皓月庵

乙女ゲーム中心の趣味に走ったアナログ二次創作ブログ。マンガと小説のごちゃまぜ^^;

「悪魔VS堅物 ―斉藤編―」

焔の翼」の天地朱子さんから、リンク記念にSSを頂きました。
色々大変そうな時にお気遣いありがとうございます^^

お話は、私の希望を入れて下さって斎千♪
SSL設定での、らぶらぶな二人の日常の一コマ?(w)を
どうぞ続きからお楽しみ下さい。


挿絵は感謝を込めて、天地朱子さんに進呈します。
他の方はご遠慮下さいね。





悪魔VS堅物 ―斉藤編―



 今日も薄桜学園では日常となった喧嘩、否、台風が校内にて発生していた。
 それは学園で唯一の女生徒である雪村千鶴が入学してから習慣となった名物でもあった。
 だが、台風と名付けるに相応しい絶対零度も体感が出来る喧嘩を生徒達は避けていた。
 君子でなくとも、危険な事を誰もが理解しているが故に、近寄る生徒は居なかった。
 そして、台風の発生源である二人は、意味深な笑みと共に牽制と口論を繰り返していた。
「いい加減にしてくれるかな、そこの悪魔?」
「いきなり人を悪魔なんて呼ぶのは風紀を乱してないかな、シスコン弟?」
 そう沖田に問い返された薫は、瞬間湯沸かし器のような激しい口調で問いを否定した。
「俺が兄で、千鶴が妹だ!」
「ふーん、シスコンなのは認めるんだ?」
「……己の言動の結果もわからない馬鹿には、お仕置きが必要だね?」
 と問い返した薫は、先程までの激昂が嘘の様な絶対零度の笑みを沖田に向けた。
 だが、意味深な笑みを浮かべている沖田は、余裕を感じさせる態度でただ薫に問い返した。
「僕が大人しくお仕置きなんて、受けると思ってる?」
「俺に不可能が無いってことを証明してあげるよ?」
 そう薫が沖田に宣言した時、それを阻止するには非力と思われる可憐な声が遮った。
「ダメだよ薫!」
「これ以上風紀を乱す事は許さん!」
「……学園で唯一の女生徒と交際中な一君の方が、風紀を乱していると思うけど?」
 という沖田の問い返しは、邪魔をしてきた斉藤と千鶴へのからかいも含まれていた。
 だが、その様なからかいも日常であったが故に、斉藤と千鶴は答えなかった。
 ただ、自身の主張をする様に、薫が沖田の問いに対して問い返した。
「俺の妹へ簡単に手を出させていると思ってるの、沖田?」
「へぇ、千鶴ちゃんはキスする時、いつも弟の許可を取ってるんだ?」
 そう沖田が薫の問いに問い返した、否、からかうネタが増えた事をただ喜んだ。
 だが、その様な沖田の言動を看過が出来ない斉藤は、ただ叱責する様に名で制した。
「総司!」
「いやだなぁ、ただの確認だよ、確認」
 と答えた沖田は、斉藤の怒りを真正面から受けつつも、意味深な笑みのままだった。
 そして、斉藤とは違う意味で看過しなかった薫は、千鶴に真偽を確かめる視線を向けた。
 また、その様な薫からの無言の問いに対し、千鶴はあいまいな答えを言葉にした。
「……薫、黙秘権は有り、かな?」
「有ると思う?」
「えっと……」
 そう千鶴が答えに窮していると、沖田はからかう様なニヤニヤとした笑みを見せた。
「ふーん、千鶴ちゃんがそう言うなんて……風紀委員の一君がそれで良いの?」
 と沖田が問い掛けても斉藤は答えず、ただ千鶴が状況を緩和しようと会話に割り込んだ。
「で、でも、屯所の頃みたいに、沖田さんが就寝中の斉藤さんの部屋に私を放り込んだり、深夜に沖田さんが私の部屋に入ろうとして斉藤さんと騒動になって土方さんがお怒りになった様な事は、現世ではまだないから大丈夫だよ、薫!」
「……天然って怖いね?」
 そう沖田は千鶴の言葉を否定も肯定もせずにただニヤニヤと笑い続けていた。
 そして、その様な沖田に対し、斉藤はあくまでも冷静な口調で改善を試みようとした。
「あんたは悪魔と言われる己の所業を反省する気もないのか?」
「いやだなぁ、今から悪魔になるのは薫の方だよ。いや、現世だとサタンの方が良いかな?」
「……本当にあんたは状況を悪化させる事しか選ばぬな」
「そういう一君はいつも任務と千鶴ちゃんが最優先事項だよね?」
 という一触即発な沖田と斉藤の会話を聞いた薫は沈黙する千鶴から標的を2人に変えた。
「俺を無視してボケ老人みたいに過去話で盛り上がらないでくれる? あと、俺がそんな馬鹿な所業を許すわけがないし、そこの悪魔も色ボケたエセ堅物も俺が処理するから……」
 そう薫が己の主張、否、明確な宣戦布告をした際、斉藤と千鶴の間を見て驚いた。
 その様な薫の驚き、否、色を無くした表情に対し、単純に心配した千鶴が声をかけた。
「薫?」
 と千鶴に気遣われた薫はそれに答えず、ただ悪魔も恐れる様な昏い視線を斉藤に向けた。
「……斉藤」
「……なんだ?」
「その恋人つなぎは何? それは兄の許可なんて要らないという挑戦状? それとも夫婦になります宣言?」
 そう薫は問い掛ける、否、詰問とも言える激しい口調で事実確認を斉藤と千鶴に求めた。
また、斉藤と千鶴の手つなぎに気付いた沖田は、あからさまに驚いた表情で場を煽った。
「ああ、確か、恋人つなぎをするのは……性的関係が有るらしいよね?」
「!」
「こ、これは……」
「言い訳なんて要らないよ、斉藤! そして、こんな堅物の皮をかぶった駄犬は俺が処理するから、千鶴は安心して……」
 という薫は、絶対零度から全てを焼き尽くすような激しい怒りと共に主張をした。
また、己さえも燃え尽くす様な過激な言動に対し、千鶴が自制を促す様に薫の名を叫んだ。
「薫!」
 そう千鶴に自重を促された薫は、見失いかけていた己を取り戻してからすぐに沈黙した。
 その様な薫と千鶴の会話を見ていた、否、観賞していた沖田は短い評をした。
「ほんと、千鶴ちゃんは最強だね?」
「……わかっていて利用しているあんたは最凶だな」
「だから僕は一君と千鶴ちゃんが好きなんだよ?」
 と沖田から評された斉藤は沈黙を返し、我に返った薫は千鶴への謝罪を言葉にした。
「ごめん、ちょっと暴走した」
「うん。でも、私を思ってくれる事は嬉しいよ?」
 そう薫と千鶴が和解すると、場の収束を計るように斉藤が再び沖田の名を口にした。
「……総司」
「……近藤さんに告げ口でもするつもり?」
「今日は校長先生が剣道部の見学をされる際、指導もされる場合もあると土方先生が仰っていた」
 という斉藤の情報は沖田が知り得なかった最新の聞き逃せない内容だった。
そして、その様な斉藤の居合の鋭さにも近いキレのある言動に対し、沖田は笑みをみせた。
「堅物な一君はからかい甲斐があるけど、曲者な一君は楽しいよね」
「俺はあんたを楽しませる気など全くない」
 そう斉藤が沖田の言葉を一刀両断すると、薫が二人の会話に割り込んだ。
「今回は千鶴の優しさに免じて不問にするけど……次は無いよ?」
「そんな脅しが僕に通用すると思っているの?」
「総司、そろそろ準備をしないと部活の開始時間に遅れるぞ」
「薫、そろそろ風紀委員のお仕事も始まる時間だよ?」
 と斉藤と千鶴に問われた、否、制された沖田と薫はあえて沈黙した。
 それ故に、斉藤はこれからの予定を確認しながら千鶴の予定を確かめた。
「俺は風紀委員の仕事を終えてから部活となるが、千鶴はどうする?」
「私は図書室で課題に関する調べ物をしながら待っています」
 そう斉藤に答える千鶴の雰囲気は先程とは違う意味で近寄り難かった。
 否、あえて言うなら馬に蹴られたくないという程に甘い雰囲気だった。
そして、それは男子校だった薄桜学園ではいまだに珍しい光景だった。
また、ある意味では台風ともいえる雰囲気でもあったが、当人達は気付いていなかった。

