皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「左之さんと避暑」

はい! また頂き物です^^

テール×テール」のドラキョン様から♪ 
先日の原田さんの生足&暑気払いイラストに、SSを頂いてしまいましたー(^o^)/

自分で描いておいて何ですが
どっかでこのシチュエーション見た気がする…と思っていたら、以前「テール×テール」様で読んでいたんですねw
それが頭に残っていて、似たような構図の絵を描いたみたい。
なのに、わざわざ私の絵のそのシーンも付け加えた上で、このSSを下さったドラキョン様には感謝を。

いつも通り、おまけ絵もつけさせてもらって―――

今の残暑にしばしの涼風を、続きからどうぞ感じて下さい^^


左之さんと避暑


町外れの小さな神社の裏手にまわると、ひっそりと流れる小川があった。
此処は、人目につきにくい上、木が適度に茂っていて、涼しいのだ。
以前巡察途中に見つけ、時折涼を求めて、一人で来ている場所だった。
静かなのも気に入っていて、独りになりてぇ時にも、来ていた。
俺のとっておきの場所に、どうしても一緒に来たくて、
屯所で暑い中、けなげに働く千鶴を連れ出してきたのだった。
「どうだ?」
「わぁ、涼しいです。小川の水も冷たくて気持ちがいいです。」
川辺を行ったり来たりしながら、川の中に手を浸し、
童女のようにはしゃぐ千鶴を、目を細めて眺める。
やっぱり暑かったんだな。連れて来てやって正解だったぜ。
はしゃぐ千鶴につられるように、俺も袴をまくり上げ、小川の中に進むと、
千鶴に水しぶきをかけた。
「きゃっ、は、原田さん、冷たいですっ。」
水滴を頬に飾り、ふくれっ面をして見せても、全然怖くねぇぞ。
悪びれる様子もなく笑う俺に、本気で怒っていない千鶴が、
いつまでもふくれっ面をしているわけもなく・・・。
いたずらっ子のような笑みを浮かべ、
「原田さん、仕返しですっ。」
そう言って、俺に水をかけてきた。
「おっ、千鶴。俺にやり返すなんて、
返り討ちにされる覚悟はあるんだろうな。」
水際の千鶴と、小川の中の俺。
どちらに分があるかなんて、考えるまでもねえ。
ワイワイ、きゃあきゃあ言いながら水を掛け合ってしばらくした時、
「きゃあっ・・・。」
つい調子に乗りすぎて、千鶴の顔に思いっきり水をかけちまった。
髪から水を滴らせ、俯いてしまった千鶴の様子を心配して近寄ると、
「隙ありです。」
ピュッ。
千鶴は、とびっきりの笑顔で俺の顔めがけて、水を飛ばしてきた。
思わぬ不意打ちに、俺は目をつむった拍子、体が傾いて
片膝をついちまった。
「あっ、原田さん、ごめんなさい。大丈夫でしたか?
私楽しくって、羽目を外しすぎてしまいました。」
慌てたように俺を覗き込む千鶴に、
「隙あり。」
おでこを指ではじいてやった。
驚いたように額を抑え、固まる千鶴の姿がおかしくて、
俺は大笑いした。
「むううっ。心配したのに…。」
膨れていた千鶴だったが、笑い続ける俺につられるように、
コロコロ笑い出した。


カット156

ひとしきり笑った後、千鶴が申し訳なさそうに、
「でも、原田さん、びしょ濡れになってしまいましたね。」
つぶやくので、頭に手を乗せ、
「気にすんな。この陽気なら、帰るころまでにゃ乾いちまうから。」
濡れた袴を絞りながら、岸へ上がると、
「それよりもほら、千鶴。せっかく人目のねぇ所へ来たんだから、
川ん中に入ってみな。
大丈夫だ。俺が誰もこねぇように、見張っててやるから。」
そう言って、川に背を向けてやれば、背後で千鶴がそっと
川の中に足を入れる気配がする。
袴を濡らさぬようゆっくり歩く水音がする。
「千鶴、気持ち良いか?」
「はいっ。こんな気持ちのいい場所に連れて来ていただき、
ありがとうございます。
とっても楽しかったです。
もう上がりますね。キャッ。」
水音が大きくなったなと思った時、聞こえた千鶴の悲鳴に
とっさに手を伸ばし、抱き寄せる。


