皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「宵山」

はい、また頂きもののUPとなります^^

桜日記帳」の千砂様から、リンク記念。
屯所時代で原千の甘々話を、という私のリクに応えて頂きましたー


千鶴視点、という、いかにも女の子らしい文体で、全体的に桜色がかってみえるのは私だけでしょうかw
本当にかわいらしいお話、ありがとうございました^^

そしてまたまた勝手に挿絵をつけて―――
続きからどうぞ♪


宵山



コンチキチン  コンチキチン



今日は7月16日。
祇園祭の宵山です。

原田さんと私は内緒で屯所を抜け出しました。
どうして内緒かというと・・・私たち、あの、その・・・ほんの少し前に、お互いの気持ちを確かめ合ったばかりなんです・・・ (は、恥ずかしい・・・///)
まだ皆さんには内緒にしてあって・・・あ、でも今日屯所の門の所で原田さんと待ち合わせしていたら土方さんに見つかってしまいました。
何か言われると思い、冷や冷やしながら土方さんを見上げたら


「・・・俺は何も見てねえよ。・・・門限までには帰ってこいよ。」


そうボソリと呟いて、自室に戻られてしまいました。
・・・これって、見逃してもらえたのよね?


「・・・鬼の副長が今晩は仏様に見えたな・・・」

「原田さん!ダメですよ、せっかくああ仰って下さったのに。」

「まっ、そうだな。せっかくの恩を無駄にしないように、行くか、千鶴。」

「はい!」


こうして私たちは上手く(?)屯所を抜け出しました。


*****


「千鶴、山鉾を見に行く前に寄って欲しいところがあるんだ。」

「千鶴、山鉾を見に行く前に寄って欲しいところがあるんだ。」

「はい?どこでしょう?」

「付いて来れば分かる。」

それだけ言うと、原田さんは私の前をスタスタと歩き出しました。
私は遅れないように、その後を小走りに付いていきます。

少しして、目的の場所に到着したのか、原田さんの歩みが一軒のお茶屋さんの前で止まりました。

「原田さん、お茶屋さんに何か御用ですか?」

「ん。―――御免下さい。」

と、原田さんが玄関で声を出すと、奥から女の人が現れました。

「はい―――あ、原田はん、いつもおおきに。」

「毎度。今日はこの前話したことを頼みに来たんだが。」

「へえ、女将さんから伺うてます。お連れ様、どうぞお上がり下さいな。」

「?? 原田さん、話が全く見えないのですが・・・」

「なに、取って食われるわけじゃねえから、そのお姐さんに付いて行ってみろよ。」

「? はい・・・」

そう原田さんに言われたので言われるがままにお茶屋さんに上げて貰い、先ほどのお姐さんが奥の部屋に案内してくれました。
その部屋の中で見たものは・・・


薄紫地に白く花が染め抜きされた浴衣が、衣紋掛けにかかっていました。


「あの、これ・・・」

「原田はんがあんたはんの為に誂えた浴衣どす。幸せどすなあ。」

「え・・・」

そんなこと聞いてなかった・・・
原田さん、何時の間に・・・・・・


嬉しい・・・


私は髪を結って、誂えて貰った浴衣に袖を通し、姿見に自分を映して変じゃないか何回も確認してから原田さんのもとに戻りました。

「おっ、出来上がったのか?」

「原田さん、あの」

「ん、よく似合ってるぜ。・・・別嬪だな、千鶴は。」

そう言って、私の髪をそっと撫でてくれました。

「・・・久しぶりに女物の着物を着て、なんか、恥ずかしいです・・・」

「・・・千鶴はどんな格好をしていても、いい女だよ。」


ドキッ

・・・私、顔が絶対赤くなってる・・・


そんな私の髪をずっと撫でてくれていた原田さんが

「千鶴、そろそろ行くか、宵山へ。」

と言って、今度は左手を差し出してくれました。


えっ・・・手、繋いでいいのかな・・・


私は戸惑いながらも、その手に自分の右手を重ねました。
そうしたら、そうするのが当たり前かのように
原田さんはそっと、だけどしっかりと握ってくれました。


ドキドキドキドキ・・・

ああ、原田さんに私の鼓動が聞こえてしまいそう・・・



