皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「手当て」

桜日記帳」の千砂様から、またまた頂き物です^^


新作さのちづSSを読んで、『これの原田さん視点を読んでみたいな~』と一言漏らしたら、ソッコーで書いて下さいました(^o^)/
ありがとうございます!

うちではまずありえない甘い原田さんw
先日別の方から、『たまには幸せな原田さんも描いて』と言われたんですが、私には当分無理かも…;
こうして他力本願で消化するしかないみたいですね。すいません^^;

そんな暖かい原千、いつものごとく私の挿絵付きでよろしければ、続きからどうぞ。

本家には千鶴視点のお話もあります。
マナーを守ってご訪問の上、是非読んでみて下さい♪




手当て (原田ver.) 




夕べのことだった。

俺は厠に行こうと夜中部屋から出て、千鶴の部屋の前を通り過ぎようとした時、千鶴の部屋から辛そうな声が聞こえてきた。

「ううっ・・・お腹が痛い・・・」

と。何か悪い物でも食ったか、と思ったが、夕餉でそれらしき物はなかったはずだ。
心配になって声をかけようかとも思ったが、夜中に声をかけられたらびっくりさせちまうから止めておいた。
それに、一つだけ心当たりがあった。
・・・そろそろお馬の頃じゃないだろうか、と。
なんで俺がそんなことを知っているかというと、
誰も気づいてねえみてえだが、お馬が近くなると千鶴の額には小さなできものができる。
そしてお馬がくると自然と治るんだ。
毎日千鶴の顔を見ているからそれが周期的なものということにすぐ気づいた。
・・・片恋の相手のことは何でも分かっておきたいからな。

部屋からはまだ千鶴の唸り声が聞こえてくる。
明日の朝、もう一度来て様子を窺うことにするか・・・

俺は千鶴に気づかれねえように部屋を通り過ぎ、用を足してから自室へ戻った。

*****

朝。

俺は千鶴が心配でいつも起きる時間よりちょっと早めに部屋を出て、千鶴の部屋の前に来た。
廊下から千鶴に声をかけてみる。
千鶴は起きてた、というより、寝られなかったんだろうな、すぐに返事が返ってきた。
突然の俺の訪問に慌てているのが障子越しに分かる。
仕度ができたのか、

「ど、どうぞ!!」

と言われた。
俺は千鶴に頼みたいことがあると理由をつけて部屋に入った。

・・・頼みたいことなんか、ほんとは何もないんだけどな。

おはようさん、と声をかけてから千鶴の顔をよく見てみた。
やっぱり顔色が悪いな。
千鶴に今日は一日寝ていろ、と言ったら
「大丈夫ですから!」と言って勢いよく立ち上がるじゃねえか。
そりゃ無理だろ、と思ったら案の定、フラついて畳に倒れ込みそうになりやがった。
俺は慌てて千鶴の体を支えた。
千鶴に無理せず寝ていろ、と伝え、千鶴の分の朝飯を取りに皆が集まっている広間に向かった。

*****

広間ではいつも通り、新八と平助がおかずを巡って大騒ぎしてやがった。
俺は土方さんに千鶴が具合悪そうだから今日は休ませてやってくれ、と頼んだ。
そしたら土方さんは

「千鶴、具合が悪いのか。昨日は元気にしていたけどな。」

と言われた。
その時、横から総司が

「土方さん、千鶴ちゃんは女の子ですからね。具合の悪い時もあるんじゃないですか。」

と、したり顔で言いやがった。

・・・ちっ、総司も気づいてやがったか。

それを言われて土方さんも分かったらしく、

「ああ、アレか。じゃあ仕方ねえな。今日はゆっくり休めと言っておいてくれ。」

と千鶴の休みを承諾してくれた。

「ありがとな、土方さん。」

と、礼を言ってから自分の朝飯をかき込んで、
千鶴の膳を持って広間を出ようとした時、思い出した。
今日の非番は誰だ、と。
そいつと非番を代わって貰って今日は一日千鶴に付いててやろうと思いついた。

「なあ、今日の非番って誰だ。」

「僕だけど。」

・・・ちっ、また総司かよ。

「総司、悪りぃけど、俺と非番を代わってくれねえか。」

「左之さん、理由が見え見えなんですけど。」

「頼む、総司、この通りだ!」

「・・・仕方ないな、今回だけは譲ってあげますよ。」

「ありがとな、総司」

「・・・左之さん、千鶴ちゃんを狙っているのは左之さんだけじゃないってことをお忘れなく。」

そう言い残して総司は膳を下げに勝手場に向かってしまった。
・・・やっぱり総司も千鶴のことを好いていたか。そんな気はしていたが・・・
今日のところは借りが出来ちまったな。
まっいいか。総司に取られる前に俺のものにしちまえばいいわけだし。
とりあえず、これを持って行ってやらねえとな。

俺は千鶴の膳を持って広間を後にした。

*****

千鶴の部屋へ戻ると俺に言われた通りに布団の中で、千鶴は申し訳なさそうに横になっていた。
千鶴に今日は一日俺が傍についててやる、と言ったら隊務のことを聞かれたので
非番だ、と告げたら

「原田さんこそ体を休めて下さい。」

と俺の体のことを心配してきた。

こういうところがいい女だな、と思うんだよな。

俺は

「俺が千鶴の傍にいたいんだよ。」

と告げたら真っ赤になってたな。
千鶴は俯き加減で

「原田さんがそれでいいのでしたら・・・」

なんて答えやがる。


お前、可愛すぎるだろ。


とりあえず朝飯を食べるように勧め、食べ終わったのを見て勝手場に膳を戻しに向かった。


勝手場から戻ってきたら千鶴は寝ていた。
少しの間はこれで痛みを忘れられるか・・・

千鶴の髪をそっと撫でながら、千鶴の額に口づけた。

*****

暫くして、

「ううっ、今度は腰まで痛い・・・」

と言って千鶴が目覚めた。
お馬の痛みは男にはわからねえが、相当しんどそうだな。
千鶴に「まだ痛むのか?」と尋ねれば「だ、大丈夫です。」と気丈に答えやがる。

千鶴、俺の前では無理しなくていいんだよ。

その時、前に島原の女たちから聞いた話を思い出した。

『原田はん、『手当て』って言葉、何で『手当て』なのか、分かりはりますか?』
『いや、分からねえが』
『こうして痛いところに手を当ててやると痛みが和らいだように思えるんどす。人の、心の温かさが伝わるからなんどすやろけど、ええ言葉やと思わはりませんか?』

・・・千鶴にも『手当て』してやったら楽になるんじゃねえだろうか。

そう思って千鶴に横向きに寝るように促した。
千鶴は素直に横向きになったので
俺は千鶴の背中から千鶴の体を包み込むように抱きしめた。
痛がっている腰には俺の腹が、千鶴の腹には俺の両腕を回して温めてやる。
最初はかなり動揺していた千鶴だが暫くすると

「・・・少し楽になってきた気がします。」

と言ってくれた。

・・・よかった。

そのまま千鶴を抱きしめていたら千鶴がウトウトし始めた。

このまま俺の腕の中で寝ちまえよ・・・

そう思った俺は

「千鶴、おやすみ」

そう囁いて、千鶴のこめかみに唇を落とした。
それを合図のように、千鶴は深い眠りに入っていったみたいだった。


千鶴、いつでも俺を頼れよ。
他のヤツにはこんなことさせるなよ。
俺がいつでもお前を包んでやるからな。
体も、心も、な。

手当て

【了】
  1. 2012/11/01(木) 23:09:28|
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