カット163


間一髪、びしょ濡れになる前に受け止めることが出来た。
偶然とはいえ、惚れている女を腕の中に閉じ込めた。
此処だけが、ぽっかりと切り離されたみてぇだ。
離したくねぇな。無意識のうちに、腕に力が篭る。
どれ位の時間閉じ込めていたのか・・・。
そんな俺の気持ちなんざ気付きもしねぇで、
「わっ、あ、ありがとうございました。は、原田さん?」
真っ赤になり、慌てて俺との距離をとる千鶴。
「そんなに慌てて離れるこたぁ、ねぇだろ?大丈夫だったか?」
努めてさり気なく、問いかける。
閉じ込めた千鶴の柔らかさに、心躍らせていたなんて、
知らせる訳にゃぁいかねぇ。
「ご心配お掛けしました。川底で滑ってしまいました。」
頭を下げて、俺の隣に腰掛ける。
信頼しすぎだ。こんなに危険な男の隣だっていうのによ。
水に濡れた素足を手ぬぐいで、丁寧に拭いていく千鶴。
俺は、千鶴の白く華奢な足から目が離せなくなっちまった。
明らかに男とは違う、その白い足の艶めかしさに、俺はクラクラした。
理性を総動員して、千鶴の足から無理やり視線を外そうとした時、
目の端に鮮やかな赤が飛び込んできた。
考えるより先に、俺は千鶴の足に手を伸ばしていた。
「千鶴、ちょっと足見せてみろ。此処怪我してんじゃねぇか。」
恥ずかしがって、足を引っ込めようとする千鶴を、体ごと引き寄せる。
「大丈夫ですよ。かすり傷ですし、
ほらっ、もう血も止まりかけていますから。」
「馬鹿野郎。かすり傷だって悪くすりゃあ、命にかかわることがあるって、
いつも俺達に言っているのは、お前だろうが。自分を蔑ろにしてんじゃねぇ。」
俺の剣幕に驚いている千鶴を待たせて、神社の井戸で手ぬぐいを濡らして渡す。
「原田さん、ありがとうございます。
ちょうど薬を持っていたので、塗っておきますね。
本気で心配していただいて嬉しかったです。」
にっこり笑って告げられた最後の言葉は小さくて、
残念ながら俺の耳には届かなかった。
「すまなかったな。俺が考えなしに、こんなところ連れてきちまってよ。
お前の綺麗な足に傷が残んなきゃいいが・・・。」
「謝らないでください。私は、うれしかったですよ。
原田さんが、私を原田さんだけの秘密の場所に連れて来て下さって。
こうして涼むこともできましたから。
私のほうこそ、ご迷惑をおかけしてしまって・・・。」
こんな時ぐれぇ、甘えてくれてもいいのによ。
まぁ、そんな所もひっくるめて、千鶴なんだがな。
「今日のところは、これで手打ちとしようぜ。きりがねぇ。
もし、千鶴さえよかったら、またここへ一緒に来ちゃくれねぇか?
もちろん、皆には内緒でよ。」
千鶴に気を使わせねぇように、何でもないようなふりをして提案してみる。
「えっ、いいんですか?嬉しいです。二人だけの秘密ですね。
私、皆さんには絶対に言いません。また連れて来て下さいね。」
嬉しそうに答えてくれる。
この約束を取り付けられただけでも、今日は良しとするか。
脈がねぇ訳じゃなさそうだ。
時間をかけて、距離が近づいていけば・・・きっと。
「じゃあ、お前の分は、おいしい夕飯を食わせてくれることで、
手を打つっていうのでどうだ?」
「はいっ。とびっきりおいしい夕飯をご用意しますね。
何かご希望はありますか?」
「お前が作ってくれりゃ、何でもいいぜ。
おーし、そうと決まれば、急いで帰らねぇとな。
あの二人に任せておいたら、夜の間に餓死者が出ちまうぞ。」
そう言って、二人で駆け出した。


  1. 2012/08/30(木) 18:35:00|
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