邪を貰って来たのだ。インフルエンザでなく、ただの流感であることが幸いだが、どうも朝晩に冷え込みに咳が出る。熱も高く、咽喉が痛むのだろう。普段ならば好んで食べるパン粥も、一口、二口で匙を置いてしまう。

「母様……、のど、いたい……」

 自分でもどうしたら良いのか、わからないのだろう。ほんの少し涙眼で訴えかけてくる。

「いい子ね、ゆきちゃん。もう少ししたらおクスリがきいて、痛くなくなるから……」

 ベッドの上で一人寝かしていることも忍びなくて、千雪はすっぽりともこもの羽布団にくるまれて千鶴に抱っこされていた。その額には冷えピタが張られている。

 そんな千雪をもっと小さな赤ん坊だった時のように、優しく抱きしめながら千鶴が柔らかく答えを返した。

「あと五つ……」

 ちいさな紅葉の手を開いて確かめる仕草に胸が痛んだ。

「それよりもう少し、ね」

 子供は答えに明確さを求めてくる。だが、それに確実な答えなどない。

「………」

 千鶴の言葉にそれでなくても涙眼の千雪の瞳にみるみる涙が盛り上がってきた。それをお気に入りのハンドタオルで拭ってやる。千雪の大好きなうさぎ柄だ。はじめちゃんが千雪にうさぎのぬいぐるみを買ってきてからうさぎが大のお気に入りなのだ。

「ごめんね、ゆきちゃん。もう少しだけ我慢してね」

 ギュと抱きしめると、千鶴が思っているよりも体温が高い。解熱剤を使うことに躊躇いはあるが、このまま高くなるようならば父である綱道に相談して座薬を使うことも考えなくてはならないだろう。

 体調不良というのは大人だって辛いものだ。ましてや千雪はまだ三歳だ。しんどさを言葉では充分に伝えきれないだろう。

「ごめんなさいね、母様が代わって上げられれば良いのに……」

 小さな言葉は炭酸水のように微かに弾けて消えた。



「ゆきちゃんが風邪をひいた!?」

 沖田は薫を押し倒さんばかりの勢いで確認した。

「そう、保育園で風邪をもらって来たんだよ」

「そんな大事に、なんで薫伯父さんは試衛館にいるのさ!」

「伯父さん。言うな。俺は千雪の伯父で沖田の伯父じゃない!」

 いつものお約束のようなやり取りも薫の方がどこか精彩を欠いていた。

「俺も出禁なんだよ。様子見に行けば、千雪の奴、熱があっても遊びたがるだろう」

 確かにと頷く近藤以下の面々。子供というのはそう云うところがある。そしてこじらせたりしては大変だ。そうして、そう云われてみれば、いつもならばそろそろ道場に姿を見せる原田が一向に現れない。

「親父の話じゃ、単なる風邪だから神経質になることはないってことなんだけど……。熱が高いからなぁ。かといって、千鶴もあんまり解熱剤使いたくないだろうし」

 さすが医者を志す破目になっただけあって、薫の眼がいつになく真剣だった。



「千鶴、ゆきの具合はどうだ?」

 千雪を抱いたまま、うたた寝をしてしまっていたのだろう。気が付くと原田が千鶴と千雪を覗き込むようにしていた。

「お帰りなさい。ごめんなさい、気が付かないで……」

 既に着替え終わっている所を見ると帰ってからそれなりに時間が経っているようだ。

「いいって! お前も碌に眠っていないんだから、今晩は俺と交代して少し休め!」

「でも……」

 と言いかけて、今夜の夕食の支度もしていなかったことに気が付いた。

「夕飯だったら、煮込みうどんが出来ているから、それで良いか?」

 千鶴の表情で気が付いたのだろう。原田がなんてことのないように言葉を続けた。

 道理で出汁の良い匂いがしているわけだ。それにうどんなら千雪も食べることが出来る。

「左乃助さん、ありがとうございます」

「礼なら、斎藤にいうんだな。今夜の夕飯を作ってくれたのはあいつだからな」

 その言葉に千鶴は言葉を失った。そしてシステムキッチンを覗きこむと原田のエプロンを身につけてかいがいしく台所で夕食の準備に余念のない斎藤の姿があった。



 人様の家の台所に勝手に入り込むと云うのはいかかしたものかと、と斎藤は思っていた。左乃からゆきが熱を出して寝込んでいると連絡を受けた時やはり気にならずには居られなかった。せめて見舞いをと思って左乃に斎藤から再度連絡を取ると迎えに行くと云う返事をもらった。

 斎藤の職場まで車で迎えに来てくれた左乃は千鶴に頼まれた夕食の買い物を済ませると云う。それに同行して、買い物に付き合い、何ゆえか原田家の台所で煮込みうどんを作る羽目になっていた。

「いや、これもゆきや千鶴の役に立つと思えば……」

 てきぱきと手を動かしながら、斎藤は一人ごちた。



「ゆきちゃん、おっき出来る?」

 夕食の支度が整い、千鶴が腕の中の千雪に問いかけると、小さく頭を振った。薬よりも口から栄養を取ってくれるのが一番なのだが……。熱で身体がしんどいのだろう。斎藤が原田家に来た時には斎藤の膝の上が千雪の定位置なのに、今日は母親である千鶴にべったりだ。