嬉しい気持ちを抱えながら、遠くに聴こえる祇園囃子の音に向かって
原田さんと一緒に歩き出しました。



*****



四条通に出てみると、あちらこちらに明かりが灯っているのが分かります。

「千鶴、前に見えてきたのが『四条傘鉾』だ。鉾の中では小さ目な鉾だな。」

「原田さん!左向こうにカマキリが見えます!あれは何ですか?」

「あれは『蟷螂山』だ。あの大蟷螂、からくり人形なんだぞ。」

「えっ?!そうなんですか?!すごーい。 あの、さっきから気になってたんですが、子供たちが山鉾のところで何か売ってますけど、何なんでしょうね。」

「ああ、あれは粽だ。その山鉾の粽によっていろいろなご利益があるらしい。粽を売ってる子供たちは自分が売った分だけ小遣いが貰えるんだと。そんな話を聞くと、全部買ってやりたくなるよな。」

「ふふっ、そうですね。」


四条通の左右に沢山の山や鉾が提灯の明りに照らされてとても綺麗です。
私達はこのまま四条通を通って行き、一番賑やかな鉾の所に着きました。

「これが明日の山鉾巡行の先頭をきる『長刀鉾』だ。」

「うわぁ・・・この鉾、立派ですね。背も一番高そうだし。この鉾って上がれるんですか?」

「上れるけど、残念、女人禁制だ。」

「えーっ?!ずるいです!」

「仕方ねえだろ、しきたりだ。」


むーっと、むくれながら長刀鉾の上を見上げたら、可愛いお稚児さんがいました。
お稚児さんの周りにはお囃子の大人たち、綺麗な装飾・・・私、見惚れてしまいました。
ポーっと鉾を見ていた時、背中が温かくなったと思ったら私の前で原田さんの腕が交差していて・・・つまり、
後ろから抱きしめられていました。


宵山

「は、原田さん?!周りの人に見られて、は、恥ずかしいです・・・///」

「誰も見てねえよ。・・・綺麗だな、千鶴。」

「はい、綺麗ですね、この鉾。」

「・・・綺麗なのはお前だ、千鶴。 いま千鶴を独り占めしている俺の気持ちが分かるか?」


「わ、わかりませんっ。」

「他の連中、ざまあみろ、だ。」

「/// 原田さんっ!!」

「ははっ。 千鶴・・・来年も一緒に来ような。」

「はい・・・はい、原田さん・・・」


原田さん・・・私も原田さんを独り占めしているこの時間がどれほど幸せか、分かりますか?


私達は時間が止まったかのように、暫く長刀鉾の前で立ち止まっていました。


*****


屯所への帰り道。
私は着替えをお茶屋さんに置いてあるため、立ち寄らなくてはなりません。
なので私はお茶屋さんの前で

「原田さんは先に屯所へお戻りになって下さい。私は着替えさせて貰ってから帰りますので。」

と原田さんに言ったら、

「こんな夜道を千鶴一人で歩かせられるはずねえだろ。待っててやるから着替えてこいよ。」

と返答されてしまいました。
申し訳ないなと思いつつも、

「すいません。 では行ってきます。」

と答え、お茶屋さんの玄関に踏み込もうとした時に

「千鶴」

と、原田さんに呼び止められました。
私は振り返り

「はい?」

と、返事をしました。
そうしたら、

「・・・ちょっと目、瞑れ。」

「? はい?」

「いいから、目、瞑れよ。」

「・・・はい・・・」

そうお答えして目を瞑りました。


・・・何があるんだろ・・・


そう思った時、唇に柔らかいものが触れました。
そう感じたのはほんの一瞬で、何が起きたのか私には分かりませんでした。
はっとして目を開けた私の目の前には・・・大好きな原田さんの顔がありました。

「は、原田さん、あの・・・」

「ん?どうかしたか?・・・着替えてこいよ、千鶴。」

そう言って、私の頭をポンポンと軽く叩いてくれます。


・・・もしかして、私、原田さんと・・・


そう考えたら恥ずかしくて、真っ赤になっているだろう顔を見られないようにお茶屋さんに飛び込みました。



今日のことは

私達だけの秘密。



  1. 2012/06/26(火) 10:20:44|
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