カット1002悪魔vs堅物・斉藤編

「ああ、ならば俺が迎えに行く」
「はい、有り難うございます。斉藤先輩」
「俺が好きで申し出た事だ、気にする必要はない」
 と斉藤が千鶴に配慮すると、千鶴も斉藤へ感謝する様に微笑んだ。
「はい、ではまた後で」
「ああ、またな」
 そう斉藤が答えると、千鶴は一礼をしてから図書室へと向かった。
 そして、千鶴の姿が見えなくなり、甘い雰囲気も消えかけた時、沖田は意味深に微笑んだ。
「こんな甘い空気の方が、風紀を乱してると思うけど?」
「……会話だけで風紀が乱れるなど有りえん」
「……ホント、一君は堅物だね」
 という沖田はからかう様な言葉に対し、斉藤が言葉を返す前に薫が口を挟んだ。
「可愛い妹に手を出すなら相応の覚悟をしてるよね、斉藤?」
「……土方先生がお待ちだ。風紀の仕事を始めるぞ、南雲」
「僕は止める気は無いけど、報告は楽しみにしてるよ?」
 そういう沖田のからかいに斉藤は無言の拒絶を、薫の過干渉な言動にはスルーをした。
 そして、斉藤を深く知るが故に、沖田は肩を竦め、薫は制する様な厳しい視線を向けた。


  1. 2017/09/10(日) 00:30:01|
  2. 頂きもの
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  1. 2017/09/10(日) 10:02:44 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集 ]

天地朱子様♪

いえいえ、こちらこそありがとうございました^^
挿絵も気に入って頂けたようで、ほっとしております。
続きはどうぞ無理のないように。
いつまでも待っております。
  1. 2017/09/10(日) 23:56:36 |
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  3. ちょこ #-
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