 それに幾分寂しさを感じながら、

「ゆき、少しで良いから、食せ。食べれば元気が出てくる」

 と斎藤は声をかけてみるが、それにも千雪はあまり良い感触は帰ってこない。

「ゆき、あたまいたい……」

「おうどんを頂いたら、おクスリ呑みましょうね。そうすれば、痛いのとれるから。はじめちゃんがゆきちゃんの為に作ってくれたのよ。美味しそうね」

 そう優しく促してみるが、千雪は小さく千鶴の胸の中でぐずりだした。

 やはり熱が高いのだ。その様子に原田が、

「雪村のお義父さんに相談してみるか?」

 と提案する。

「そう、ですね……」

 そんな原田夫妻のやり取りを聞きながら斎藤はエプロンをつけたまま、再度台所に入って行った。そこには見舞いとして斎藤が購入してきたリンゴがある。千雪の好物だ。

 勝手を承知で、下ろし金を取り出すと一つのリンゴの半分すり下ろす。そうして残った半分でうさぎリンゴを二匹作って居間へと戻った。

「斎藤さん……」

 斎藤の手にしたもの眼にして、千鶴はありがたさに胸がいっぱいになった。

「ゆき。いま俺が捕まえてきたうさぎだ。これとリンゴをすりおろしたものなら食べられないか?」

「はじめちゃんが、捕まえたの?」

 一瞬、千雪の意識が若干うさぎというには不格好なリンゴうさぎに移る。

「なかなかにすばしこかったが、なんとか捕まえた。もう逃げ出さぬとは思わぬが、早く食さねば、また逃げ出してしまうかもしれぬ」

 さすが! と同時に思う原田と千鶴であった。

「うん。ゆき、食べる……」

 そうして、いつものように斎藤の腕の中にすっぽりと千雪の小さな身体が収まった。こうして自分の腕の中に収まると思っていた以上に千雪の体温が高い。千鶴から上掛けを受け取って、千雪の身体をクルンとくるんでやると少しずつすりおろしたリンゴを口元に運んでやる。

 半分ほど食べると、うさぎさんを食べる、と千雪が言うのでうさぎリンゴを手渡してやった。それも半分ほどなんとか食べ終わると、ごちそうさまでした、と律儀な返事が返ってきた。

「いい子だな、ゆきは……」

 ふんわりと斎藤が抱きしめると、やっと千雪の頬に笑みが戻った。
カット200



「ねぇ、一君さぁ、今日は道場に来られるって言ってたよね」

 ひとしきりの打ち合いが終わると、沖田が原田だけではなく斎藤の姿が見えないことに気が付いた。

「仕事、いそがしいんだろ。もうしばらくしたら来るんじゃねぇの」

 面を外して、汗を拭きながら藤堂が応える。その一瞬で、沖田と薫が同時に呟いた。

「「嫌な気がする!!」」

「またか、おめらは! 斎藤がえらく忙しいのは知ってんだろ! くだらないこと気にしてる暇があったら、もっと身を入れて練習しやがれ!!」

 そんな沖田と薫に土方の一喝が落ちる。

 それに渋々と従いながら、薫と沖田はこんなことを考えていた。

―ほんとに仕事かぁ、まさか千雪のところなんて……???

―さすがにゆきちゃんとこに行ってるなんてことないよねぇ。

 相手が千雪になっただけで、この二人の行動規範は全く変わっていない。

 そうして、知らない方が幸福なこともあるのだ。



「斎藤さんにご迷惑をかけてしまいましたね」

 あれから千雪は大人しく薬を呑んで、寝付くまで斎藤に抱っこされたままであった。眠ってしまった子供は重いし、熱のせいで時折ぐずるのも優しくあやしてしっかり寝付くまで斎藤は千雪の傍にいてくれた。そうしているうちに落ちついたのか、熱も下がり始めた。そうして千雪に気づかれぬうちに斎藤は原田家を辞したのだった。

「こりゃ、やっぱりゆきの婿さんは斎藤で決定だな」

「え、えー。そんな、ゆきちゃんは三つですよ?」

「まぁ、そりゃおいとくとしても……。」

 けどな、と原田は心の中で呟いた。

 ゆきがどんな奴を選ぼうとも、そこに幸福があればそれでいい。

 親の願いなんて、単純にして明確だ。

 千鶴が自分を選んでくれたように、いつかは千雪が誰かを選ぶ日は必ずやってくる。その相手が小さな我が子を幸福にしてくれるのならば、それ以上のことは望むまい。

 そうして気が付くと、隣で話をしていたはずの千鶴が船を漕いでいた。

「お疲れさん」

 そうして千鶴を抱き上げると、原田は小さく呟いた。

おしまい
  1. 2012/12/02(日) 17:45:08|
  2. 頂きもの
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  4. | コメント:2
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  1. 2012/12/02(日) 21:18:22 |
  2. |
  3. #
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みゃう様♪

昨夜は会合終了ののち、すぐさま布団に潜り込みましたw
おかげさまで、何とかしのげたようですv これから気忙しい時期になるというのに、またぶり返したらたまりませんものね; 今朝はほっとして起きられました^^
ロカさんの一君ver.の原田家シリーズ、思わぬ成り行きで続いているようですが、読ませてもらっているこちらとしては嬉しい限りですよね♪
このシリーズの挿絵を描くと、一君の顔がやたら甘くなってしまう程、私も大好きです。
ホントこのままずずーっと続いて、歳の差婚しちゃえ!と、言い続けているんですがw千雪ちゃんがお年頃になるまで一君が独り者、というのも健康男子に何か可哀想な気も…ww
今後ロカさんが素敵にこの話を料理して下さると嬉しいんですがね。一緒に楽しみにしましょう^^
  1. 2012/12/03(月) 12:54:19 |
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  3. ちょこ #-
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